2011年11月21日月曜日
☆ こんな映画は見ちゃいけない!
「指輪をはめたい」 です。<p>気がつくと3人の女が婚約者になっている。美しく頭脳も明晰な完璧な<br>同僚、セクシーでさばさばした性格の風俗嬢、古風で尽くすタイプだ<br>がずれている人形劇師。それぞれに魅力を感じつつも、誰が本物の婚<br>約者か見当がつかない。映画はそんな主人公の幸せな災難をコミカル<br>に描く。なくした記憶を取り戻すために彼女たちと愛を確認していく<br>姿は、まさに彼自身の自分探し。その過程で、1人を選べない心の弱さ<br>が露呈していく。決められないのは逃げているだけ、結婚を目の前に<br>した男の、「この女でいいのか」の気持ちがリアルだ。<p>営業先で頭を打った輝彦は、恋人のデータをすっぽり忘れてしまう。<br>さらにかばんから婚約指輪が見つかり、我こそ婚約者と名乗る女が3人<br>現れる。わけのわからない輝彦は、謎の少女・エミに相談する。<p>3人の女はある意味、男の理想像ともいえる存在。ただ、その中から1<br>人に絞るとなるとみなどこか物足りず、踏ん切りがつかない。3人との<br>日替わりデートは楽しいはずなのに、結婚という現実が重くのしかか<br>ってくると途端に憂欝なものになっていく。<p>それでも結論をズルズル先延ばしにする輝彦には、もはやモテモテの<br>うらやましさより、悲壮感を覚える。あり得ない設定ながら、非常に<br>ファンタジックな映像が独特の世界観を作り上げ、輝彦の逡巡を明る<br>い苦悩に変えている。この物語に登場する女たちは、輝彦にもてあそ<br>ばれた被害者なのに、皆輝彦に優しい。それは彼の人徳なのだろうか。<p> お勧め度=★★*(★★★★★が最高)<p>