SMAPの草なぎ剛(38)が17日、都内で主演映画「任侠ヘルパー」の公開初日舞台あいさつに出席し、映画の続編制作を熱望した。 09年にフジテレビ系でドラマが放送された任侠シリーズ。11年のSPドラマ、今回の映画と、元ヤクザで介護に奮闘する翼彦一役を演じてきた草なぎは、94年のフジテレビ系主演ドラマ「いいひと。」と対極にあたる"わるいひと"を熱演。ドラマの影響もあり周囲からは「『いい人』として愛されてきた」という草なぎは任侠ヘルパーシリーズを通じ、「違う僕のイメージを作れた」と手応えを見せた。 これまで演じてきた役は、撮影が終わってお風呂に入ると忘れてしまうという。コンサート、舞台にと「SMAPって大変なんですよ」と国民的アイドルの苦悩もポロリ。それでも、「彦一は終わっても残っている。特別な役なんだなと思う。続編できるといい」と今後も"任侠道"を歩むことに期待を膨らませていた。
2012年11月18日日曜日
2012年11月17日土曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(11/17)
本日、とりあげる作品は
「ゲットバック」 です。
長年会えなかった娘は、もう子供ではなかった。父の問いかけにろく
に答えず、プレゼントのぬいぐるみも突き返す。刑務所にいる間娘と
の再会を唯一の希望としてきた男と、突然消えた父親の顔など見たく
ない娘、「愛は時間を止め、時間は愛を止める」という言葉に象徴さ
れるこの父娘の関係が切ない。映画は、愛娘を人質に取られた男が身
代金を作るために再び犯罪に手を染めていく姿を描く。FBIに追われな
がら誘拐犯を探し、逃げながら解決策を模索しなければならない絶体
絶命の危機の中でひたすら疾走する主人公を、ニコラス・ケイジがお
得意の苦悩する表情で演じ切る。
銀行強盗に失敗し、ひとり投降したウィルは、8年の服役後仮釈放とな
る。しかし、かつての仲間・ヴィンスはウィルがカネを独り占めした
と思い込み、ウィルの娘・アリソンを拉致し分け前を要求する。
ヴィンスは自らの死を巧みに偽装して他人になり済まし、FBIのファイ
ルでも死亡扱いゆえウィルはなかなか彼の尻尾をつかめない。その間
もアリソンの命の期限は迫ってくる。奪ったタクシーのGPSを使いつつ、
FBIの銃撃をかわしながらウィルはヴィンスの消息を尋ねまわる。
走り、跳び、落下しても怯まず、渋滞する道路をタクシーでブッ飛ば
す。ところが、ノンストップアクションになるべきシーンは演出もカ
メラワークもキレに乏しく、スピード感がイマイチ。特撮に頼らない
チャレンジはよいが、逆に生ぬるさばかりが目立ってしまった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「ゲットバック」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121115
を参考にしてください。
「ゲットバック」 です。
長年会えなかった娘は、もう子供ではなかった。父の問いかけにろく
に答えず、プレゼントのぬいぐるみも突き返す。刑務所にいる間娘と
の再会を唯一の希望としてきた男と、突然消えた父親の顔など見たく
ない娘、「愛は時間を止め、時間は愛を止める」という言葉に象徴さ
れるこの父娘の関係が切ない。映画は、愛娘を人質に取られた男が身
代金を作るために再び犯罪に手を染めていく姿を描く。FBIに追われな
がら誘拐犯を探し、逃げながら解決策を模索しなければならない絶体
絶命の危機の中でひたすら疾走する主人公を、ニコラス・ケイジがお
得意の苦悩する表情で演じ切る。
銀行強盗に失敗し、ひとり投降したウィルは、8年の服役後仮釈放とな
る。しかし、かつての仲間・ヴィンスはウィルがカネを独り占めした
と思い込み、ウィルの娘・アリソンを拉致し分け前を要求する。
ヴィンスは自らの死を巧みに偽装して他人になり済まし、FBIのファイ
ルでも死亡扱いゆえウィルはなかなか彼の尻尾をつかめない。その間
もアリソンの命の期限は迫ってくる。奪ったタクシーのGPSを使いつつ、
FBIの銃撃をかわしながらウィルはヴィンスの消息を尋ねまわる。
走り、跳び、落下しても怯まず、渋滞する道路をタクシーでブッ飛ば
す。ところが、ノンストップアクションになるべきシーンは演出もカ
メラワークもキレに乏しく、スピード感がイマイチ。特撮に頼らない
チャレンジはよいが、逆に生ぬるさばかりが目立ってしまった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「ゲットバック」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121115
を参考にしてください。
2012年11月15日木曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(11/15)
本日、とりあげる作品は
「悪の教典」 です。
ありふれた風景が少しずつ歪みだす。カンニングやクレーマー、教え
子に肉体関係を迫る教師など、徐々に狂気が教室に充満していく。映
画は、正体を巧みに隠して社会生活を営む生まれつきのサイコパスが、
本性を露わにしていく過程をバイオレンスたっぷりに描く。殺したい
本能が止められない、だからこそ目的を達するためにさわやかな善人
でいる必要に迫られる。そんな主人公を伊藤英明が不気味に演じる。
快活で頭の回転も速い高校の人気教師・蓮見は、娘が学校でいじめを
受けていると再三クレームをつけてくる男を焼死させる。その後も女
生徒から相談を受けたのを機に、素行の悪い生徒や教師を罠に嵌める。
蓮見が手を下すのは理想的な学園の邪魔者ばかりなので、行き過ぎた
正義にも思える。だが、裏にあるのは常人の理解を超えた心の闇。い
や、それは闇というよりも空白、喜怒哀楽がないゆえに卓越した知性
で感情豊かなフリをしていなければならない日常こそが彼の苦悩であ
り、苦悩を解放しても構わない"理由"ができると行動に移す。
人を殺すときも彼の表情からは何もくみ取れず、ただ、己に与えれら
れた仕事と黙々とこなしていく。ターゲットになった学校関係者の恐
怖を弄ぶわけでもない、殺しの感触を楽しむわけでもない、そこには
悪意を超越した意志すら感じさせる。ラストで"to be continued"と
なっていたが、次回作ではレクター博士を凌駕するほどの凄みを身に
付けておいてほしい。。。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「悪の教典」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121112
を参考にしてください。
「悪の教典」 です。
ありふれた風景が少しずつ歪みだす。カンニングやクレーマー、教え
子に肉体関係を迫る教師など、徐々に狂気が教室に充満していく。映
画は、正体を巧みに隠して社会生活を営む生まれつきのサイコパスが、
本性を露わにしていく過程をバイオレンスたっぷりに描く。殺したい
本能が止められない、だからこそ目的を達するためにさわやかな善人
でいる必要に迫られる。そんな主人公を伊藤英明が不気味に演じる。
快活で頭の回転も速い高校の人気教師・蓮見は、娘が学校でいじめを
受けていると再三クレームをつけてくる男を焼死させる。その後も女
生徒から相談を受けたのを機に、素行の悪い生徒や教師を罠に嵌める。
蓮見が手を下すのは理想的な学園の邪魔者ばかりなので、行き過ぎた
正義にも思える。だが、裏にあるのは常人の理解を超えた心の闇。い
や、それは闇というよりも空白、喜怒哀楽がないゆえに卓越した知性
で感情豊かなフリをしていなければならない日常こそが彼の苦悩であ
り、苦悩を解放しても構わない"理由"ができると行動に移す。
人を殺すときも彼の表情からは何もくみ取れず、ただ、己に与えれら
れた仕事と黙々とこなしていく。ターゲットになった学校関係者の恐
怖を弄ぶわけでもない、殺しの感触を楽しむわけでもない、そこには
悪意を超越した意志すら感じさせる。ラストで"to be continued"と
なっていたが、次回作ではレクター博士を凌駕するほどの凄みを身に
付けておいてほしい。。。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「悪の教典」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121112
を参考にしてください。
2012年11月14日水曜日
『劇場版 シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ』TVスポット第1弾が公開
●完全オリジナルストーリーで描かれる劇場作品
2013年春公開予定の劇場映画『劇場版 シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ』のTVスポットが、YouTubeの角川アニメチャンネルにて公開された。
同作は、角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほかにて上映予定。■劇場版 シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ
原作:志倉千代丸/MAGES.
