本日、とりあげる作品は
「ゲットバック」 です。
長年会えなかった娘は、もう子供ではなかった。父の問いかけにろく
に答えず、プレゼントのぬいぐるみも突き返す。刑務所にいる間娘と
の再会を唯一の希望としてきた男と、突然消えた父親の顔など見たく
ない娘、「愛は時間を止め、時間は愛を止める」という言葉に象徴さ
れるこの父娘の関係が切ない。映画は、愛娘を人質に取られた男が身
代金を作るために再び犯罪に手を染めていく姿を描く。FBIに追われな
がら誘拐犯を探し、逃げながら解決策を模索しなければならない絶体
絶命の危機の中でひたすら疾走する主人公を、ニコラス・ケイジがお
得意の苦悩する表情で演じ切る。
銀行強盗に失敗し、ひとり投降したウィルは、8年の服役後仮釈放とな
る。しかし、かつての仲間・ヴィンスはウィルがカネを独り占めした
と思い込み、ウィルの娘・アリソンを拉致し分け前を要求する。
ヴィンスは自らの死を巧みに偽装して他人になり済まし、FBIのファイ
ルでも死亡扱いゆえウィルはなかなか彼の尻尾をつかめない。その間
もアリソンの命の期限は迫ってくる。奪ったタクシーのGPSを使いつつ、
FBIの銃撃をかわしながらウィルはヴィンスの消息を尋ねまわる。
走り、跳び、落下しても怯まず、渋滞する道路をタクシーでブッ飛ば
す。ところが、ノンストップアクションになるべきシーンは演出もカ
メラワークもキレに乏しく、スピード感がイマイチ。特撮に頼らない
チャレンジはよいが、逆に生ぬるさばかりが目立ってしまった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「ゲットバック」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121115
を参考にしてください。