2013年9月5日木曜日

こんな映画は見ちゃいけない!(9/5)

本日、とりあげる作品は
「サイド・エフェクト」です。

心も体も鉛の鎖で縛られ毒の霧の中にいるような気分が続き、思考とは別に手足が勝手に動き突飛な行動に走ってしまう。深刻なうつ病に苦しむヒロイン、彼女はやがて強力な副作用を伴う抗うつ薬に頼る。物語はそんな女が犯した罪のために窮地に陥った担当医が、事件の裏に隠された真実を暴いていく姿を追う。心身喪失状態で起こした殺人は罪に問えるのか。薬を処方した医師は責任を取るべきか。そして副作用を強く警告しなかった製薬会社の瑕疵はどこまで追求できるのか。クールで謎めいた空気をまとった映像は、人間だれもが他人の知らない別の顔を持つことを暗示する。
重度のうつ患者・エミリーは、出所したばかりの夫とやり直そうと努力している。ある日、彼女は自傷事故で入院、精神科医のバンクスから勧められた新薬は症状を改善させるがエミリーは夢遊病を併発する。
肉体的には健康で外見は元気そうに見えるのに、ちょっとしたきっかけで精神のバランスが崩れるエミリー。一方で英国のアクセントが鼻につくバンクスはどこか患者を見下した態度をちらつかせる。映画はまずこの2人の立場を鮮明に印象付け、のちにエミリーが夫を刺殺し原因が新薬の副作用と判断されると、か弱い患者対高慢な医師および製薬会社という構図を浮かび上がらせる。
巧妙なストーリーテリングとどんでん返し、S・ソダーバーグの演出は洗練を極め、先の展開が読めない上質のミステリーに仕上がっていた。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)「サイド・エフェクト」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130713を参考にしてください。
本日はもう1本
「マン・オブ・スティール」です。

超人的な身体能力を持つ者は、普通の人間にとって驚きや憧れ以上に恐れの対象でしかない。ゆえに幼少時より父親から力の封印を躾けられた若者は、正しい使い方を探して放浪する。自分は何者なのか、なぜこんな力を持っているのか、物語はそんな主人公の魂の彷徨をみつめる。映画のプロローグ、宇宙の遥か彼方、崩壊しつつある惑星ととどまる人々の主導権争いは壮大かつ精緻なヴィジュアルに彩られ、圧倒的な情報量には目をみはるばかり。その映像には先進文明が生んだ哲学が貫かれ、強烈な引力となって観客を作品世界に引き込んでいく。
地球人に育てられたジョー・エルの息子・クラークは、養父の死後、あてのない旅に出ていた。ある日クラークは北極の氷床に埋まった飛行船を発見、そこでジョーからのメッセージを受け取る。
己の出自を知ったクラークは青いボディスーツに身を包み大空を飛ぶ。アイデンティティを取り戻した彼は初めて自由を得た喜びで全身を満たすかのよう。音速を超える飛翔のスピードが、失われた過去への決別と未来への希望を表現していた。
そして地球に現れたクリプトンの反逆者・ゾッド将軍一派。それは長年彼が探し求めていた人生の意義であり、誰はばからず良心に従って力を発揮できるチャンス。ある意味、ゾッド将軍はクラークの運命の扉を開くきっかけでもある。進むべき道を見つけたクラークだが、最初からこれほどの強敵を迎えてしまって続きが作れるのだろうか。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)「マン・オブ・スティール」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130903を参考にしてください。
本日はもう1本
「オン・ザ・ロード」です。

セックスとドラッグとパーティ、まだ見ぬ世界に足を踏み入れた青年はたちまち溺れ、旅に出る。自分の殻を破るため、特別な友人と貴重な体験をするため、そして何より人生の真実を見つけるために。物語は作家志望の青年が風変わりな男と出会い、ニューヨークから中西部を経て西海岸まで往復する過程でかかわった人々とのひと時を描く。地平線に向かってひたすら伸びる道路、凍てつく真冬から抜けるような青空の夏、たそがれ時の太陽からネオンきらめく深夜まで、季節と時刻によってさまざまな顔を見せる風景が米国の広さを実感させる。
1947年NY、父の死に落ち込んでいたサルは友人にディーンを紹介され、常識や社会通念に捕らわれない彼の奔放な生き方に魅了されていく。後にデンバーに移ったディーンを訪ねるためにサルもNYを後にする。
複数の女と同時に付き合い、特にトラブルを起こさず人間関係を構築しているディーンは、男友達のカーロにまで片思いされるほど性的な魅力的の持ち主だ。だが、反抗するでもなく夢を追いかけているのでもない中途半端な存在で、ただ現実と真剣に向き合うことから逃げているようにしか見えない。
当時の若者の代表としてサルは彼に影響を受けていくが、サルは傍観者に徹するだけ。旅を通じて成長するでも人情の機微を味わうでもない。この手の"純文学"は発表された当時は衝撃的だったのだろう。しかし、21世紀の現代ではやはり語りつくされた感がある。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「オン・ザ・ロード」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130904を参考にしてください。
本日はもう1本
「劇場版 タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」です。

あらゆる過去にタイムワープし、歴史の知られざる一面を発掘する仕事、当然史実を変えるような干渉は許されず傍観者に徹するべきなのに、どうしてもトラブルに巻き込まれる。物語はそんな少し危なっかしい主人公を通じ、記録には残っていない一般大衆の生活をレポートしようとする。ゼロ年代に大流行したフェイクドキュメンタリーの手法を時代劇と融合させるアイデアが秀逸で、歴史の生き証人になった気分にさせてくれる。
本能寺の変直後の京に派遣された時空調査員・沢島は、元信長家中の侍・権之介に取材中、幻の茶器を持つ島井の護送に同行する羽目になり、茶器にまつわる履歴の修正作業を命じられる。
その過程で、安土城焼失の謎を解明したいヒカリという新人調査員と合流しつつ権之介のインタビューを進める沢島。そして、飢えた町人や、村が野盗に略奪され虜になった百姓など、信長亡き後無法地帯となった日本で弱き立場の彼らが嘗める辛酸を目の当たりにする。それは天下を目指す英雄伝には決して描かれることがない、サイレントマジョリティの叫び。
だが、沢島の職分では彼らの事情に立ち入れず権之介らと共に野盗に捕縛されてしまう。このあたり、当時の人に未来の科学力の使用を禁止されている彼らはほとんど活躍できず、もどかしさばかりが募っていく。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「劇場版 タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130901を参考にしてください。
本日はもう1本
「ガッチャマン」です。

突然上空から現れたかと思うと急降下し、流麗な体さばきで敵兵士を瞬時に倒す。さらにビルの壁面を駆け上り、宙を舞い、巨大なホイール型爆弾に挑む。映画は、中野から新宿にかけて仔細に再現された町並みで繰り広げられる壮絶な市街戦のプロローグで、一気に作品世界に引き込もうとする。しかしそこで展開される安っぽいアクションの数々は、TVの子供向け特撮ヒーロー番組の水準。肝心の"選ばれし戦士"も自分たちこそが人類の最後の希望という意識に乏しく、作戦遂行中に感情に流される始末。苦悩する等身大の若者としてさせたかったのかもしれないが、それを戦闘中にまで引きずるなど愚の骨頂だ。
ウィルスXに感染した人間はギャラクターに進化し、人類から地球を奪おうと戦争を仕掛ける。地球防衛組織は、健、ジョーら5人の"石"の力を操るエージェントをギャラクターに差し向ける。
イリヤはかつてジョーの婚約者で、健とも幼馴染のナオミを殺した仇敵。健は私情より任務を優先させるが、ジョーは復讐にはやる心を抑えきれず暴走してしまう。他にも怪力自慢の竜が戦う意義を問うたりする。800万人に1人しかいない"石"の適合者としてギャラクターに立ち向かう使命のもと、子供のころから訓練されているはずなのに、このメンタルの弱さはなんなのか。全く理解できなかった。
あの美しかったガッチャマンを貶めたのは、「誰だ!誰だ!誰だ!」と思わず叫んでしまった。
お勧め度=(★★★★★が最高)「ガッチャマン」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130830を参考にしてください。

2013年8月31日土曜日

こんな映画は見ちゃいけない!(8/31)