企画:安田猛
スーパーバイザー:でじたろう
総監督:佐藤卓哉・浜崎博嗣
監督:若林漢二
シナリオ監修:松原達也・林直孝
脚本:花田十輝
キャラクター原案:huke
キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太
アニメーション制作会社:WHITE FOX
配給:角川書店
2013年春公開予定の劇場映画『劇場版 シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ』のTVスポットが、YouTubeの角川アニメチャンネルにて公開された。
原作:志倉千代丸/MAGES.
企画:安田猛
スーパーバイザー:でじたろう
総監督:佐藤卓哉・浜崎博嗣
監督:若林漢二
シナリオ監修:松原達也・林直孝
脚本:花田十輝
キャラクター原案:huke
キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太
アニメーション制作会社:WHITE FOX
配給:角川書店
テレ東・繁田美貴&紺野あさ美アナ、映画「イナズマイレブン」サンタ姿でPR
テレビ東京の繁田美貴(28)、紺野あさ美(25)両アナウンサーが13日、都内で同局の人気アニメがコラボした劇場版「イナズマイレブンGOVSダンボール戦機W」(12月1日公開)をPRした。
サッカーを題材にした「イナズマ―」(水曜・後7時)と小型ロボット・LBXを操る少年たちが活躍する「ダンボール―」(水曜・後7時27分)のキャラクターが初共演。 クリスマスを先取りしたサンタ風衣装で登場した繁田アナは「大人も心動かされる物語。家族で見たら、素晴らしいクリスマスプレゼントになると思います」と話し、紺野アナも「スポーツ少年も、そうじゃない子も楽しんでもらえる作品」とアピールした。
2012年11月11日日曜日
3Dレゴ映画の声優にウィル・フェレルとリーアム・ニーソンが決定!
ワーナー映画が製作する、レゴブロックの3Dアニメ映画『レゴ:ザ・ピース・オブ・レジスタンス(原題) / Lego: The Piece of Resistance』に、新たに『俺たちフィギュアスケーター』のウィル・フェレルと、『ダークナイトライジング』のリーアム・ニーソンの声優出演が決まったとDeadline.comが伝えた。
本作は、なんの変哲もない一人のレゴキャラクターが、天才マスタービルダーだと勘違いされ、世界をすべて糊づけすることをたくらむ、邪悪な君主との戦いに駆り出されるというストーリー。 主役のレゴキャラクター、エメット役に、映画『マネーボール』のクリス・プラット、そのほか映画『ダークナイト ライジング』のモーガン・フリーマンと映画『ハンガー・ゲーム』のエリザベス・バンクスがすでに決まっている。 フェレルは、エメットの助言役をつとめるプレジデント・ビジネス役、ニーソンは、プレジデントの部下、バッド・コップ役をつとめるという。 監督は、アニメ映画『くもりときどきミートボール』のフィル・ロードとクリストファー・ミラー。二人は脚本も手がけている。全米公開は2014年2月7日予定。(鯨岡孝子)
2012年11月10日土曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(11/10)
本日、とりあげる作品は
「チキンとプラム」 です。
立体絵本風の味わいのある山々や街並みが、ファンタジーの世界にい
ざなってくれる。でもそれはハッピーエンドが約束されたおとぎ話で
はなく、皮肉と苦悩に満ちたつらく哀しい思い出。今まで何のために
生きてきたのか、何をなしてきたのか、誰を愛し誰に愛されてきたの
か。その答えが虚しいものと知った時、男は命を絶とうとする。望ま
なかった結婚、愛せなかった妻、音楽家としての修業の日々とアート
の真髄に目覚めた出来事。人生とはかくも短く、たった一つの願いす
ら叶えられない切なさが胸に染みる。
著名なバイオリン奏者・ナセルは愛用のバイオリンを壊されたのをき
っかけに、自殺を決意。自室にこもって静かに最期の瞬間を待つうち
に、思い通りにならなかった過去を反芻する。
魔法使いが描いたようなエキゾチックな1958年のテヘランの街頭が、
懐かしくあたたかくミステリアスな素晴らしい雰囲気。さそんな物語
背景のもと、ナセルは妻に理解されず子供たちにもバカにされ、唯一
の味方である弟もつれない態度で遠ざける。しかし、夢の中で明らか
になる真実は彼の思い込みとは正反対。実は家族はナセルに心を砕い
ていたのに、ナセルが気づかなかっただけという不幸が芸術家の孤独
を象徴していた。
繊細な感情と運命の些細なイタズラ、ユニークだが哀切にあふれた豊
饒な映像は、新鮮な驚きの連続だった。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)
「チキンとプラム」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120922
を参考にしてください。
本日はもう1本
「ミラクル ツインズ」 です。
幼少時から手術を繰り返し、胸部や腹部に深く刻まれた生々しいメス
の痕を見せる一卵性双生児の姉妹。それは先天的難病と闘ってきた彼
女たちの生の証でもある。映画は満足に呼吸ができない病気の双子姉
妹の闘病記録を通して、待ち続ける辛抱強さと希望を失わなず解決法
を探す勇気を描きつつ、医療における臓器移植の現状をレポートする。
胸いっぱいに空気を吸い込み吐き出す、生きるために必要な当たり前
の動作を意識せずできる幸せをこの作品は実感させてくれる。
根本的治療法がない遺伝病・(CF)を持つイサとアナ。学校に通えず、
入院生活を克明な日記とイラストに著し出版する。その後、米西部の
名門・スタンフォード大に移り、適合する肺を探す日々が始まる。
新鮮な肺を提供されるにはウエイティングリストの上位に名を連ね、
ドナーが脳死しなければならない。それでも米国では移植システムが
比較的洗練されているので、イサ・アナともに無事肺の移植手術を受
け、普通の暮らしができる程度には回復している。
当然ながら彼女たちはドナーへの感謝を忘れない。ドナーは死んでも、
臓器は他人の体の一部となって役立っている。遺族にとってこれほど
気持ちの休まることがあるだろうか。「難病に負けずに頑張ってます」
的な感動の押し売りを極力避けた語り口はあくまで軽妙だが、命は人
から人へと受け継ぐものであり、その大切さをあらためて考えさせら
た。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「ミラクル ツインズ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120815
を参考にしてください。
本日はもう1本
「私の奴隷になりなさい」 です。
命じられるまま、されるがままに身をくねらせ、女は苦悶の中にも愉
悦の表情を浮かべる。肉体にもたらされた痺れるような快感と精神的
にすべて頼れる圧倒的な解放感。それは自分を受け入れてくれた上に
やりたくてもできなかった行動の背中を押し、自身気付かなかった、
いや気づかぬフリをしていた本性に目覚めさせ火をつけてくれた男へ
の全身全霊の帰依。そんなヒロインを演じた壇蜜の絡みつくような弾
力をもつボディときめ細かい肌が非常に魅力的だ。困惑の中に期待を
