2012年11月15日木曜日

こんな映画は見ちゃいけない!(11/15)

本日、とりあげる作品は

「悪の教典」 です。

ありふれた風景が少しずつ歪みだす。カンニングやクレーマー、教え
子に肉体関係を迫る教師など、徐々に狂気が教室に充満していく。映
画は、正体を巧みに隠して社会生活を営む生まれつきのサイコパスが、
本性を露わにしていく過程をバイオレンスたっぷりに描く。殺したい
本能が止められない、だからこそ目的を達するためにさわやかな善人
でいる必要に迫られる。そんな主人公を伊藤英明が不気味に演じる。

快活で頭の回転も速い高校の人気教師・蓮見は、娘が学校でいじめを
受けていると再三クレームをつけてくる男を焼死させる。その後も女
生徒から相談を受けたのを機に、素行の悪い生徒や教師を罠に嵌める。

蓮見が手を下すのは理想的な学園の邪魔者ばかりなので、行き過ぎた
正義にも思える。だが、裏にあるのは常人の理解を超えた心の闇。い
や、それは闇というよりも空白、喜怒哀楽がないゆえに卓越した知性
で感情豊かなフリをしていなければならない日常こそが彼の苦悩であ
り、苦悩を解放しても構わない"理由"ができると行動に移す。

人を殺すときも彼の表情からは何もくみ取れず、ただ、己に与えれら
れた仕事と黙々とこなしていく。ターゲットになった学校関係者の恐
怖を弄ぶわけでもない、殺しの感触を楽しむわけでもない、そこには
悪意を超越した意志すら感じさせる。ラストで"to be continued"と
なっていたが、次回作ではレクター博士を凌駕するほどの凄みを身に
付けておいてほしい。。。

お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

「悪の教典」
についての詳細は、

http://d.hatena.ne.jp/otello/20121112

を参考にしてください。