2012年11月22日木曜日

伊藤歩、『渾身』で共演の青柳翔との初対面はお尻だった!

『渾身 KON-SHIN』(2013年1月12日公開)の完成披露試写会が、11月22日に丸の内ピカデリー2で開催。伊藤歩、青柳翔、財前直見、甲本雅裕、長谷川初範、中本賢、宮崎美子、井上華月、粟野史浩、中村麻美、錦織良成監督らが登壇。ヒロインを務めた伊藤は「ダイナミックな映像はもちろん、隠岐の島の人たちが一生懸命協力して作った映画です」と、ロケをした隠岐の島の人々に感謝の言葉を口にすると、映画主演デビューを飾った劇団EXILEの青柳翔も「島根県の人々、隠岐の方々ありきで作った作品です」と、重ねて礼を述べた。
【写真を見る】伊藤歩と財前直見がシックなワンピースで美脚を披露!
伊藤は青柳について、「初めて顔合わせをした時、ふんどし、じゃない、まわしで稽古をされていて」と焦りながら言うと、青柳も笑顔で「まわしですね」と優しくフォロー。伊藤は続けて「おはようございますって言ったら、そこにお尻があって」と興奮気味に発言すると、会場は大爆笑。青柳も「僕、お尻で覚えてもらったんですね」と、笑いながら突っ込みを入れた。
財前は「一言で言えば、おせっかいおばさんです。何よりもこのふたりの応援団でいようと思いました」と話すと、甲本も「関わった人たち全ての渾身の思いが詰まった映画です。一言だけ言うと、泣くよ」とアピール。宮崎も「映画を見た後、皆さんも、がっとお塩をまきたくなると思います。興奮すると思います」と、本作への思いを語った。
その後、サポータズソング「Dear Heaven」を歌う塩ノ谷早耶香が登場し、「たくさんの思いを込めて歌いたいと思います」と、歌を熱唱。青柳は「声に透明感があります」と感動しながら感想を述べると、伊藤も「初めて聴いたんですが、大好きになりました。すごく心に響きました」と満足気に語った。最後に錦織監督が「この映画をやりたいと言って支えてくれた皆さん、みんなに届けたいと言ってくださった皆さんの励ましの言葉でこの映画はできました」と、感無量の表情で締めくくった。
隠岐諸島の全面協力の下、20年に一度の遷宮相撲を完全再現した『渾身 KON-SHIN』。隠岐諸島の大自然を舞台に、激しい古典相撲と味わい深い家族のドラマが展開される。【取材・文/山崎伸子】

フランス映画界の鬼才が撮った『プライベート・ライアン』に肉迫するリアルな戦闘シーン!

『憎しみ』(95)、『クリムゾン・リバー』(00)、『ゴシカ』(03)の監督、そして『アメリ』(01)や『ミュンヘン』(05)、『エージェント・マロリー』(12)の俳優としても知られるフランス映画界の鬼才マチュー・カソヴィッツ。ここ数年は活動の場をハリウッドに移していたが、フランスへの復帰第1作として手がけたのが『裏切りの戦場 葬られた誓い』(11月24日公開)だ。
【写真を見る】フランス政府が隠してきた事件の真実が暴かれる!
1988年のフランス大統領選挙の裏で、フランス領ニューカレドニアのウベア島で起きた悲劇的な事件を題材に描いた本作。フランス政府がひた隠しにしてきた事件の真実に興味を抱いたカソヴィッツが、完成までに費やした期間は何と10年!フランス政府、ニューカレドニアでの事件の関係者たちへの綿密な取材、入念なリサーチを経て作り出された作品は賛否両論を呼び、そこに書かれた真実をフランス政府は否定したほどだ。
さらに注目したいのが『プライベート・ライアン』(98)ばりのリアリティあふれる戦闘シーンだ。独立派と彼らを制圧しようとする憲兵隊と陸軍によるジャングルでの戦闘シーンを1台のカメラ、ワンショットで撮り、ドキュメンタリーを思わせるようなリアルさを追求。手に汗握る緊迫感たっぷりの映像に仕上がっている。
監督のカソヴィッツは主人公も務め、独立派と軍との間で板挟みになり、良心の呵責に苛まれ、苦悩し、葛藤する姿を熱演している。その他、脚本・編集・製作も兼任し、彼のこの作品にかける情熱がひしひしと伝わってくる。フランスのアカデミー賞とも言われるセザール賞で、2012年脚色賞にもノミネートされた話題作を、是非真正面から受け止めてほしい。【トライワークス】