にじませ、切なさと危うさが同居する複雑な心理を、憂いを湛えた瞳
で表現する。
転職した"僕"は、香奈という先輩に魅かれ何度もアプローチするが、
そっけない態度。ところが、突然彼女からメールで"セックスしない"
と誘われる。香奈は彼にビデオで性交中の顔を撮ってくれと頼む。
香奈は先生と呼ばれる中年男の"奴隷"として言いつけを守っていた
だけで、"僕"に対する思いは微塵もない。"僕"とセックスすると
いう命令を実行して先生の歓心を買おうとしているのだ。一見歪んで
いる、だが全幅の信頼を置く人間に隷属する歓び。結果与えられるご
褒美は、更なる羞恥をさらけ出せる安心感。
誰にも打ち明けられなかった心の闇を先生は理解してくれる、その孤
独を癒してもらったことで心身ともに委ねてしまう微妙で繊細な女心
の深淵をのぞくような映像は、文学的な格調さえ備えていた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「私の奴隷になりなさい」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121108
を参考にしてください。
「チキンとプラム」 です。
立体絵本風の味わいのある山々や街並みが、ファンタジーの世界にい
ざなってくれる。でもそれはハッピーエンドが約束されたおとぎ話で
はなく、皮肉と苦悩に満ちたつらく哀しい思い出。今まで何のために
生きてきたのか、何をなしてきたのか、誰を愛し誰に愛されてきたの
か。その答えが虚しいものと知った時、男は命を絶とうとする。望ま
なかった結婚、愛せなかった妻、音楽家としての修業の日々とアート
の真髄に目覚めた出来事。人生とはかくも短く、たった一つの願いす
ら叶えられない切なさが胸に染みる。
著名なバイオリン奏者・ナセルは愛用のバイオリンを壊されたのをき
っかけに、自殺を決意。自室にこもって静かに最期の瞬間を待つうち
に、思い通りにならなかった過去を反芻する。
魔法使いが描いたようなエキゾチックな1958年のテヘランの街頭が、
懐かしくあたたかくミステリアスな素晴らしい雰囲気。さそんな物語
背景のもと、ナセルは妻に理解されず子供たちにもバカにされ、唯一
の味方である弟もつれない態度で遠ざける。しかし、夢の中で明らか
になる真実は彼の思い込みとは正反対。実は家族はナセルに心を砕い
ていたのに、ナセルが気づかなかっただけという不幸が芸術家の孤独
を象徴していた。
繊細な感情と運命の些細なイタズラ、ユニークだが哀切にあふれた豊
饒な映像は、新鮮な驚きの連続だった。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)
「チキンとプラム」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120922
を参考にしてください。
本日はもう1本
「ミラクル ツインズ」 です。
幼少時から手術を繰り返し、胸部や腹部に深く刻まれた生々しいメス
の痕を見せる一卵性双生児の姉妹。それは先天的難病と闘ってきた彼
女たちの生の証でもある。映画は満足に呼吸ができない病気の双子姉
妹の闘病記録を通して、待ち続ける辛抱強さと希望を失わなず解決法
を探す勇気を描きつつ、医療における臓器移植の現状をレポートする。
胸いっぱいに空気を吸い込み吐き出す、生きるために必要な当たり前
の動作を意識せずできる幸せをこの作品は実感させてくれる。
根本的治療法がない遺伝病・(CF)を持つイサとアナ。学校に通えず、
入院生活を克明な日記とイラストに著し出版する。その後、米西部の
名門・スタンフォード大に移り、適合する肺を探す日々が始まる。
新鮮な肺を提供されるにはウエイティングリストの上位に名を連ね、
ドナーが脳死しなければならない。それでも米国では移植システムが
比較的洗練されているので、イサ・アナともに無事肺の移植手術を受
け、普通の暮らしができる程度には回復している。
当然ながら彼女たちはドナーへの感謝を忘れない。ドナーは死んでも、
臓器は他人の体の一部となって役立っている。遺族にとってこれほど
気持ちの休まることがあるだろうか。「難病に負けずに頑張ってます」
的な感動の押し売りを極力避けた語り口はあくまで軽妙だが、命は人
から人へと受け継ぐものであり、その大切さをあらためて考えさせら
た。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「ミラクル ツインズ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120815
を参考にしてください。
本日はもう1本
「私の奴隷になりなさい」 です。
命じられるまま、されるがままに身をくねらせ、女は苦悶の中にも愉
悦の表情を浮かべる。肉体にもたらされた痺れるような快感と精神的
にすべて頼れる圧倒的な解放感。それは自分を受け入れてくれた上に
やりたくてもできなかった行動の背中を押し、自身気付かなかった、
いや気づかぬフリをしていた本性に目覚めさせ火をつけてくれた男へ
の全身全霊の帰依。そんなヒロインを演じた壇蜜の絡みつくような弾
力をもつボディときめ細かい肌が非常に魅力的だ。困惑の中に期待を
にじませ、切なさと危うさが同居する複雑な心理を、憂いを湛えた瞳
で表現する。
転職した"僕"は、香奈という先輩に魅かれ何度もアプローチするが、
そっけない態度。ところが、突然彼女からメールで"セックスしない"
と誘われる。香奈は彼にビデオで性交中の顔を撮ってくれと頼む。
香奈は先生と呼ばれる中年男の"奴隷"として言いつけを守っていた
だけで、"僕"に対する思いは微塵もない。"僕"とセックスすると
いう命令を実行して先生の歓心を買おうとしているのだ。一見歪んで
いる、だが全幅の信頼を置く人間に隷属する歓び。結果与えられるご
褒美は、更なる羞恥をさらけ出せる安心感。
誰にも打ち明けられなかった心の闇を先生は理解してくれる、その孤
独を癒してもらったことで心身ともに委ねてしまう微妙で繊細な女心
の深淵をのぞくような映像は、文学的な格調さえ備えていた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「私の奴隷になりなさい」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121108
を参考にしてください。
2012年11月9日金曜日
阿部寛 警備員に扮し会場に潜伏「人をだますって意外と楽しい」
映画「カラスの親指」(監督伊藤匡史、23日公開)の完成披露試写会が8日、都内で行われ、主演の阿部寛(48)石原さとみ(25)らが舞台あいさつした。
警備員に扮して会場にまぎれた阿部と村上ショージ(57)が、イベント途中で登壇するサプライズも。阿部は「人をだますって意外と楽しい」と笑顔。劇中の2人は詐欺師コンビで、息の合った掛け合いを披露。村上は「阿部さんとM―1に出たい」とオファーしたが、阿部は「お断りします」とつれなかった。 村上はセリフ覚えに苦労したといい「東京―大阪間の新幹線で、イヤラシイ本を読む習慣を封印して台本を読んだ」と明かした。
2012年11月8日木曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(11/8)
本日、とりあげる作品は