本日、とりあげる作品は
「ジェリー・フィッシュ」です。

話が合わないクラスメイトとは距離を置き、口うるさい両親とはそりが合わない。学校でも家庭でも疎外感を覚えている女子高生は水中で浮遊するクラゲに自身を重ねている。そんな彼女に同類の雰囲気を嗅ぎ取った同級生が接近してくる。やがて彼女たちは、お互いの肉体を確かめることだけが己の存在を証明する手続きであるかのように求め合う。男との愛のないセックスよりも、女同士の思いやりにあふれた抱合。繊細で傷つきやすい、でも傷ついても決して壊れない彼女たちの心の彷徨を、逆光を多用したソフトなタッチの映像で再現する。
水族館のクラゲ水槽の前で、夕紀は叶子に突然キスされる。その後もふたりは唇を重ね淋しさを埋め合わせていく。ある日、叶子が男子と付き合いだしたせいでふたりの間に微妙な隙間風が吹き始める。
夕紀はおとなしそうな外見とは裏腹に、セックスのなんたるかを知ろうとバイト先のDVD店店長と関係を持っていた。美人で溌剌とした叶子は、ボーイフレンドに抱かれていても表情は上の空。ふたりとも、イクことしか頭にない男とのセックスでは空疎な後味しか得られなかったのだろう。女同士だからこそ感じるポイントが分かっている安心感が、更にふたりの距離を縮めていく。
心も体も許しあったのに話せない秘密がある。友情を煮詰めて肉体関係に発展させたのに、やっぱりそれは探していたものではなかった。抑制された感情に、人生に対する彼女たちの諦観がにじみ出ていた。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「ジェリー・フィッシュ」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130812を参考にしてください。
本日はもう1本
「悪いやつら」です。

暴力団、検事、民間人…。同じ姓、同じ出身地ならどこかでつながっている。そして目上の者には頭が上がらない。韓国の伝統的な血縁社会で身内の係累を最大限に活用する男。度胸も腕っ節もないが他人の歓心を買う才能には恵まれた彼は、やがてボスをしのぐほどの力を蓄えていく。映画はしがない公務員から裏社会を仕切るまでになった半グレ中年男の半生を描く。大胆だが小心、媚を売るけれど虚勢も張る、ケンカは弱いが利に聡い。暴力がはびこり陰謀が渦巻く世界で、人脈を武器に仁義よりも実利を選ぶ彼はヒーローとは対極。見苦しさすら人間的な主人公をチェ・ミンシクがリアルな感情表現で演じる。
大量の覚醒剤をネコババしたイクヒョンは新興組織のボス・ヒョンベに転売、ヒョンベが遠縁の親戚と知って彼の元に出入りするようになる。ある日、イクヒョンはキムの組織の縄張り内のクラブに介入する。
自分のほうがヒョンベより上の世代と知ったイクヒョンは急にヒョンベに礼節を求め態度がでかくなる。1980年代でも儒教道徳に基づいた大家族制度が健在だったのだろう。一族は助け合うものという暗黙の掟は、時に法に優先し逮捕された彼らをたびたび救う。
特にベテラン検事とイクヒョンの関係は、つい20年ほど前までは前近代的な悪習が根付いていたことを物語る。極道としてのプライドがないがゆえに己の欲望に忠実になれる、大統領直々の犯罪組織撲滅命令はそんな封建制の悪しき名残を一掃する機会でもあったのだ。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)「悪いやつら」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130731を参考にしてください。
本日はもう1本
「美輪明宏ドキュメンタリー 〜黒蜥蜴を探して〜」です。

ブロンドの長髪、年老いた魔女のような外見なのに、男性名を名乗っている。この人の人生を知らない世代の者にとって、男なのか女なのか、同性愛者なのか女装趣味なのか、直接本人に聞いてみたい謎は尽きない。映画は、彼が"女優"として出演した古い日本映画を見たフランス人映像作家が、美しく妖艶な姿に隠された素顔に迫る過程を描く。美少年歌手・俳優デビューした後、いち早く「女であること」に目覚め、性の先駆者となって20世紀後半から21世紀の現在まで走り続けてきた彼の半生は、波乱と刺激に満ちている。
1957年に丸山明宏の名で映画に出た三輪は小柄ゆえ女装に活路を見出し、それ以来女らしさを追求し始める。次第に世間は彼を"女優"と認知し始め、'70年代になるとそのスタイルは輝きを増し始める。
まだ同性愛がタブー視されていた当時、三輪は心無い人から「バケモノ」「死ね」といった罵声と文字通り石やガラス片を投げつけられたと語る。一方でそういう風潮だったからこそ、女以上に女っぽい彼の芸風は一部のアングラ劇団やアーティストには受け入れられ、活躍のチャンスを広げていく。
そして、ホモ告白の過去にも触れるが、どれほどの逆風が吹こうとも彼は己に正直であろうとする。もはや性別や性的嗜好の問題ではない、三輪明宏という一人の人間として見てほしい。そう願う彼の言葉は、差別や偏見を持つ、すべての人の心に突き刺さる。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「美輪明宏ドキュメンタリー 〜黒蜥蜴を探して〜」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130819を参考にしてください。
本日はもう1本
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」です。

いつも一緒だった友人の死。原因が己にあると思い込み、悩み傷つき、まだ高校生の年頃なのに老成してしまった少年少女たちは、いまだに呪縛から逃れられない。もちろん幽霊だからといって恐れるわけではなく、彼女を仲間として迎える。物語は小学校の仲良し男女6人組の女子メンバー1人が事故死したのをきっかけに、残った者が葛藤を抱えながら生きていく姿を描く。十代の若さで過去に捕らわれ、苦悩し、他人の気持ちばかり考えてしまう彼らの優しさが痛々しい。
"超平和バスターズ"元リーダー・じんたんの前に、5年前亡くなっためんまが現れる。めんまはじんたんにしか見えないが、メンバーはめんまの存在を信じ、彼女がこの世に戻ってきた理由を探る。
小学生の時のように無邪気に戯れてはいられない。しかし、めんまと最後に交わした言葉だけは鮮烈に共有している。あの日、僕たちは何を伝えたかったのだろう、私たちは何を望んでいたのだろう。届かなかった思いと叶わなかった願い。再び秘密基地に集まった5人はめんまが成仏できるように頭をひねり、その過程でわが身を見つめ直す。
"好き"と口には出せなくても素直に態度に出ていた小学校時代とは違い、今は感情を巧みにオブラートに包むすべを心得ている。隠し事はナシというルールは生きていても、隠さないと相手を傷つけることを知っている。それでもやっぱり、親友たちにきちんと感謝したい。言葉の持つ力をあらためて教えられた作品だった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130817を参考にしてください。

2013年8月29日木曜日

こんな映画は見ちゃいけない!(8/29)

本日、とりあげる作品は
「黒いスーツを着た男」です。

取り返しのないことをしてしまった男。放っておけなった女。悲しみの中で手をこまねいてる妻。一つの交通事故が3人の人生を交錯させ、彼らの苦悩を掘り下げていく。物語は、加害者と目撃者そして被害者の妻のバックグラウンドのディテールに踏み込み、人間の良心の在りかたのみならず、3つの階層が抱える社会問題をあぶりだす。成り上がりの労働者、インテリの小市民、市民権を制限された不法就労者、彼らがみな特別ではなく、どの立場に置かれたとしても共感を得られる人間であるという設定が、観客に問いかける。あなたならどうするかと。
結婚を控えたアルは労働者をひき逃げ、アパートから事故を目撃したジュリエットは被害者の身元を調べ妻のヴェラに連絡する。被害者の様子を密かに見にいったアルはジュリエットに気づかれてしまう。
自首を同僚に止められたアルはせめて見舞金を渡そうと金策に走り回り、ジュリエットに仲介を頼む。その過程で、結局自分の周りにいる人々は誰も親身になってくれないと知る。一方で胸の内を打ち明けられたジュリエットはアルに協力しヴェラの信用を失う。
このあたり、無責任にも無関心にも強欲にもなれない彼らの、人間としての理性と節度だけでなく弱さまで克明に描きこまれ、映画はある意味平凡な彼らの感情が、予想もしない展開に発展していく非凡さを見せる。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)「黒いスーツを着た男」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130802を参考にしてください。
本日はもう1本
「上京ものがたり」です。