山田孝之が一人三役の異色作『ミロクローゼ』の監督が語る「常に挑戦!」

マネキンを使った異色コメディ「オー!マイキー」の石橋義正監督が、山田孝之主演で撮った映画『ミロクローゼ』(11月24日公開)は、またもや規格外(!?)の突き抜けた快作となった。構想から公開まで8年を費やした本作は、ポップでグルービーなダンスから、キレのある殺陣までを盛り込んだ、破天荒ファンタジー。山田は、本作で恋する無垢な会社員、草食系男子の悩みをバッサリ斬る青春相談員、さらわれた恋人を探す片目の浪人と、一人三役に挑んだ。石橋監督にインタビューし、その飽くなきチャレンジ精神について聞いてみた。
【写真を見る】一人三役の山田孝之がノリノリでファンキーなダンスを披露!
「最初にいろんな世界観のアイデアを思いつき、それを一つの映画にしようと思いました。最終的には三つの世界に絞り込み、それをオムニバス映画ではなく、一つの映画として見せようとしたんです。全編を一人の役者が演じることにより、映画を見終わった後で、何か一人の人物を想像できるようなまとめ方をしたいと思いました。でも、そのためには、全く異なる人物を演じ分けるという演技力が必要でした。そこで山田孝之さんにお願いしましたが、非常に良かったです。きっちり三人を演じ分けてくれて、その実験的な部分が成功したかなと思います」。
独自の石橋ワールドが炸裂した本作だが、監督はどんなクリエイターから影響を受けてきたのだろうか。「鈴木清順さん(本作に出演)、黒澤明監督、海外でしたら、スタンリー・キューブリック、ブライアン・デ・パルマ、フランシス・コッポラなど、大御所の影響は全て受けていると思います。でも、今回やってみて、つくづく感じたのは、両親の影響ですね。親が京友禅をやっていて、僕もその影響で、高校から日本画をやっていたんです。映像は大学に入ってから始めましたが、子供の頃から日本の伝統工芸を見てきたので、どうしても画が平面的な構成になるんです。絵巻物的な画が好きというか、奥行きよりも平面的なレイアウトをしてしまう。左右対称のシーンも多かったです」。
本作は2011年の香港映画祭を皮切りに、各国の映画祭で上映され、ようやく日本で凱旋公開されることになった。各国での反応はどうだったのか。「この映画のコンセプトとして、映画を鑑賞するというよりも、『ミロクローゼ』に遊びに行こうって感じで見に来てもらえたらと思っていまして。海外の人の見方は、結構それに近いものがあり、素直に楽しもうとしてくれました。リアクションも大きいから、見ていて気持ちが良かったです」。
特に、アメリカのニューヨーク・アジア映画祭ではオープニング作品に選ばれ、山田が日本人初のライジング・スター・アワードを受賞したことも記憶に新しい。山田の受賞について「非常に嬉しかったです」という。「ご本人自体は、海外や日本とかを意識していないと言っていましたが、活躍の場が広がれば広がるほど良いのではないかと。でも、それは、本作で受賞したということではなく、彼の今までの積重ねからだも思っています」。
さらに石橋監督は、山田の俳優としての姿勢に感銘を受けたそうだ。「通常、俳優なら、自分が前面に出たいという気持ちがあるんだろうけど、彼はそれよりも、監督が何を作りたいのかってことを第一に考えてくれる。作り手としてやってくれた気がするので、非常にやりやすかったです。監督と俳優という関係の溝みたいなものがなくて、一緒にものを作っているような感じでした。きっと彼はどの作品に出てもそうなんだろうなと。また、次の作品でもご一緒したいです」。
本作で、監督、脚本、美術、編集、音楽と、五足のわらじを履いた石橋監督には、やはり自分自身のオリジナルへのこだわりがある。「映画に人が来ないから、テレビや漫画の映画化というだけじゃなくて、映画を作る人も色々考えていこう!という気持ちはあります。ヒットしようがしまいが、作り手がそういう気持ちを失ってはいけない。常に挑戦です。何年かかったとしても『この作品を作るんだ』ということの方が大事じゃないかと僕は常々思っています。失敗することもあるけど、それを気にしていたら、世の中が面白くなくなるし。次から次へ新しいことをやっていかないと」。
石橋監督のクリエイターとしてのスピリットにほれぼれする。海外で多くの映画人を驚嘆させた『ミロクローゼ』とは、いったいどんな映画なのか!?刺激的でポップでお茶目、でも愛とペーソスにあふれた石橋ワールドへ是非遊びに行こう!【取材・文/山崎伸子】