「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語」 です。
スピーディでダイナミックな男性パフォーマー、しなやかで優美な女
性パフォーマー。極限まで鍛え上げられた彼らの肉体が表現する芸術
は、重力のくびきから解放された自由を謳歌しているかのよう。その
驚異的な身体能力の高さは人間技とは思えないほど洗練され、加えて
それらのパフォーマンスに与えられた物語はイマジネーションあふれ
る幻想的な空間に見る者をいざなう。
町はずれで興行するサーカスにふらりと足を踏み入れた少女は、空中
ブランコ乗りに心を奪われる。しかし、ブランコ乗りは演技中に落下、
そのまま砂地獄に沈んでしまう。
ブランコ乗りの後を追った少女が落ちたところは砂の惑星。テント小
屋でピエロに誘われ、幕を開けるといきなり円形プールでのショーが
始まる。シンクロナイズドスイミングとダンスを融合した水中の舞い
は、まるで人魚のカーニバル。その後、両端に大きな円筒を固定した
巨大シーソーでは信じがたいバランス感覚を持った男たちが高速で回
転する輪の中で跳び、走り、芸を見せる。さらに垂直壁での格闘アク
ションは、「マトリックス」を彷彿させる現実離れした光景だった。
ドキュメンタリーでもなくドラマでもない、まったく斬新かつクリエ
イティブなアプローチの映像化は、もはや何も考える必要はない。た
だ、スクリーン上で繰り広げられるスペクタクルと音楽に身を委ねて
いるだけで幸福な気分になれる、稀有な体験だった。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120929
を参考にしてください。
本日はもう1本
「北のカナリアたち」 です。
交わされたままの約束、言いそびれた言葉、知らされなかった事実。
とっくの昔に記憶の彼方に封印していた忌まわしい出来事が突然脳裏
によみがえる。そして、要領は悪いが素直で優しかった教え子が事件
の容疑者と聞かされたヒロインは、彼の所在を求めて旅を続けるうち
にわだかまりを解いていく。いじめや諍いはどんな環境でも起こりう
る、また誰もがみな他人には見せない別の一面を持っている、そんな
人生の真理が明かされていく過程はスリリングな上、愛に満ちている。
図書館を定年退職したはるの元に刑事が訪れ、北海道の離島で教鞭を
とっていたころの教え子・信人が殺人を犯して逃亡中と事情聴取を受
ける。はるは同時期の教え子5人の消息をたどって北海道に飛ぶ。
はるが島で過ごした日々、吃音の信人に自信を持たせようと合唱を始
めるが、その後狭い村の人間関係の中で芽生える悪意のなかで信頼が
崩れていく。水に流すには苦すぎ、心のしこりは消えない。それでも
はるはもう大人になった教え子たちを重荷から解放してやるとともに
自らの蹉跌も清算していく。
波高い海、雪に閉ざされた冬、緑濃い大地・・・雄大な北海道の自然を背
景に20年前と現在が混在するミステリー仕立ての構成は、人間の奥深
いところに眠る真実の皮を一枚ずつはがしていくような緊張感にあふ
れていた。そして省略の美学が見事に結実したクライマックスは、描
かれなかったことが想像力を刺激する。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「北のカナリアたち」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121106
を参考にしてください。
本日はもう1本
「のぼうの城」 です。
武士らしい威厳は微塵もなく、百姓たちと田植え麦踏みに興じる男。
城代の要職に在りながら武芸よりも芸能に長け、不思議な魅力で領民
から大いに慕われている。映画はそんな主人公が、所領の一大事を前
に抜群のリーダーシップを発揮し、見事に難局を切り抜ける姿を描く。
身分で分け隔てせず、相手の目線でものを言い、いつしか周囲を納得
させてしまう奇抜な侍大将を野村萬斎が怪演、戦国時代の武士像に全
く斬新な解釈を加える。その現代語を口にする変人ぶりには最初強烈
な違和感を覚えるが、やがて彼にしか演じ得ないのではと思わせる圧
倒的な存在感を示していく。
戦国時代末期、秀吉の北条攻めに伴い、北条方の忍城に石田三成の軍
勢が押し寄せる。兵力2万の石田軍に対し、成田長親率いる忍城は兵力
500。だが開城を迫る石田軍に対し、長親は籠城戦で迎え撃つ。
城下全域を高い土手で囲み、一気に川を決壊させる。冒頭、秀吉軍が
見せる"高松城水攻め"シーンでは、津波と見まがう巨大な奔流が城
下町ごと飲み込み、天守閣を残して人も建物もすべて水に流されてし
まう。VFX技術の粋を集めた、戦国時代の無慈悲さが凝縮された圧巻の
プロローグに思わず前のめりになった。
ところが、本題である忍城攻防戦においては、それほど奇手奇策が見
られなかったのが残念。投石器や油攻めだけでなく、もっとあっと驚
くような珍奇な新戦術を見せてほしかった。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「のぼうの城」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121105
を参考にしてください。
本日はもう1本
「JAPAN IN A DAY」 です。
時間が止まったままの人がいる。新しい一歩を踏み出そうとする人も
いる。直接被害を受けたわけではないが何らかの形で被災者を励まそ
うとする人もいる。まるで無関心の人もいる。おそらく日本人すべて
が記憶しているであろう悲劇からちょうど1年後の"その日"を、人々
はどんな思いを抱えて過ごしたのか。映画は一般人から募集した2012
年3月11日の映像をつなぎ合わせ、ありふれた1日でも、当人にとって
はかけがえのない1日であると証明していく。
深夜、日付が変わっても若者たちは騒ぎ、居酒屋では酔客が心地よく
飲んでいる。夜が明け、あの大災害から1年後の朝が始まる。
津波で両親と妻・娘を一度に亡くした男はその時の様子を淡々と再現
し、この1年泣く暇もなかったと述懐する。流された我が家の跡地にロ
ープを張って黄色いハンカチを結びつける人もいる。理髪店の店主は
客が来なくなったと嘆く。1歳の誕生日を迎えた娘を祝う両親もいる。
それら断片的なシーンの数々は前半こそ興味を持って見ていられるが、
次第に何の絞り込みもなくただダラダラとした日常風景ばかりが多く
なり退屈を禁じえない。
これらの映像に、どれほどの大惨事に見舞われようとも人間は立ち直
れるという、あきらめない日本人の姿を投影し、希望に結び付けよう
とする姿勢は理解できる。だが見せ方に工夫が乏しくあまりにも単調
すぎたのが残念だ。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「JAPAN IN A DAY」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121107
を参考にしてください。
「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語」 です。
スピーディでダイナミックな男性パフォーマー、しなやかで優美な女
性パフォーマー。極限まで鍛え上げられた彼らの肉体が表現する芸術
は、重力のくびきから解放された自由を謳歌しているかのよう。その
驚異的な身体能力の高さは人間技とは思えないほど洗練され、加えて