自分には特別な才能がある、そう思い込んで故郷を後にした女子大生。だが、東京での生活はシビアで、バイトに明け暮れる毎日が待っている。描いても描いても絵は認められない、転がり込んできた男とはずるずると別れられない、物語はそんな美大生のうだつの上がらない日常を追う。壮大な夢よりも目の前の現実、己の表現したいアートよりも編集者が求めるカット、そして何より生まれついてのセンスよりもあきらめずに努力を継続できる能力こそが"才能"であると、彼女は身を以て示そうとする。"最下位には最下位の戦い方がある"という言葉に象徴されるように、人生とは日々戦いなのだ。
東京の美大に入学した菜都美は万年ビリの成績。ある日バイト先のャバクラで先輩キャバ嬢・吹雪の娘・沙希に絵を気に入ってもらう。自信をつけた菜都美は出版社に売り込みにいくが、ことごとく断られる。
一方、プータローの良介と同棲する菜都美。時に彼の優しさに癒されるが向上心のなさに苛立っている。カネよりも大切なことがあると良介は諭すが、絵で生計を立てようとする菜都美は"稼いでこそプロ"と、カネの重要性を主張する。
ただ、エロ小説のイラストには、キャバクラでの下ネタトークや良介とのセックス体験が生かされているはずなのに、具体的なエピソードとして結実せず、吹雪母子との関わりもきれいごとの域を出ていない。もっと人間の深い業を前面に出してほしかった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「上京ものがたり」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130826を参考にしてください。

2013年8月22日木曜日

こんな映画は見ちゃいけない!(8/22)

本日、とりあげる作品は
「スター・トレック イントゥ・ダークネス」です。

直観に従い、正しいと思えばどれほど無謀でも行動に移す男。何事もロジカルに考え、決してエモーショナルに流されず合理的に対処する男。全く正反対の性格の2人はコインの表裏のごとくぴったりと寄り添いながらお互いの欠点を補いあっている。カーク船長とミスター・スポック、今回はそのキャラクターをより際立たせ、壊れかけた友情と信頼を修復するまでを描く。感情と論理、それは生まれつき持つ性質と、成長の過程で身につける理性。だが、最後の最後では本質的な部分が少しだけ勝るのではと思わせる。彼らはロボットではない、血の通った人間なのだから。
軍事情報記録保管庫が爆破され評議会はハリソンと呼ばれる男を犯人に特定するが、会議場がハリソンに襲撃される。カークは提督の命令を受け、クリンゴン支配地域の惑星に逃亡したハリソンを追跡する。
宇宙空間で繰り広げられる戦場絵巻は3Dのスケール感で見る者を圧倒し、地上での肉弾戦はスピード感に手に汗握る。さらに小道具まで細密に再現された映像は臨場感にあふれ、過剰なほどの情報量が視覚を刺激する。
しかし、先住民族に追われるカークや、クライマックスでハリソンを追走するスポックなど、走るという人間の根源的なアクションが一番躍動感を伴っていたのは確か。やはり俳優が身体能力を極限まで駆使してこそ映画はスリリングになる。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)「スター・トレック イントゥ・ダークネス」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130615を参考にしてください。

2013年8月17日土曜日

こんな映画は見ちゃいけない!(8/17)

本日、とりあげる作品は
「エンド・オブ・ウォッチ」です。

わずかな違反も見逃さず厳格に法を執行する制服警官。彼らにとって、担当する全米一治安が悪いといわれる一帯は絶好の狩場になる。ドラッグと暴力、銃撃と殺人が茶飯事と化した街で、日々彼らは見回り、摘発し、人命救助に奮闘する。映画はそんな2人の日常に密着、車載カメラやクリップカメラ、ハンディカメラの映像は圧倒的な臨場感とリアリティにあふれ、犯罪取締りの最前線をレポートするドキュメンタリーのようだ。そこで描かれているのは黒人ギャングの衰退とメキシコ系ギャングの隆盛だ。
LAサウス・セントラル地区をパトロールするテイラーとザヴァラは、黒人を逮捕したり子供を救ったりと大活躍。ある日、メキシコ系のチンピラに職質をかけるとトラックにドラッグと自動小銃を隠していた。
四六時中カメラを回し続けるテイラーは、警察署内のミーティングやロッカールームなど、普段部外者が目にできない場所でも撮影をやめない。記憶媒体に残された、時に危険も顧みない2人の行動は、スリルを楽しんでいるかに見える反面、相棒に恐怖を悟られないための蛮勇にも思える。そのあたり、感情表現に走らないこの作品のスタイルが、解釈に奥行きを持たせていた。
妥協しないテイラーは、記録することで自分たちを客観的にとらえようとする。そして目の当たりにした現実。ザヴァラのエッチ話の使い方は、命のはかなさを象徴していた。。。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)「エンド・オブ・ウォッチ」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130725を参考にしてください。
本日はもう1本
「タイピスト!」です。

数十人のタイピストたちが一心不乱に指を動かし、速さと正確さを競う。成績上位者が勝ち残り、決勝戦は1対1の勝負。正面に相対してお互いの表情を読み、けん制し合う様子はまるで決闘のような緊張感だ。物語はかつて世界中で盛んだった競技タイプに青春をかけたヒロインの成長を追う。しっとりと柔らかな色調の映像は1950年代を意識し、ファッションやクルマ、テニスラケットなどのディテールが時代の空気を再現する。加えてユーモアを忍ばせたシチュエーションの数々はエスプリの極み、何よりデボラ・フランソワが最高にキュートだ。
秘書に憧れるローズは保険会社に試験採用されるが、タイプの早打ち以外はまったくの役立たず。だが彼女の素質を見抜いた社長のルイはタイプ大会出場を提案、彼女を自宅に引っ越させて特訓を始める。
その日からはオンもオフもタイプ漬けの生活。人差し指だけで打っていたローズに5本指打法を叩き込み、用紙を効率よくセットする方法や、ボキャブラリーを増やして単語を予測させるために読書もさせ、さらに長丁場を戦い抜く体力をつけようとランニングも欠かさないなど、もはやスポ根マンガ顔負けの訓練の数々がテンポよく描かれる。
一方で、ローズのルイへの思いが恋に変わり、ローズの気持ちを受け入れるべきか突き放すべきか悩むルイも彼女を愛し始めていることに気づく。そのあたり、あくまで禁欲的にならず"勝利も恋も"欲張るあたりフランス人の人生に対する取り組み方・楽しみ方を感じさせる。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)「タイピスト!」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130804を参考にしてください。
本日はもう1本
「楽園からの旅人」です。

"善行は信仰に勝る"。生涯を通じて祈りを捧げてきた男は、その思いが決して届かないと悟り、神に頼るのではなく己の意思と責任で実行する道を選ぶ。礼拝堂の天井近くにつるされたキリスト像が撤去された時の絶望、そして神ではなく難民という人間が与えてくれた希望。きっと彼はあらゆる出来事が"神の御心"と決め付けて思考を放棄し難事に立ち向かうのを避けてきたのだろう。やっと教会の重石から解放され、いかに振る舞うべきかに目覚めていく。物語は閉鎖される教会の司祭がアフリカ難民を匿う過程で、勇気とは何かを問う。
信者数の減少で廃止が決まった教会、業者が絵画や美術品を運び出してしまい、建物が取り壊されると居場所も行き場もない司祭は悲嘆に暮れている。その夜、十数人のアフリカ難民が礼拝堂に避難してくる。
事情を察した司祭は空になった礼拝堂を彼らに提供するが、もてなす準備がないと心を痛めている。難民の中にはけが人や妊婦もいる。おそらく彼にとって腹をくくって違法行為に手を貸すのは初めての経験だったはずなのに、当局の捜査を頑として拒む。一方でアフリカ人の中には単なる就労目的の者以外に、大量のダイナマイトを隠し持つテロリストや異教徒もいる。ところが、司祭は彼らを守ることで自分の声に耳を貸さなかったキリスト教の神に意趣返しをするのだ。
明るい未来ではないかもしれない、それでも立ち止まっているよりはましだと寡黙なこの作品は訴えているようだった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「楽園からの旅人」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130801を参考にしてください。
本日はもう1本
「ザ・タワー 超高層ビル大火災」です。