総監督たかみなの涙の意味は!?……『DOCUMENTARY OF AKB48』新作特報映像

アイドルグループAKB48の2012年を追ったドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』が2013年2月に公開される。7パターンの特報映像が12年11月23日より全国のTOHOシネマズで順次上映される。
特報映像は活動7周年を記念して7パターンが作成された。また22日より、公式ウェブサイトでも毎日1タイプずつ紹介される。同時にポスター、チラシも解禁された。
「2012年のAKB48は、ドラマティックな一年だった。しかし、その裏側は、もっと、ドラマティックでセンセーショナルなものである」(秋元康)。誕生から7年。念願の東京ドーム公演、そして前田敦子卒業によって、新時代の幕が明ける。AKB48第1章の軌跡と新時代への第1歩に密着したドキュメンタリー。
『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』は2013年2月1日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー。企画:秋元康、監督:高橋栄樹、配給:東宝映像事業部。

多岐川華子、離婚後初の公の場「仕事頑張る」

女優・多岐川華子(24)が21日、俳優・仁科克基(まさき、30)との離婚後、初めて公の場に登場した。都内で行われた映画「ロックアウト」(23日公開)の試写会にタレント・小島よしお(32)とゲスト出演。「大変でしたけど、今はお仕事を頑張りたいと思っています」と吹っ切った表情を見せた。
2世タレント同士のカップルとして注目を集めた夫婦は、10月22日に結婚1年9か月でスピード離婚。母で女優の多岐川裕美(61)も心配していたといい、「『お仕事頑張ってね』と言われました」。先日、テレビ出演した仁科が多岐川にメールで離婚を申し出られたと説明したが、「それは違う」と否定した。
試写会では小島が「やめときゃよかったな~。トライトライトライ」と新ギャグを披露。多岐川もマネしていた。

こんな映画は見ちゃいけない!(11/22)

本日、とりあげる作品は

「人生の特等席」 です。

目はかすみ足はふらつき小便の出も悪い。老いぼれたスカウトマンは、
それでもフィールドに通いつめ若い才能を探し求める。データより経
験と直観、「マネーボール」の逆をいく主人公は決して自らの流儀を
曲げない筋金入りの頑固者。そして有能な弁護士として活躍する娘も
彼の血を濃く引いている。映画は、父を手伝う娘が野球の素晴らしさ
を再認識し、人生の指針を得る姿を描く。その、お互い気にかけてい
るのに素直になれず反目ばかりしている2人が、野球を通じて徐々に過
去のわだかまりを解いていく過程が穏やかな感銘と共感を呼ぶ。

高校生の視察に向かったガスを心配した上司は、ガスの娘・ミッキー
に同行するように頼み込む。ミッキーは重要な案件を抱えていたがガ
スと合流、2人はドサ周りを続けるうちに相手の本心を探ろうとする。

父と息子ならキャッチボールだが、ミッキーはガスの投げた球をバッ
トで打つ。男同士だと対等な関係を築けたはずが、父娘の間柄が彼ら
の心情を余計に複雑にする。元々ガスは頭のいいミッキーが自分を超
えるのを期待していたのだろう、ジャストミートしたミッキーの打球
が外野へ飛んでいくシーンは、父娘という男女間の、埋めがたいが触
れあうことはできる微妙な距離感を象徴していた。

その後すれ違う2人の感情が、他球団のスカウトマン・ジョニーを触媒
にして接点を持ち始めるが、彼らに共通するのは野球への深い愛と理
解。選手だけではない、のどかな野球場の雰囲気が郷愁を誘う。

お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

「人生の特等席」
についての詳細は、

http://d.hatena.ne.jp/otello/20121020

を参考にしてください。

本日はもう1本

「ドリームハウス」 です。

夢にまで見たマイホーム、美しい妻・幼い娘たちとの幸福に満ちた暮
らし、そして新しい人生のスタート。男にとって未来は輝かしいもの
になるはずだった。あの悲劇の記録を目にするまでは。意味ありげな
表情の隣人、不審な人影、やがて明るみになっていく凄惨な事実。物
語は念願の一戸建てを手に入れた主人公一家が遭遇する恐怖を描く。
それは過去から甦った亡霊、忘れていた忌わしい体験でもある。とこ
ろが、映画はそんな手垢のついたホラーの定石をはるかに凌駕し、妄
想と現実のはざまで行きかう予期せぬ展開の連続に、思わず身を乗り
出し、息をのんだ。