それらのパフォーマンスに与えられた物語はイマジネーションあふれ
る幻想的な空間に見る者をいざなう。
町はずれで興行するサーカスにふらりと足を踏み入れた少女は、空中
ブランコ乗りに心を奪われる。しかし、ブランコ乗りは演技中に落下、
そのまま砂地獄に沈んでしまう。
ブランコ乗りの後を追った少女が落ちたところは砂の惑星。テント小
屋でピエロに誘われ、幕を開けるといきなり円形プールでのショーが
始まる。シンクロナイズドスイミングとダンスを融合した水中の舞い
は、まるで人魚のカーニバル。その後、両端に大きな円筒を固定した
巨大シーソーでは信じがたいバランス感覚を持った男たちが高速で回
転する輪の中で跳び、走り、芸を見せる。さらに垂直壁での格闘アク
ションは、「マトリックス」を彷彿させる現実離れした光景だった。
ドキュメンタリーでもなくドラマでもない、まったく斬新かつクリエ
イティブなアプローチの映像化は、もはや何も考える必要はない。た
だ、スクリーン上で繰り広げられるスペクタクルと音楽に身を委ねて
いるだけで幸福な気分になれる、稀有な体験だった。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120929
を参考にしてください。
本日はもう1本
「北のカナリアたち」 です。
交わされたままの約束、言いそびれた言葉、知らされなかった事実。
とっくの昔に記憶の彼方に封印していた忌まわしい出来事が突然脳裏
によみがえる。そして、要領は悪いが素直で優しかった教え子が事件
の容疑者と聞かされたヒロインは、彼の所在を求めて旅を続けるうち
にわだかまりを解いていく。いじめや諍いはどんな環境でも起こりう
る、また誰もがみな他人には見せない別の一面を持っている、そんな
人生の真理が明かされていく過程はスリリングな上、愛に満ちている。
図書館を定年退職したはるの元に刑事が訪れ、北海道の離島で教鞭を
とっていたころの教え子・信人が殺人を犯して逃亡中と事情聴取を受
ける。はるは同時期の教え子5人の消息をたどって北海道に飛ぶ。
はるが島で過ごした日々、吃音の信人に自信を持たせようと合唱を始
めるが、その後狭い村の人間関係の中で芽生える悪意のなかで信頼が
崩れていく。水に流すには苦すぎ、心のしこりは消えない。それでも
はるはもう大人になった教え子たちを重荷から解放してやるとともに
自らの蹉跌も清算していく。
波高い海、雪に閉ざされた冬、緑濃い大地・・・雄大な北海道の自然を背
景に20年前と現在が混在するミステリー仕立ての構成は、人間の奥深
いところに眠る真実の皮を一枚ずつはがしていくような緊張感にあふ
れていた。そして省略の美学が見事に結実したクライマックスは、描
かれなかったことが想像力を刺激する。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「北のカナリアたち」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121106
を参考にしてください。
本日はもう1本
「のぼうの城」 です。
武士らしい威厳は微塵もなく、百姓たちと田植え麦踏みに興じる男。
城代の要職に在りながら武芸よりも芸能に長け、不思議な魅力で領民
から大いに慕われている。映画はそんな主人公が、所領の一大事を前
に抜群のリーダーシップを発揮し、見事に難局を切り抜ける姿を描く。
身分で分け隔てせず、相手の目線でものを言い、いつしか周囲を納得
させてしまう奇抜な侍大将を野村萬斎が怪演、戦国時代の武士像に全
く斬新な解釈を加える。その現代語を口にする変人ぶりには最初強烈
な違和感を覚えるが、やがて彼にしか演じ得ないのではと思わせる圧
倒的な存在感を示していく。
戦国時代末期、秀吉の北条攻めに伴い、北条方の忍城に石田三成の軍
勢が押し寄せる。兵力2万の石田軍に対し、成田長親率いる忍城は兵力
500。だが開城を迫る石田軍に対し、長親は籠城戦で迎え撃つ。
城下全域を高い土手で囲み、一気に川を決壊させる。冒頭、秀吉軍が
見せる"高松城水攻め"シーンでは、津波と見まがう巨大な奔流が城
下町ごと飲み込み、天守閣を残して人も建物もすべて水に流されてし
まう。VFX技術の粋を集めた、戦国時代の無慈悲さが凝縮された圧巻の
プロローグに思わず前のめりになった。
ところが、本題である忍城攻防戦においては、それほど奇手奇策が見
られなかったのが残念。投石器や油攻めだけでなく、もっとあっと驚
くような珍奇な新戦術を見せてほしかった。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「のぼうの城」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121105
を参考にしてください。
本日はもう1本
「JAPAN IN A DAY」 です。
時間が止まったままの人がいる。新しい一歩を踏み出そうとする人も
いる。直接被害を受けたわけではないが何らかの形で被災者を励まそ
うとする人もいる。まるで無関心の人もいる。おそらく日本人すべて
が記憶しているであろう悲劇からちょうど1年後の"その日"を、人々
はどんな思いを抱えて過ごしたのか。映画は一般人から募集した2012
年3月11日の映像をつなぎ合わせ、ありふれた1日でも、当人にとって
はかけがえのない1日であると証明していく。
深夜、日付が変わっても若者たちは騒ぎ、居酒屋では酔客が心地よく
飲んでいる。夜が明け、あの大災害から1年後の朝が始まる。
津波で両親と妻・娘を一度に亡くした男はその時の様子を淡々と再現
し、この1年泣く暇もなかったと述懐する。流された我が家の跡地にロ
ープを張って黄色いハンカチを結びつける人もいる。理髪店の店主は
客が来なくなったと嘆く。1歳の誕生日を迎えた娘を祝う両親もいる。
それら断片的なシーンの数々は前半こそ興味を持って見ていられるが、
次第に何の絞り込みもなくただダラダラとした日常風景ばかりが多く
なり退屈を禁じえない。
これらの映像に、どれほどの大惨事に見舞われようとも人間は立ち直
れるという、あきらめない日本人の姿を投影し、希望に結び付けよう
とする姿勢は理解できる。だが見せ方に工夫が乏しくあまりにも単調
すぎたのが残念だ。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「JAPAN IN A DAY」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121107
を参考にしてください。
2012年11月3日土曜日
吉永小百合 興収20億円超ペースの好スタート
女優・吉永小百合が3日、都内で行われた主演映画「北のカナリアたち」の公開初日あいさつに出席した。
作品に登場する北海道の分校を模した壇上、小学校教師役を演じた吉永は「それぞれが主役をやっているような(共演者の)方たちとアンサンブルがとれるか心配だったんです。でもその心配は外れて、皆が輪になって映画を作ることができた。俳優としてやってきて、こんなの初めてなんです」と感無量の表情を浮かべた。すると夫役の柴田恭兵が「皆、監督よりも吉永さんに褒められたかったんですよ」とひと言。監督より強い"小百合先生"の影響力を教えられ、目を少し潤ませながら照れていた。 配給の東映によると、公開当日午後時点での興行収入は05年の吉永の主演作「北の零年」(興収27億)とほぼ同率で推移。20億円超え確実の大ヒットスタートを記録している。