熱で膨張した鉄骨がひしゃげ、その影響で壁が崩れ床が抜けガラスが飛散する。天井から落ちてくるコンクリート片、迫りくる火と煙、運よく生き残っても逃げ場はない。超高層ビルの中層階、映画はそこに取り残された人々と救出に向かった消防士たちの壮絶な脱出劇を追う。進路も退路も断たれ頼りは運任せのアイデアのみ、命の危機にさらされる過程で彼らは人としての価値を試されていく。自分だけは助かりたい者、幼い娘を捜す者、息子のために生きなければならない者、使命感に突き動かされる者。それぞれの立場で描かれる様々な愛の形が灼熱の火炎の前に浮き彫りにされていく。
108階建てのツインタワーにヘリコプターが激突、火災が発生する。セキュリティ担当のデホはレストラン街に孤立した娘と好意を寄せるユニを救助するために、カン消防士らと現場に向かう。
遠景では天を目指す水晶の塔、近寄ると空を覆うほど威容、きらきらと反射しつつもビルの内部が半ば透けて見える2棟の高層ビルはまるで光り輝くアート作品。そして生き物のごとく天井を這い壁を走る業火は人間の強欲を焼きつくすかのよう。それらメインのビジュアルは精緻なCGで再現され圧倒的なリアリティを持つ。
そんな、ハリウッドを凌駕する韓国クリエイターの英知が結集された映像は最後まで炎の恐ろしさを見る者に知らしめる。911を思い出させるビルの大崩壊は高慢な人間に対する神の鉄槌に見えた。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「ザ・タワー 超高層ビル大火災」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130729を参考にしてください。
本日はもう1本
「ローン・レンジャー」です。

法による裁きか、死の復讐か。白馬にまたがって駆ける黒マスクの男と顔に奇妙なペイントを施したカラスを頭に頂いた男。"正義"に対する考え方の対照的な2人がコンビを組んで、己の描く世界を実現するために裏切りと欺瞞を繰り返す資本家に迫っていく。その過程で繰り広げられるアクションの数々は躍動感に満ち、手に汗握る展開の連続に胸が躍る。映画は、19世紀後半、広大な米国を統治するために敷設された鉄道を舞台に、善玉、悪玉、正体不明の女、原住民、騎兵隊、出稼ぎ中国人、女子供までを絡ませてラストまで疾走する。
インディアンのトントは、脱走したブッチを追って返り討ちにあった新任検事・ジョンの命を助ける。トントによって蘇生したジョンはローン・レンジャーとなって共にブッチを追う。
ブッチの足跡をたどるうちに、鉄道建設の邪魔になるインディアンを排除する計画が浮き彫りになっていく。しかしトントとジョンは協力するどころか、ことあるごとに対立るばかり。のあたり、人生の先輩・トントが、血気盛んな若者・ジョンに生き方を伝授する、ある種の"師弟関係"を描けば飲み込めたのだが、ジョンはあくまでトントに"上から目線"を貫く。
もちろん当時インディアンは白人より劣ると考えるのが米国の常識だったのだろうが、ヒーローの誕生・成長秘話をすっ飛ばしいきなり大活躍するジョンの姿には共感できなかった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「ローン・レンジャー」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130807を参考にしてください。
本日はもう1本
「パシフィック・リム」です。

開いた左の手のひらで右手の拳を受け止める人型巨大兵器。走りながら腕を大きく振り回すハンマーパンチを繰り出し、怪獣の頭部にヒットさせる。さらにひるんだ怪獣を、蹴り、絞め、投げ飛ばし、最後にプラズマ砲で仕留める。人型巨大兵器vs怪獣、重量感あふれる攻防の数々は、まるで生身の人間が戦っているかのごとき圧倒的な臨場感。怪獣が傷つき機体が破損するたびに、痛みがスクリーンから伝わってくる。物語はかつて人型巨大兵器のパイロットだった青年が地球滅亡の危機に際し再び立ち上がる姿を描く。
怪獣に敗れパートナーを失った人型巨大兵器・イエーガーのパイロット・ローリーは放浪を続けていた。だが、進化する怪獣に対処できるパイロットを探す地球防衛軍は、ローリーを部隊に復帰させる。
2人のパイロットが同時にイエーガーに指令を送り込む必要から、彼らは脳の神経回路を同期しなければならない。パイロット同士の相性や技量も重視され、ローリーは復讐に燃える女性隊員・マコと組むことになる。彼らのイエーガーは旧式、それでも2人はイエーガー体内での全身を使った操縦に、使命を果たす昂揚感以上の喜びを感じている。
センチメンタルな葛藤は一切なくし、ひたすらイエーガーと怪獣たちがパワーをぶつけ合う。それは洗練された格闘技のような技とスピードを競うのではなく、むしろ取っ組み合いのケンカ。ローリーやマコの成長より、あくまでバトルにこだわったの映像に胸が躍った。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)「パシフィック・リム」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130813を参考にしてください。
本日はもう1本
「少年H」です。

1枚の絵ハガキが証明した日米の国力の差。その事実を知っているとスパイとみなされる世の中で、人々たちは口をつぐんでいく。逆に"大和魂"を妄信する人々は高圧的な態度で市民に目を光らせている。そして、大人たちの振る舞いに不満を覚える少年はつい余計なことを口走り顔の痣を増やしていく。戦争、それは国民の命を奪い、生きている者の自由を奪う。物語は太平洋戦争を挟んだ数年間、神戸で思春期を過ごした主人公の成長を描く。日本が間違った方向に進んでいると考えながらも良き臣民のフリをするしたたかな父親が、実は様々な葛藤を抱えている。そんな小市民的な男を水谷豊が抑制のきいた表情で演じていた。
洋装店を営む父・盛夫と母・敏子、妹と暮らす小学生の肇は敏子のハイカラ教育にうんざりしている。だが、盛夫の仕事に付き添って外国人屋敷に行き、子供のころから西洋の風を受けて育っていた。
外国人顧客を相手にしても挨拶以外は日本語で済まし、それでもきちんと意図は伝わっている盛夫は"人と人、国や言葉は関係ない"と肇に教える。一方で軍国主義に走る日本人とは、言葉は通じても思いは届かない。肇が中学に進学するころには戦況が悪化、理性より無謀な精神論が幅を利かせていく。
戦争に反対したいができない風潮の中、少しでも良心に従おうとする両親の姿に肇は人生を学んでいく。ノスタルジックな雰囲気の映像に悲惨さはないが、戦争が人の心を蝕んでいくという真実は訴える。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)「少年H」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130814を参考にしてください。
本日はもう1本
「素敵な相棒」です。

記憶を蓄え、それをもとに思考するからこそ人間。一切のメモリーを消去されても平気でいられるのがロボット。「我思う、ゆえに我あり」の言葉に象徴される人間とロボットの違いは明確だ。だが、テクノロジーの進化で"感情"のようなものを抱くロボットは、人間の友になれるのか。物語は軽度のアルツハイマー症老人と高性能ヘルパーロボットの交流を通じ、何が人間を人間足らしめているかを問う。「忘れてしまった」ことすら覚えていない主人公は、頑固な生き方を変えない。彼を一番理解しているのが家族ではなくロボットである皮肉が、高齢化社会の行く末を暗示する。
物忘れがひどく苛立ちを隠せない元泥棒のフランクは、息子から介護ロボットをプレゼントされる。当初は拒否していたが、完璧に家事をこなし世話を焼いてくれるロボットに心を開いていく。
限りなく人間の精神に近い機能をもつロボットにいかにもロボット風の外観を与えているのは、過剰に情が移るのを防ぐためだろう。ロボットのおかげで積極さと健康を取り戻したフランクは、かつて情熱を注いだ泥棒稼業に復帰するためロボットに錠前破りのテクニックを教え、やがてわが子より深い絆を感じ始める。
結局、実の息子も娘もフランクの事を心配しているが、自分たちの思いをフランクに押し付けてもいる。ロボットはフランクの気持ちを慮りつつフランクに寄り添っている。ロボット3原則のもとロボットが良きパートナーとして人間と共存する、そんな未来に希望が持てた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)「素敵な相棒」についての詳細は、http://d.hatena.ne.jp/otello/20130816を参考にしてください。

2012年11月27日火曜日

11月20日(火)「たいしたたま」映画評論家・町山智浩さん 「リンカーン」

毎週火曜日の「たいしたたま」は、映画評論家・町山智浩さん。 今日は・・・スピルバーグ監督のメッセージが込められた新作 「リンカーン」を紹介しました。 ※音声は一週間で削除されます メディアファイル 20121120_machi.mp3 (MP3 音楽ファイル)