郊外の一軒家で妻とふたりの娘とともに執筆生活に入ったウィル。だ
が、娘たちは夜な夜な不気味な影や物音に脅える。その後、かつてこ
の家で一家惨殺事件が起こり、犯人が帰ってきたと知らされる。

有能な編集者だったウィルが、なぜ事件を知らなかったのか、家の購
入前に調べなかったのか。その矛盾はウィルの一見明晰で信頼のおけ
そうに見える人間像を徐々に壊していく。見たいものしか見ず、都合
の悪いことには耳目を塞いでいるのではという疑問。さらに、ウィル
が独自に調査していくうちに思いもよらぬ衝撃の真実が明らかになっ
ていく過程は、ミステリアスかつスリリング。

ウィルを演じたダニエル・クレイグは人格の変化をサラサラヘアとオ
ールバックで演じ分け、愛と苦悩、怒りといった感情を表現する。

お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

「ドリームハウス」
についての詳細は、

http://d.hatena.ne.jp/otello/20121005

を参考にしてください。

本日はもう1本

「ふがいない僕は空を見た」 です。

不妊症を義母に責められる女は高校生とのセックスを唯一の逃げ場に
している。「いっぱい出して」と懇願する言葉の裏にあるのは、心が
通わぬ夫よりも空想の恋人の精を体内にとどめておきたいという願い。
誰かに気持ちを分かってもらいたい、彼女の切ない思いは現実逃避の
世界でしか叶わない。そんなヒロインを田畑智子が壊れそうなほどの
繊細さで演じている。映画はふたりの愛と破局を通じて、人生にがん
じがらめにされた人々の閉塞感を描く。それは喪失感にも似た諦め、
未来への希望を失った者にとって、空は青いほど寒々と感じるのだ。

アニメ好き主婦・里美と知り合った卓巳は、彼女の部屋を訪ねてコス
プレプレイを続けている。ある日、同級生に告白されたのを機に卓巳
は里美と別れようとするが、里美は「呪ってやる」と卓巳をののしる。

里美の不義を疑う義母によって盗撮されていた里美と卓巳の性行為は
動画サイトで公開される。さらに卓巳の親友・良太はプリントしたそ
の画像をばらまくのを手伝う。ネットに流したのは里美なのか、良太
はなぜ卓巳を苦しめるのか。それらは、どんな人間も笑顔の裏に底知
れぬ悪意や嫉妬を抑え込んでいて、ふとしたきっかけで爆発すること
を示唆する。

だが、時制をシャッフルしたり唐突に良太の話に切り替わるなど、編
集の意図が全く理解できず戸惑いばかりが残る。良太のエピソードは
カットして上映時間を短くすれば引き締まった印象になったはずだ。

お勧め度=★★(★★★★★が最高)

「ふがいない僕は空を見た」
についての詳細は、

http://d.hatena.ne.jp/otello/20121119

を参考にしてください。

本日はもう1本

「ボディ・ハント」 です。

目で見たことは正しいのか、心で感じたことは真実なのか。哀しみを
纏った孤独な青年は忌わしい過去と重大な秘密を抱えている。転校し
てきた少女は、彼の純粋な瞳に魅かれ寂しさを癒してやろうとする。
ところが周囲の人々は彼らの交際を快く思わない。物語は森のそばの
一軒家に引っ越してきた母娘が隣人の事情に首を突っ込むうちに恐ろ
しいトラブルに巻き込まれていく姿を追う。大人の無理解、蔓延する
黒い噂、それでも彼を信じるヒロインの直截的な正義感がいかにもテ
ィーンエイジャーらしい。

格安物件を借りたサラとエリッサ母娘は、夫婦惨殺事件があった隣家
にひとりで暮らすライアンと知り合う。しかし、ライアンは行方不明
になったとされている妹のキャリー・アンを地下室に監禁していた。

悲劇の当事者として地域の住人から距離を置かれているライアン。両
親の離婚に胸を痛めているエリッサは彼の繊細な気持ちの理解者とな
っていく。映画の冒頭でキャリー・アンが両親を刺し逃走するが、ラ
イアンは密かに彼女を保護して人目につかないように拘束している。
そこにはかわいい妹を犯罪者にしたくないライアンの、歪んではいる
が深い愛が横たわっているよう。

一方、サラがライアンを食事に招待しておきながらエリッサとの交際
を禁じたり、登校したライアンに男子生徒が絡むシーンにライアンへ
の偏見が凝縮され、その反発からエリッサがライアンに急接近する設
定が共感を呼ぶ。

お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

「ボディ・ハント」
についての詳細は、

http://d.hatena.ne.jp/otello/20121121

を参考にしてください。