() ハ・ジウォン訪日、『ハナ~奇跡の46日間~』試写会で舞台あいさつ
『シークレット・ガーデン』『キング~Two Hearts』などドラマに映画に大活躍のトップ女優ハ・ジウォンが2日、主演映画『ハナ~奇跡の46日間~』(原題:『コリア』)の東京特別試写会の舞台あいさつにムン・ヒョンソン監督とともに登壇した。
この映画は、1991年に千葉県で開催された第41回世界卓球選手権大会に、史上初めて南北統一チームとして参加した選手たちの熱い友情と戦いの「46日間」を描いた感動の実話を基にした作品だ。ファンの大歓声に迎えられ笑顔で登場したハ・ジウォンは、「この作品が日本で上映することができて胸がいっぱい」と喜びのあいさつ。ムン監督は、「この実話は、映画よりももっともっとドラマチックだと思った。21年という時間が経過したが、当時の人々が感じた感情を、状況を振り返ってみることに意味があると思い、この作品を作ろうと思った」と制作の経緯を語り「舞台となった日本の観客にお会いすることができて、感謝でいっぱい」と感慨深げだった。リアルで迫力の卓球シーンを繰り広げたハ・ジウォンは「10年以上選手生活を送らなければ国家代表選手にはなれないのだが、わたしたち俳優は6カ月で国家代表にならなければならず、体がもう無理、というほど努力したし、けがもした。1日の休みもなく、撮影とトレーニングを続けたが、誰ひとり仮病を使うこともなく頑張ったので、あのような本物のような卓球の試合になり、皆さんが集中できたのではないかと思う」と語った。さらに「わたしたちは、映画の中で汗をびっしょりかいているが、本物の汗。1カ月の間、体育館の中で試合のシーンを撮ったが、体感温度が50度を越えていた。そんな中で俳優とスタッフが撮影をしたのだが、さまざまな悪条件を克服しながら、汗と情熱がなければあのような作品はできなかった」と苦労を明かした。「そのようにしてひとつになったから作り上げられた。そんなまごころが日本に来ることができて胸がいっぱいで、わくわくする。気分がとてもいい」と満足感を示した。ムン監督は、「1991年当時、国際卓球連盟の会場だった故・荻村伊知郎さんの偉大なる考えがあってこの話が生まれた。卓球と映画でもう一度皆さんに感動を与えられればと思う」と語った。荻村氏は当時、卓球を通じ、世界の国々の融和と相互理解を図る運動をしており、彼の発案と尽力で南北統一チームが実現、南北融和の象徴的存在として大きな注目を集めた一件だった。「21年前、この日本で小さな統一を成し遂げたが、その日本でこの映画を公開することができ、感謝するとともに光栄に思う。映画の持っているまごころ、真実味が皆さんの心に近づいていって、心を温かくしていく映画になればと思う」と締めくくった。そしてハ・ジウォンは、熱心なファンの声援に、映画のPRに加え「ファンの皆さんが朝早くから待っていてくださって、感謝しています。皆さんにとても会いたかったです」とキュートな笑顔全開で声をかけ手を振ると、会場からはさらに大きな声援と拍手が送られた。ハ・ジウォン、ペ・ドゥナが主演した感動のスポーツ・エンターテインメント・ムービー『ハナ~奇跡の46日間~』(配給:株式会社SUMOMO)は2013年春ロードショー公開。
エレカシ、“団地出身”繋がりで映画『みなさん、さようなら』主題歌決定
ボーカル・宮本浩次(46)の突発性難聴のため一時活動休止中のロックバンド・エレファントカシマシの2000年の楽曲「sweet memory」が、俳優・濱田岳(24)主演の映画『みなさん、さようなら』の主題歌に起用されたことが2日、わかった。
同作は「団地」を舞台に主人公の人生を見つめた青春劇。宮本が幼少期を団地で過ごした"団地っ子"だったことがきっかけでプロデューサーが熱烈なオファーを送り、実現した。エレファントカシマシの『sweet memory~エレカシ青春セレクション~』詳細 実際に「sweet~」を聴いた濱田は、楽曲と映画の世界観のあまりの一致ぶりに思わず涙を流したという。同曲は2000年に発売されたアルバム『sweet memory~エレカシ青春セレクション~』内に収録されており、同アルバムの「さらば青春」も挿入歌としての起用が決定している。 映画は『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋監督がメガホンを執り、12歳で「ぼくは一生、団地の中だけで生きていく!」と誓った一人の少年の人生を描いた青春劇。団地で出会う人たち、団地の中にある商店などで初恋も、青春も、就職も、結婚もすべてを経験していく主人公の姿を温かく描く。 中村監督と『アヒル~』以来度々タッグを重ねてきた濱田をはじめ、共演に倉科カナ、永山絢斗、波瑠ら若手陣に田中圭、ベンガル、大塚寧々らが参加。映画『みなさん、さようなら』は2013年1月公開。
こんな映画は見ちゃいけない!(11/3)
本日、とりあげる作品は
「ワンナイト・ワンラブ」 です。
夢を追っている彼女の胸の内は分かる、かつて自分もそうだったから。
恋に落ちるチャンスには敏感、ラブソングを歌っているから。何より、
どこか魂のレベルで共鳴し合っている、音楽を志した同志だから。映
画は手錠で繋がれてしまった男と女が、反目しあいながらも徐々に気
持ちを通わせていく姿を描く。音楽祭という非日常的な空間が醸し出
す高揚した空気に心が解放され、素のままに戻った時、ふたりの関係
は堅牢な手錠以上に分かち難くなっていく。そんな、人を優しく幸せ
な気分にさせる"音楽の魔法"をあらためて認識させられた。
ロックフェスに出演する人気ユニットのボーカル・アダムは、ガール
ズバンドのモレロと諍いを起こす。そこに見知らぬオッサンが仲介に
入り、ふたりの手首に手錠をかけたまま雑踏に消えてしまう。
鎖を切ろうと奮闘するが歯が立ず、各々の恋人たちにも誤解されたり
する。やがてモレロたちのバンドが本番を迎えると仕方なくアダムは
一緒にステージに上がり、モレロの演奏にちょっかいを出しはじめる。
ところがアダムが彼女たちの曲を巧みにアレンジして、ふたりがいつ
しか絶妙のコラボを見せるあたり、ノリのいいリズムとメロディは心
理的な壁を容易に壊してしまう力を持つことを教えてくれる。
なにより本物のロックフェス開催中に巨大なステージと数万の群衆を
バックに撮影されたひとつの恋が生まれる瞬間は、アダムが口ずさむ
ラブソングにも似たときめきと生きる喜びに満ちあふれていた。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「ワンナイト・ワンラブ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120917
を参考にしてください。
本日はもう1本
「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」 です。
リッチな夫のもとでセレブ暮らしを満喫しているはずだった。だが、
それが望んだものとは違うと気づいた時、彼女は恋のためにすべてを
なげうったカップルの物語に魅かれていく。あの時の選択は正しかっ
たのか。もっと別の道があったのではないか。失ったものと得たもの
を天秤にかけても後悔だけはしない。そんな感傷が時を越えて蘇る。
映画は「世紀の恋」と呼ばれたロマンスと、前世紀末のヒロインの苦