2012年11月26日月曜日

『ブラック・レイン』松田優作さんから多くを学んだ…いぶし銀の俳優・國村隼が思い出語る

25日、故・松田優作さんの出身地である山口県で開催された第4回周南「絆」映画祭で映画『ブラック・レイン』が上映され、本作に出演する俳優の國村隼が、優作さんへの思いを語った。
『ブラック・レイン』松田優作さんから多くを学んだ… 画像ギャラリー
いぶし銀の魅力でテレビ、映画、CMなどに欠かせない存在である國村のデビュー作は1981年、井筒和幸監督の『ガキ帝国』だった。それからおよそ8年後の1989年、俳優として無名だった國村は、リドリー・スコット監督のハリウッド大作『ブラック・レイン』に出演することになる。役柄は優作さん演じる佐藤の子分・吉本。「『ブラック・レイン』の制作費が公称で60億円と言われていて。片や『ガキ帝国』は1,000万円映画と言われたATGの製作。お金のかけ方は違うのに、両方とも映画として面白い。映画って不思議で、面白いなと思った」と振り返る國村。
『ブラック・レイン』の現場は、一つの芝居を4つのカメラで撮影。それをサイズや構図を変えたりしながら、平均7テイクくらい撮影していたという。優作さんは國村との食事中に「俺はリドリーにお前のイメージはそれだけかと言われている気がするんだ。7つのテイクを撮るなら、7つのイメージを持ってこいと」とつぶやいたことがあったという。その言葉通り、優作さんはテイクごとに常に違った芝居を心がけていた、と國村は証言。
さらにランチの時間、先に現場に行く優作さんを見送ったとき、その背中にものすごいエネルギーを感じた、と切り出した國村は「その時はもちろん、がんの事は知らなかったんですが、まさに鬼気迫るという感じだった。その時はこれくらいのエネルギーがないと映画って出来ないものなのかなと思っていたけど、今となっては、きっとあの背中って、病気との闘いとか、いろんなものを背負っていたんだろうなと思います」と述懐。松田優作という役者が命をかけて演じた姿を目の当たりにし、「命をかけるに値するのが映画だ」と感じたという。
「時々、こんなとき優作さんだったら何を言うんやろうと考えたりする時がある」というほどに優作さんからは役者として多くのことを学んだ。「ずっと映画に関わりたいと思うきっかけになった映画だし、もっと言えば優作さんの遺作。僕にとってもこの仕事をする中で『ブラック・レイン』はエポックメイキングな作品なんですよ」と誇らしげな表情を見せた。(取材・文:壬生智裕)

2012年11月24日土曜日

こんな映画は見ちゃいけない!(11/24)

本日、とりあげる作品は

「裏切りの戦場 葬られた誓い」 です。

自分を信用してくれた敵との約束と、それを反故にせよという上層部
の命令。板挟みになった男は信義よりも国家への忠誠を選ばざるを得
ない。物語は反乱軍との人質解放交渉役を担った将校が、平和的に解
決しようと敵の懐に飛び込む一方で、味方の強硬派政治家・将軍らに
努力を踏みにじられていく姿を描く。反逆者といえども必ず言い分が
あり、彼らの信頼に足る人間でありたいと願うが、それでは規律を乱
してしまう。映画はそんなジレンマに陥った主人公の葛藤を、軍人ら
しく感情の抑制が効いた映像で再現する。

1988年4月、仏領ニューカレドニアで独立派武装ゲリラが憲兵隊宿舎を
急襲、人質を取ってジャングルに立てこもる。憲兵隊大尉のフィリッ
プは部下とともに派遣されるが、指揮権は陸軍が握っていた。

現地民を「ニグロ」と呼ぶ差別意識丸出しの陸軍との主導権争い、中
道左派と保守派が争う大統領選挙の行方を横目に様子をうかがうタカ
派大臣、それら"味方の中の敵"との意見の相違を調整しつつ、あく
まで人命を尊重するフィリップは反乱軍のリーダー・アルフォンソと
接触、彼らの要求を聞き出そうとする。

反乱軍の訴えの正当性を語らせ気持ちを通わせたはずのアルフォンソ
を、つまり原住民たちを裏切らなければならない苦悩。憔悴し、怒り
を抑え、そのうえで己のせいで命を落としたゲリラの死体が転がる前
線に戻るフィリップの心の痛みが胸をえぐる。

お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

「裏切りの戦場 葬られた誓い」
についての詳細は、

http://d.hatena.ne.jp/otello/20121004

を参考にしてください。

本日はもう1本

「ロックアウト」 です。

どんなに危機的な状況でもジョークを絶やさず、勇気と機転と行動力
と抜群の身体能力でピンチを切り抜ける。女にも厳しいが責任感は強
く友情にも篤い、腕はたつが強烈な皮肉屋でもある。そんなハードボ
イルドな香りを濃厚に放つ男をガイ・ピアースが熱演。約70年後の米
国が舞台なのに、タバコをくわえジッポのライターを愛用する時代錯
誤的なヒーロー像が新鮮だ。物語は人工衛星軌道に作られた隔離施設
からVIPを救出する任務を負った主人公の奮闘を描く。命がけのスリル
を楽しむ姿がクールだ。

大統領の娘・エミリーは宇宙監獄・MS-1の視察に訪れるが、反乱を起
こした凶悪犯のハイデルとその兄・アレックスに人質になる。彼女の
保護を命じられたスノーは単身MS-1に潜入、次々と封鎖を破っていく。

ブリーフケースを奪ったスノーが重武装の警官隊から逃げ回るシーン
は、あえてリアルの逆をいく人工風CGの中をバイクで疾走させ、レト
ロな味わいを見せる。他方、スマホや拳銃、地下鉄といった小道具は
あまり現代から進歩しておらず、また米大統領執務室が地下にあるな
ど、それら現在と未来が混然とした独特の世界観は、もはや経済的成
長は望めず犯罪の増加に苦慮する米国社会を象徴しているようだ。

眠っていたとはいえ囚人の人数は圧倒的、統率がとれていない烏合の
衆ではあるが元凶暴犯ゆえ一つ間違えれば暴走しかねない予兆が緊張
感を醸し出す。

お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

「ロックアウト」
についての詳細は、

http://d.hatena.ne.jp/otello/20121016

を参考にしてください。

2012年11月23日金曜日

ヱヴァンゲリヲン初号機が新宿からリフトオフ キャラバン巡回で地方補完計画

11月17日に全国公開した映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が、その勢いをさらに日本各地に広めようと新たなプロェクトを始動した。11月23日よりヱヴァンゲリヲン初号機の地方巡回キャンペーン「ヱヴァキャラバン初号機強化計画」が展開される。
ヱヴァキャラバン初号機強化計画は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が公開4日で動員数100万人を突破、興行収入も16億を突破したことなどを記念して実施される。本作の関連イベントが都市圏に集中する中で、より多くのファンにその世界観を体験してもらうものとなる。
他の写真を見る
このキャンペーンは、ドワンゴが運営するniconicoの「ニコニコ生放送:Q」とのコラボレーションとなる。「ニコニコカーEVA弾幕仕様」と2メートルものヱヴァンゲリヲン初号機がセットで、各地の劇場を巡回する。
各劇場支配人の力を借りて、それぞれのミッションをクリアしながら、次々と劇場を移動する。新しいかたちの劇場イベントとなる。
キャラバンの出発は、11月23日17時から新宿バルト9から。この様子は「ニコニコカー発進!! エヴァ初号機強化計画 第1次報告」と題して生放送も行われる。
さらに巡回を終える12月26日には、ヱヴァンゲリヲン初号機は東京スカイツリータウンに建立されるエヴァ神社に奉納されることになる。エヴァ神社は今回の企画のために建立されたもので、初号機はそのご神体になる。
ヱヴァンゲリヲン初号機がご神体となる模様も、ニコニコ生放送で中継予定だ。エヴァ神社への参拝は12月30日までを予定している。意外な人のお参りもあるかもとしており、今後の展開も目が離せない。
[真狩祐志]
ニコニコカー発進!!
エヴァ初号機強化計画 第1次報告
http://live.nicovideo.jp/watch/lv116071740
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
http://www.evangelion.co.jp/