悩と出会いを対比させ、未来は自分の意志で選ぶべきだと訴えかける。
夫とギクシャクしているウォリーは、元英王エドワードと妻のウォリ
スの遺品が出品されるオークション会場に足を運ぶ。故人の愛用品の
数々に思いをはせるうちに、ウォリスの生涯に興味を持ち始める。
DV、退屈な結婚生活、ウォリーはウォリスの身の上を調べるうちに自
らの境遇を重ね合わせ、競売場の警備員・エフゲニに声をかけられる
と彼の優しさによろめいていく。亡命ロシア人の元ピアニストだった
エフゲニの奏でるメロディに傷ついた心を癒していくウォリー。エフ
ゲニはカネはないけれど、寂しい時に寄り添ってくれ、思いやりにあ
ふれている。彼と触れあう過程と、ウォリスとエドワードの関係がシ
ンクロし、ウォリーは新たな価値観に目覚めていく。
蠱惑的な1930年代のファッションと英王室のおおらかなカジュアルさ
といった時代の空気がスタイリッシュな映像に再現されていて、国王
の運命を変えたウォリスの魅力が香り立つようだった。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120824
を参考にしてください。
本日はもう1本
「黄金を抱いて翔べ」 です。
固くない結束、綿密さに欠けるアイデア、脇が甘い仲間、断固たる決
意のみえない動機。およそ大がかりな金庫破りを企むグループとは思
えないみすぼらしい男たちが織りなす、スタイリッシュのかけらもな
い映像は、クライムサスペンスのあらゆる定石を覆し見る者の予想を
打ち砕いていく。大銀行の堅牢な地下金庫に眠る金塊を盗むプランを
実行するのに、ハイテク機器を一切使わず力技で強奪しようとする彼
らの姿は、むしろ破滅的な美学すら覚えてしまう。
トラック運転手の北川は学生時代の友人・幸田に金塊強盗を持ちかけ
る。SEの野田、元北朝鮮のスパイで爆弾技術者・モモ、エレベーター
技師のじいちゃん、北川の弟・春樹をメンバーに加え、準備を整える。
これだけの大きなヤマを狙うのならば当然北川の言うとおり「細心の
注意」を払うべきなのに、モモは公安や北の殺し屋に追われ、幸田は
極左組織に脅され、北川兄弟はチンピラとトラブルを起こす。さらに
内通者がいたりと計画はいつ破綻してもおかしくない。しかも彼らは
分かちがたい友情や信頼で結ばれているわけでは決してない。こんな
状態で果たして決行できるのかと、違った意味で非常にハラハラした。
ようやく北川たち突入部隊は銀行の地下に潜入し金庫室に向かうが、
その手際も"鮮やか"と言い難く、不確定要素に満ちたもの。やはり
ぶっつけ本番で強盗をするときは、臨機応変に危機に対応する柔軟さ
が必要だということだろうか。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「黄金を抱いて翔べ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121025
を参考にしてください。
本日はもう1本
「パラノーマル・アクティビティ4」 です。
姿を見せずに忍び寄り、室内モニターに不気味な動きが残される。子
供には見えるが、大人になり始めた少年少女には気配しか感じさせな
い。さらに今回、「それ」は幼い男の子を巧みに操り、無関係な人々
を破滅に追いやっていく。カメラは近所に引っ越してきた母子家庭の
息子の面倒を引き受けたことから起きる、ティーンエイジャー一家の
悲劇を追う。これまで形として現れなかった「それ」は暗視装置に人
の形をしたドット状に感知され、より明確な悪意を示しているようだ。
住宅街に住む女子高生・アレックスの両親は、隣家の6歳児・ロビーを
預かるが、ロビーは深夜徘徊などの不審な行動を繰り返す。彼女はBF
のベンの協力で家じゅうに監視用のパソコンを設置する。
固定した防犯カメラではなくカメラ付きノートパソコンを使い、映像
は受動的に「記録されたもの」から能動的に「記録したもの」に変容
する。まだ「それ」が家に憑りつくとどうなるか知らないアレックス
は、恐怖より好奇心が先に立つのだろう。このシリーズを見続けてい
る者にとって、ロビーという"「それ」の配下にある子供"を家に招
き入れたときから彼女と家族の運命はすでに知っている。だからこそ
アレックスたちの脇の甘さがもどかしく、つい声をかけて危険を知ら
せたくなる。
ただ、フェイクドキュメンタリーの体裁は半分捨ててしまったのは、
ネタ切れの感もするが。。。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「パラノーマル・アクティビティ4」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121102
を参考にしてください。
「ワンナイト・ワンラブ」 です。
夢を追っている彼女の胸の内は分かる、かつて自分もそうだったから。
恋に落ちるチャンスには敏感、ラブソングを歌っているから。何より、
どこか魂のレベルで共鳴し合っている、音楽を志した同志だから。映
画は手錠で繋がれてしまった男と女が、反目しあいながらも徐々に気
持ちを通わせていく姿を描く。音楽祭という非日常的な空間が醸し出
す高揚した空気に心が解放され、素のままに戻った時、ふたりの関係
は堅牢な手錠以上に分かち難くなっていく。そんな、人を優しく幸せ
な気分にさせる"音楽の魔法"をあらためて認識させられた。
ロックフェスに出演する人気ユニットのボーカル・アダムは、ガール
ズバンドのモレロと諍いを起こす。そこに見知らぬオッサンが仲介に
入り、ふたりの手首に手錠をかけたまま雑踏に消えてしまう。
鎖を切ろうと奮闘するが歯が立ず、各々の恋人たちにも誤解されたり
する。やがてモレロたちのバンドが本番を迎えると仕方なくアダムは
一緒にステージに上がり、モレロの演奏にちょっかいを出しはじめる。
ところがアダムが彼女たちの曲を巧みにアレンジして、ふたりがいつ
しか絶妙のコラボを見せるあたり、ノリのいいリズムとメロディは心
理的な壁を容易に壊してしまう力を持つことを教えてくれる。
なにより本物のロックフェス開催中に巨大なステージと数万の群衆を
バックに撮影されたひとつの恋が生まれる瞬間は、アダムが口ずさむ
ラブソングにも似たときめきと生きる喜びに満ちあふれていた。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「ワンナイト・ワンラブ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120917
を参考にしてください。
本日はもう1本
「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」 です。
リッチな夫のもとでセレブ暮らしを満喫しているはずだった。だが、
それが望んだものとは違うと気づいた時、彼女は恋のためにすべてを
なげうったカップルの物語に魅かれていく。あの時の選択は正しかっ
たのか。もっと別の道があったのではないか。失ったものと得たもの
を天秤にかけても後悔だけはしない。そんな感傷が時を越えて蘇る。
映画は「世紀の恋」と呼ばれたロマンスと、前世紀末のヒロインの苦
悩と出会いを対比させ、未来は自分の意志で選ぶべきだと訴えかける。
夫とギクシャクしているウォリーは、元英王エドワードと妻のウォリ