新鋭・能年玲奈は意外と強心臓? 「怒られてもご飯は美味しいです」

映画『カラスの親指』が11月23日(祝・金)に公開を迎え、主演の阿部寛を始め村上ショージ、石原さとみ、能年玲奈、小柳友、伊藤匡史監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズの第1回目の上映前に舞台挨拶を行なった。
この記事のほかの写真
道尾秀介の人気小説を原作に、ひょんなことから共同生活を送ることになった5人の男女が、人生の一発逆転のために一世一代の詐欺を悪徳組織に仕掛ける様を描く。
能年さんが現在、ヒロインを務めるNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の撮影中ということもあり、主要キャストの5人が勢揃いするのは久々。この5人が醸し出す疑似家族のようなムードが阿部さんはたいそう気に入っているようで、「無理して作るというよりも、自然と家族の和ができたと思います。自分の中で評価が高い作品です」と自信を覗かせる。
監督は「かなり粘る人だった」(阿部さん)ということで、キャスト陣はそれぞれに何度もリテイクを重ねたシーンがあったよう。監督曰く「断トツはショージさん」。ショージさんは最初の挨拶から「ありがとうございます、というよりもすいません」と恐縮しきりで「全員がセリフを覚えてきてて…『当たり前だ』と言われました」と苦笑を浮かべていた。
阿部さんは「タバコを吸うシーンは20テイクくらい重ねた」と告白。比較的自由にアドリブで演じたという石原さんは「能年ちゃんとの滑り台のシーンは重ねましたね」とふり返った。「何の違いだったんですか?」という石原さんの質問に監督は「滑り台が滑ってなかった。景気よく躍動的に行ってほしかった」と微妙な違いを説明する。
小柳さんは「牛乳を飲むシーンは、4リットルくらい飲みました」と明かす。本作のために10キロほど体重を増やし、髪形も含め大変身を遂げており「いまの感じとだいぶ違うのでそれだけで騙せたんじゃないかと思います。別人が出てますので(笑)、ご了承ください」と語った。
能年さんが演じた少女・まひろは強気でズケズケとものを言うタイプ。テイクを重ねること以上に"大先輩"の阿部さんに向かって、暴言に近いセリフを言うことがつらかったようで「阿部さんにこんなこと言っていいのかな? と怖くなりました(苦笑)。カメラ回る前に『こえぇー…』って思いながらやってました」と緊張気味にふり返る。
だが、そんな能年さんに阿部さんは「堂々としてましたよ」とニッコリ。姉役の石原さんも「能年ちゃんはテイクを何度重ねても顔色ひとつ変えずにカラッと重ねていく」と証言。そして村上さんからは「僕と似ているところがあって、怒られても普通に昼ご飯を食べてた」と意外と図太い一面を暴露され、「怒られてもご飯は美味しいです…」と恥ずかしそうに笑みを浮かべていた。
監督は「5人の作り出す時間、空気が奇妙であるけれど心地よいです」と満足そうにうなずいた。
『カラスの親指』は全国にて公開中。

能年玲奈、共演者から度胸の良さ絶賛も、阿部寛には恐縮していた!?

23日、映画『カラスの親指』初日舞台あいさつが、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、阿部寛、村上ショージ、石原さとみ、能年玲奈、小柳友、そして伊藤匡史監督が登壇。阿部をはじめ共演者が、監督のこだわりに対しての苦労話に花を咲かせた。
映画『カラスの親指』写真ギャラリー
「作品を愛している監督なので、長い時には18時間も撮影していました。僕がタバコを吸うシーンは20テイクぐらいやりましたよ」と阿部が撮影の裏話を話し始めると、小柳や村上ら共演者からも同様の訴えが上がり、伊藤監督も苦笑い。
そんな中、スクリーンデビュー間もない能年は、撮影序盤の滑り台のシーンで、何十回もテイクを重ねたという。それでも「能年ちゃんは何度テイクを重ねても顔色変えないんですよ。わたしなんてどうしようってあせっちゃうのに」と石原が度胸の良さを絶賛すると、村上も「能年さんは僕に似ていますよ。(演技のことで)怒られても、普通にご飯を食べていましたから」と追随。しかし実際は「わたしが演じたまひろはドンとしていて、阿部さんに『こんなこと言っていいのかな』ってことを平気で言っちゃう役だったので、カメラが回る前は『怖い、怖い』って思っていたんです」と胸の内を明かし、会場の笑いを誘っていた。
「擬似家族、群像劇を演じられたことは僕にとって初めての経験なのでとても満足しています」と阿部が語ると、石原も「(演じた)やひろというキャラで、(劇中)すごく遊ぶことが出来ました。わたしにとって思い出に残る作品です」と新たな一面を表現できたことに満足げな表情だった。
本作は、直木賞作家・道尾秀介の小説を阿部寛、村上ショージの異色コンビで映画化。過去に心の傷を負った詐欺師のコンビが、わけありの仲間と共に一世一代の詐欺を仕掛ける壮大なエンターテインメント作品。(磯部正和)
映画『カラスの親指』は全国公開中

石原さとみ、妹を演じた能年玲奈の“図太さ”を絶賛「顔色ひとつ変えない」

[映画.com ニュース] 日本推理作家協会賞に輝いた道尾秀介氏のベストセラー小説を映画化した「カラスの親指」が11月23日、全国279スクリーンで封切られ、主演を務める阿部寛をはじめ、共演する村上ショージ、石原さとみ、能年玲奈、小柳友、メガホンをとった伊藤匡史監督が東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台挨拶を行った。
【フォトギャラリー】阿部寛、石原さとみら、その他の写真はこちら
本作でキャリア初となる詐欺師を演じた阿部は、「初めての雰囲気の役柄で、自分の中でも評価が高い。きっとだまされると思いますよ」と確かな手応え。初タッグとなった伊藤監督について「この映画をとても愛しているし、とにかく"粘る"監督さん。僕はたばこを吸うシーンで20テイクくらい重ねた」と振り返ると、「すべり台をすべり落ちるシーンは、テイクを重ねましたね。どんな部分にこだわっていたんですか?」(石原)、「僕は牛乳を一気飲みするシーンが大変でした。最終的に4リットルくらい飲んだはず」(小柳)と共演者も伊藤監督の粘り強さを明かしていた。
さらに石原は「玲奈ちゃんは、テイクを重ねても顔色ひとつ変えなかった。いつもカラッとしていて、何度も撮影に臨んでいた」と妹を演じる能年の"図太さ"を絶賛し、村上も「どんなに落ち込んでも、玲奈ちゃんはお昼ごはんをおいしそうに食べていた」。当の能年は「やっぱり、ごはんはおいしいです(笑)」とあっけらかん。舞台上でも共演者が認める大物ぶりを発揮していた。
映画は、プロの詐欺師・タケ(阿部)と新米詐欺師のテツ(村上)、さらに2人の元に転がり込んできた3人の男女(石原、能年、小柳)が、個々に抱える過去にケリをつけるべく一世一代の勝負に挑む姿を軽快に描く。阿部は「それぞれが自分勝手で個性あふれるキャラクター。疑似家族の群像劇を通して、5人のコンビネーションを楽しんだ」と満足げ。伊藤監督も「推理やドンデン返しも見どころですが、何よりここにいる5人が作り出す時間と空気の心地良さを大切にした」とアピールしていた。

<阿部寛>たばこのシーンで撮り直し20回 映画「カラスの親指」初日舞台あいさつ

俳優の阿部寛さんが23日、東京都内で行われた映画「カラスの親指」(伊藤匡史監督)の初日舞台あいさつに登場。阿部さんは「監督は映画を本当に愛していらっしゃるから、僕はたばこを吸うシーンでテーク(取り直し)を20回重ねました。そのシーンをぜひ探してみてください」と話した。
【写真特集】「カラスの親指」初日舞台あいさつの模様
「カラスの親指」は、直木賞作家・道尾秀介さんのミステリー小説「カラスの親指 by rule of CROW's thumb」(講談社文庫刊)が原作で、道尾さんの作品を初めて映画化した。元はサラリーマンだったが、ある事情で詐欺師となった武沢竹夫(阿部さん)は、暗い過去を持つ詐欺師の入川鉄巳(村上ショージさん)とコンビを組んでいた。そこへ石原さとみさん、能年玲奈さん演じる美人姉妹と姉の恋人(小柳友さん)が転がり込み、共同生活が始まる。しかし5人は人生を懸けて一世一代の大計画に挑むことになり……というストーリー。
石原さん演じるやひろの妹・まひろを演じた能年さんは「まひろはいろいろ(はっきりと)言っちゃう子で、阿部さんにこんなこと言っていいのかなと怖かった」と恐る恐る阿部さんに接していたことを明かすと、阿部さんは「能年さんは堂々としていましたよ」ときっぱり。石原さんも「能年ちゃんはテークを重ねても顔色一つ変えなくてすごいと思った」、村上ショージさんは「能年さんは私と似ている部分があって怒られていてもおいしそうにお昼ご飯を食べていました」と共演者が次々と"肝が据わった"能年さんの様子を明かした。能年さんは「落ち込んでいてもご飯はおいしいですよね」と"天然"ぶりを発揮し笑いを誘っていた。(毎日新聞デジタル)

阿部寛、初の詐欺師役に手応え「自分の中でも評価高い」

俳優の阿部寛が23日、都内で行われた主演映画『カラスの親指』(伊藤匡史監督)の公開初日舞台あいさつに登壇した。刑事役など"正義の味方"な印象の強い阿部が、同作で村上ショージと組んで初の詐欺師を熱演。「コンビネーションが楽しくて、初めてやった雰囲気の役なので自分の中でも評価が高いです」と手応えを語り、村上とそろって新喜劇ばりのズッコケもお披露目した。
阿部寛&村上ショージ、警備員に扮しドッキリ大成功
村上は「今回大役をいただきました監督、ありがとうございます、というかすいません。ご期待に添えたか分からないけど、皆さんに温かく包んでいただいて」と平謝り。撮影では一人セリフを覚えず現場に行き、「映画がまったくわからず、一人テンパって助監督とずっとセリフ合わせをやってて。気が狂いそうでした」とポツリ。それでも得るものが多かったようで「映画の楽しさを知って、これで芸能界を引退してもいいなと思いました」と冗談めかした。
伊藤監督のこだわりにより何テイクも重ねて撮影が行われたといい、阿部は「僕がタバコを吸うシーンあるけど、20テイクくらい行ったのでそこを楽しみに観てほしい」とアピール。石原さとみも「滑り台のシーン、あれはテイク重ねましたね……」としみじみ語り、小柳友も「牛乳を入れて飲むシーン。最終的に4リットルくらい飲んだ」と苦笑いで振り返った。
直木賞作家・道尾秀介の本格ミステリーを映画化した同作は、悲しい過去を背負い詐欺師になったタケ(阿部)と新米詐欺師のテツ(村上)のもとに転がり込んできた不幸な生い立ちを持つ3人が織りなす奇妙な共同生活と、一世一代の大勝負の行く末を描く。舞台あいさつにはほかに能年玲奈、伊藤監督が登壇した。

大島優子だけじゃない? 秋元才加も大泣き、柏木由紀も人間不信になりかけた映画『悪の教典』上映会

現在、全国映画館で公開中の『悪の教典』(三池崇史監督)の特別上映会が18日(日)に都内で行なわれ、AKB48のメンバー38人が参加した。
映画は伊藤英明演じる人気の高校教師・蓮実が、実はサイコパス(反社会性人格障害)という特殊な人格者で、小さなきっかけからその本性を現し、教え子達を次々に惨殺していくというサイコサスペンス。蓮実が生徒を殺していくシーンは衝撃的で、15歳以上しか見られないR15+指定を受けている。
上映会の終了後、主演の伊藤英明が猟銃を持ってサプライズ登場すると、メンバーは悲鳴をあげた。
伊藤英明といえば今から3年前、AKB48のシングル『涙サプライズ!』のミュージックビデオに参加したという縁。伊藤は当時のことを振り返りつつも「今や国民的アイドルグループになって、応援にかけつけてくれたのがうれしい」と話した。
柏木由紀は伊藤を前に、「『涙サプライズ!』でご一緒させてもらった時とは全然違って、人間不信になりそうでした」と話し、「驚きと衝撃の連続で思わず目をつぶってしまいそうになることもあったけど、この先どうなるんだろうと思って、一瞬でも見逃したくないと思って最後まで引き込まれました」と映画の魅力を語った。
秋元才加は「本人に犯罪者意識がないじゃないですか……。だからより怖いですね。今でも手がふるえてしまって。こういう怖い映画見るの初めてなので……」と目に涙。「さっき猟銃を持ってきた時に超怖くて……、めっちゃ怖かったです」と、伊藤のサプライズ登場のショックを引きずっていた。
いつもは男勝りのパフォーマンスを見せる秋元のまさかの涙に、会場にいたメンバーはビックリ。これには伊藤英明も思わず「ごめんね」と謝るしかなかった。
(取材・文・撮影/関根弘康)

武井咲&松坂桃李“初デート”は札幌 イルミネーションに大感激

[映画.com ニュース] 人気少女漫画を実写映画化する「今日、恋をはじめます」(古澤健監督)に主演の武井咲と松坂桃李が11月22日、北海道・札幌で開催された第32回さっぽろホワイトイルミネーション点灯式イベントに出席した。8日に都内で行われた完成披露試写会で、"恋愛"宣言したふたりが初デートの地に選んだのは、札幌。「イルミネーションデートが理想」と公言していた武井は、「桃李君と一緒に見に来られてうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。
【フォトギャラリー】武井咲と松坂桃李、その他の写真はこちら
累計発行部数900万部を突破した水波風南氏の同名漫画が原作で、恋愛と無縁のガリ勉女子高生・日比野つばき(武井)と、つばきのファーストキスを奪うチャラ男・椿京汰(松坂)が最悪の出会いを経て、反発しながらも強くひかれ合うようになる高校生の姿を描く。
ふたりの共演は、今作で3度目。初めて恋人役に挑んだが、8日の舞台挨拶では手をつなぎ「公開までの1カ月、武井咲に恋していきたい」(松坂)、「私もつばきとして、松坂桃李に恋を始めます!」と相思相愛ぶりを惜しげもなく披露していた。
松坂は、劇中で最も楽しかったデートシーンを「遊園地で乗ったジェットコースター」と述懐。「武井さんが役を通り越して素の状態になっていた。絶叫マシーンが苦手なので涙目になりながら乗っている彼女を見て、かわいらしいなあと思いました(笑)」と明かすと、詰め掛けた約1200人のファンから「付き合っちゃえ~!」と掛け声がかかった。
これには武井が、「付き合っちゃえ!? すごい歓声ですね」と苦笑い。それでも、「観覧車で桃李君演じる京汰が胸キュンな行動をしているので、ぜひ映画を見て楽しんでいただければと思います」とアピールを忘れなかった。
昭和56年にスタートし、日本一古い歴史をもつイルミネーションイベントとして知られる「さっぽろホワイトイルミネーション」。点灯式にゲストが登場するのは初めてで、大使に任命されたふたりが特別招待された。今年は42万個の電球が灯り、北の大地を美しく彩る。
「今日、恋をはじめます」は12月8日から全国で公開。

2012年11月22日木曜日

伊藤歩、『渾身』で共演の青柳翔との初対面はお尻だった!

『渾身 KON-SHIN』(2013年1月12日公開)の完成披露試写会が、11月22日に丸の内ピカデリー2で開催。伊藤歩、青柳翔、財前直見、甲本雅裕、長谷川初範、中本賢、宮崎美子、井上華月、粟野史浩、中村麻美、錦織良成監督らが登壇。ヒロインを務めた伊藤は「ダイナミックな映像はもちろん、隠岐の島の人たちが一生懸命協力して作った映画です」と、ロケをした隠岐の島の人々に感謝の言葉を口にすると、映画主演デビューを飾った劇団EXILEの青柳翔も「島根県の人々、隠岐の方々ありきで作った作品です」と、重ねて礼を述べた。
【写真を見る】伊藤歩と財前直見がシックなワンピースで美脚を披露!
伊藤は青柳について、「初めて顔合わせをした時、ふんどし、じゃない、まわしで稽古をされていて」と焦りながら言うと、青柳も笑顔で「まわしですね」と優しくフォロー。伊藤は続けて「おはようございますって言ったら、そこにお尻があって」と興奮気味に発言すると、会場は大爆笑。青柳も「僕、お尻で覚えてもらったんですね」と、笑いながら突っ込みを入れた。
財前は「一言で言えば、おせっかいおばさんです。何よりもこのふたりの応援団でいようと思いました」と話すと、甲本も「関わった人たち全ての渾身の思いが詰まった映画です。一言だけ言うと、泣くよ」とアピール。宮崎も「映画を見た後、皆さんも、がっとお塩をまきたくなると思います。興奮すると思います」と、本作への思いを語った。
その後、サポータズソング「Dear Heaven」を歌う塩ノ谷早耶香が登場し、「たくさんの思いを込めて歌いたいと思います」と、歌を熱唱。青柳は「声に透明感があります」と感動しながら感想を述べると、伊藤も「初めて聴いたんですが、大好きになりました。すごく心に響きました」と満足気に語った。最後に錦織監督が「この映画をやりたいと言って支えてくれた皆さん、みんなに届けたいと言ってくださった皆さんの励ましの言葉でこの映画はできました」と、感無量の表情で締めくくった。
隠岐諸島の全面協力の下、20年に一度の遷宮相撲を完全再現した『渾身 KON-SHIN』。隠岐諸島の大自然を舞台に、激しい古典相撲と味わい深い家族のドラマが展開される。【取材・文/山崎伸子】

フランス映画界の鬼才が撮った『プライベート・ライアン』に肉迫するリアルな戦闘シーン!

『憎しみ』(95)、『クリムゾン・リバー』(00)、『ゴシカ』(03)の監督、そして『アメリ』(01)や『ミュンヘン』(05)、『エージェント・マロリー』(12)の俳優としても知られるフランス映画界の鬼才マチュー・カソヴィッツ。ここ数年は活動の場をハリウッドに移していたが、フランスへの復帰第1作として手がけたのが『裏切りの戦場 葬られた誓い』(11月24日公開)だ。
【写真を見る】フランス政府が隠してきた事件の真実が暴かれる!
1988年のフランス大統領選挙の裏で、フランス領ニューカレドニアのウベア島で起きた悲劇的な事件を題材に描いた本作。フランス政府がひた隠しにしてきた事件の真実に興味を抱いたカソヴィッツが、完成までに費やした期間は何と10年!フランス政府、ニューカレドニアでの事件の関係者たちへの綿密な取材、入念なリサーチを経て作り出された作品は賛否両論を呼び、そこに書かれた真実をフランス政府は否定したほどだ。
さらに注目したいのが『プライベート・ライアン』(98)ばりのリアリティあふれる戦闘シーンだ。独立派と彼らを制圧しようとする憲兵隊と陸軍によるジャングルでの戦闘シーンを1台のカメラ、ワンショットで撮り、ドキュメンタリーを思わせるようなリアルさを追求。手に汗握る緊迫感たっぷりの映像に仕上がっている。
監督のカソヴィッツは主人公も務め、独立派と軍との間で板挟みになり、良心の呵責に苛まれ、苦悩し、葛藤する姿を熱演している。その他、脚本・編集・製作も兼任し、彼のこの作品にかける情熱がひしひしと伝わってくる。フランスのアカデミー賞とも言われるセザール賞で、2012年脚色賞にもノミネートされた話題作を、是非真正面から受け止めてほしい。【トライワークス】

山田孝之が一人三役の異色作『ミロクローゼ』の監督が語る「常に挑戦!」

マネキンを使った異色コメディ「オー!マイキー」の石橋義正監督が、山田孝之主演で撮った映画『ミロクローゼ』(11月24日公開)は、またもや規格外(!?)の突き抜けた快作となった。構想から公開まで8年を費やした本作は、ポップでグルービーなダンスから、キレのある殺陣までを盛り込んだ、破天荒ファンタジー。山田は、本作で恋する無垢な会社員、草食系男子の悩みをバッサリ斬る青春相談員、さらわれた恋人を探す片目の浪人と、一人三役に挑んだ。石橋監督にインタビューし、その飽くなきチャレンジ精神について聞いてみた。
【写真を見る】一人三役の山田孝之がノリノリでファンキーなダンスを披露!
「最初にいろんな世界観のアイデアを思いつき、それを一つの映画にしようと思いました。最終的には三つの世界に絞り込み、それをオムニバス映画ではなく、一つの映画として見せようとしたんです。全編を一人の役者が演じることにより、映画を見終わった後で、何か一人の人物を想像できるようなまとめ方をしたいと思いました。でも、そのためには、全く異なる人物を演じ分けるという演技力が必要でした。そこで山田孝之さんにお願いしましたが、非常に良かったです。きっちり三人を演じ分けてくれて、その実験的な部分が成功したかなと思います」。
独自の石橋ワールドが炸裂した本作だが、監督はどんなクリエイターから影響を受けてきたのだろうか。「鈴木清順さん(本作に出演)、黒澤明監督、海外でしたら、スタンリー・キューブリック、ブライアン・デ・パルマ、フランシス・コッポラなど、大御所の影響は全て受けていると思います。でも、今回やってみて、つくづく感じたのは、両親の影響ですね。親が京友禅をやっていて、僕もその影響で、高校から日本画をやっていたんです。映像は大学に入ってから始めましたが、子供の頃から日本の伝統工芸を見てきたので、どうしても画が平面的な構成になるんです。絵巻物的な画が好きというか、奥行きよりも平面的なレイアウトをしてしまう。左右対称のシーンも多かったです」。
本作は2011年の香港映画祭を皮切りに、各国の映画祭で上映され、ようやく日本で凱旋公開されることになった。各国での反応はどうだったのか。「この映画のコンセプトとして、映画を鑑賞するというよりも、『ミロクローゼ』に遊びに行こうって感じで見に来てもらえたらと思っていまして。海外の人の見方は、結構それに近いものがあり、素直に楽しもうとしてくれました。リアクションも大きいから、見ていて気持ちが良かったです」。
特に、アメリカのニューヨーク・アジア映画祭ではオープニング作品に選ばれ、山田が日本人初のライジング・スター・アワードを受賞したことも記憶に新しい。山田の受賞について「非常に嬉しかったです」という。「ご本人自体は、海外や日本とかを意識していないと言っていましたが、活躍の場が広がれば広がるほど良いのではないかと。でも、それは、本作で受賞したということではなく、彼の今までの積重ねからだも思っています」。
さらに石橋監督は、山田の俳優としての姿勢に感銘を受けたそうだ。「通常、俳優なら、自分が前面に出たいという気持ちがあるんだろうけど、彼はそれよりも、監督が何を作りたいのかってことを第一に考えてくれる。作り手としてやってくれた気がするので、非常にやりやすかったです。監督と俳優という関係の溝みたいなものがなくて、一緒にものを作っているような感じでした。きっと彼はどの作品に出てもそうなんだろうなと。また、次の作品でもご一緒したいです」。
本作で、監督、脚本、美術、編集、音楽と、五足のわらじを履いた石橋監督には、やはり自分自身のオリジナルへのこだわりがある。「映画に人が来ないから、テレビや漫画の映画化というだけじゃなくて、映画を作る人も色々考えていこう!という気持ちはあります。ヒットしようがしまいが、作り手がそういう気持ちを失ってはいけない。常に挑戦です。何年かかったとしても『この作品を作るんだ』ということの方が大事じゃないかと僕は常々思っています。失敗することもあるけど、それを気にしていたら、世の中が面白くなくなるし。次から次へ新しいことをやっていかないと」。
石橋監督のクリエイターとしてのスピリットにほれぼれする。海外で多くの映画人を驚嘆させた『ミロクローゼ』とは、いったいどんな映画なのか!?刺激的でポップでお茶目、でも愛とペーソスにあふれた石橋ワールドへ是非遊びに行こう!【取材・文/山崎伸子】

総監督たかみなの涙の意味は!?……『DOCUMENTARY OF AKB48』新作特報映像

アイドルグループAKB48の2012年を追ったドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』が2013年2月に公開される。7パターンの特報映像が12年11月23日より全国のTOHOシネマズで順次上映される。
特報映像は活動7周年を記念して7パターンが作成された。また22日より、公式ウェブサイトでも毎日1タイプずつ紹介される。同時にポスター、チラシも解禁された。
「2012年のAKB48は、ドラマティックな一年だった。しかし、その裏側は、もっと、ドラマティックでセンセーショナルなものである」(秋元康)。誕生から7年。念願の東京ドーム公演、そして前田敦子卒業によって、新時代の幕が明ける。AKB48第1章の軌跡と新時代への第1歩に密着したドキュメンタリー。
『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』は2013年2月1日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー。企画:秋元康、監督:高橋栄樹、配給:東宝映像事業部。