スの遺品が出品されるオークション会場に足を運ぶ。故人の愛用品の
数々に思いをはせるうちに、ウォリスの生涯に興味を持ち始める。
DV、退屈な結婚生活、ウォリーはウォリスの身の上を調べるうちに自
らの境遇を重ね合わせ、競売場の警備員・エフゲニに声をかけられる
と彼の優しさによろめいていく。亡命ロシア人の元ピアニストだった
エフゲニの奏でるメロディに傷ついた心を癒していくウォリー。エフ
ゲニはカネはないけれど、寂しい時に寄り添ってくれ、思いやりにあ
ふれている。彼と触れあう過程と、ウォリスとエドワードの関係がシ
ンクロし、ウォリーは新たな価値観に目覚めていく。
蠱惑的な1930年代のファッションと英王室のおおらかなカジュアルさ
といった時代の空気がスタイリッシュな映像に再現されていて、国王
の運命を変えたウォリスの魅力が香り立つようだった。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120824
を参考にしてください。
本日はもう1本
「黄金を抱いて翔べ」 です。
固くない結束、綿密さに欠けるアイデア、脇が甘い仲間、断固たる決
意のみえない動機。およそ大がかりな金庫破りを企むグループとは思
えないみすぼらしい男たちが織りなす、スタイリッシュのかけらもな
い映像は、クライムサスペンスのあらゆる定石を覆し見る者の予想を
打ち砕いていく。大銀行の堅牢な地下金庫に眠る金塊を盗むプランを
実行するのに、ハイテク機器を一切使わず力技で強奪しようとする彼
らの姿は、むしろ破滅的な美学すら覚えてしまう。
トラック運転手の北川は学生時代の友人・幸田に金塊強盗を持ちかけ
る。SEの野田、元北朝鮮のスパイで爆弾技術者・モモ、エレベーター
技師のじいちゃん、北川の弟・春樹をメンバーに加え、準備を整える。
これだけの大きなヤマを狙うのならば当然北川の言うとおり「細心の
注意」を払うべきなのに、モモは公安や北の殺し屋に追われ、幸田は
極左組織に脅され、北川兄弟はチンピラとトラブルを起こす。さらに
内通者がいたりと計画はいつ破綻してもおかしくない。しかも彼らは
分かちがたい友情や信頼で結ばれているわけでは決してない。こんな
状態で果たして決行できるのかと、違った意味で非常にハラハラした。
ようやく北川たち突入部隊は銀行の地下に潜入し金庫室に向かうが、
その手際も"鮮やか"と言い難く、不確定要素に満ちたもの。やはり
ぶっつけ本番で強盗をするときは、臨機応変に危機に対応する柔軟さ
が必要だということだろうか。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「黄金を抱いて翔べ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121025
を参考にしてください。
本日はもう1本
「パラノーマル・アクティビティ4」 です。
姿を見せずに忍び寄り、室内モニターに不気味な動きが残される。子
供には見えるが、大人になり始めた少年少女には気配しか感じさせな
い。さらに今回、「それ」は幼い男の子を巧みに操り、無関係な人々
を破滅に追いやっていく。カメラは近所に引っ越してきた母子家庭の
息子の面倒を引き受けたことから起きる、ティーンエイジャー一家の
悲劇を追う。これまで形として現れなかった「それ」は暗視装置に人
の形をしたドット状に感知され、より明確な悪意を示しているようだ。
住宅街に住む女子高生・アレックスの両親は、隣家の6歳児・ロビーを
預かるが、ロビーは深夜徘徊などの不審な行動を繰り返す。彼女はBF
のベンの協力で家じゅうに監視用のパソコンを設置する。
固定した防犯カメラではなくカメラ付きノートパソコンを使い、映像
は受動的に「記録されたもの」から能動的に「記録したもの」に変容
する。まだ「それ」が家に憑りつくとどうなるか知らないアレックス
は、恐怖より好奇心が先に立つのだろう。このシリーズを見続けてい
る者にとって、ロビーという"「それ」の配下にある子供"を家に招
き入れたときから彼女と家族の運命はすでに知っている。だからこそ
アレックスたちの脇の甘さがもどかしく、つい声をかけて危険を知ら
せたくなる。
ただ、フェイクドキュメンタリーの体裁は半分捨ててしまったのは、
ネタ切れの感もするが。。。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「パラノーマル・アクティビティ4」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121102
を参考にしてください。
2012年11月1日木曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(11/1)
本日、とりあげる作品は
「リンカーン/秘密の書」 です。
大木を一撃で粉砕する強力な斧を自在に操り、襲い掛かってくるヴァ
ンパイアたちの首を刎ね額をたたき割り肉体を微塵に打ち砕く。その
スローモーションを多用した流麗で柔軟な体の使い方は様式美すら感
じさせる。映画はエイブラハム・リンカーン米国大統領が若き頃、表
の顔とは別にヴァンパイアハンターとして人知れず闘っていたという
強引で突飛な発想を、壮大なバロック音楽のような映像に昇華する。
もはやヴァンパイアは日光も十字架も恐れず、普通の市民に紛れて日
常を送り、夜な夜な密かに人間の生き血をすする存在。数が増えると
主流派に反発する者も現れるなど、まるで社会の縮図だ。
幼いころ奴隷商人のヴァンパイア・バーツに母を殺されたエイブは復
讐を誓い、長じてバーツに挑むがあっさり返り討ちにあう。危ういと
ころを謎の男・ヘンリーに救われ、彼に弟子入りして修練に励む。
ヴァンパイアを倒すための戦術を身に付けたエイブは雑貨店に勤めな
がらも勉学に勤しみ、夜はヘンリーからの命令でヴァンパイアを狩る
二重生活を経て、いよいよ母の仇・バーツに挑む。暴走する馬群とと
もに疾走し、馬の背から背へ跳び移りながらの格闘はあふれる躍動感
に3Dの臨場感が加わる大スペクタクルだった。
やがて南部の黒人奴隷がヴァンパイアの餌にされているのを目の当た
りにしたエイブは政治家に転身、奴隷解放を訴える。このあたりは荒
唐無稽だが、突きぬけた論理はむしろ爽快だった。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「リンカーン/秘密の書」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121006
を参考にしてください。
本日はもう1本
「高地戦」 です。
死ぬのは怖くない、だが、もうこれ以上仲間が命を落とすのを見たく
ない。そんな思いが兵士たちの脳裏によぎる。しかも銃口を向けあっ
ているのは同じ民族で、酒や食料を通したささやかな交流すら生まれ
ている。映画は、朝鮮戦争末期、何度も奪還と撤収を繰り返す高地を
舞台に、最前線に配属された兵士たちの心情をリアルに再現していく。
そこには、故郷に残した家族や恋人への愛情を切々と綴る感傷などは
ない。彼らは早く戦争が終わってほしいと願うのみ。まさしく、"戦
う相手は敵ではなく戦争"の現実が彼らに襲い掛かかってくるのだ。
韓国軍のカン中尉は、内通者を探すためにエロック高地付近を守るワ
ニ中隊に赴く。そこはかっての友人・キム中尉が中心に共産軍と小競
り合いを繰り返していたが、兵士たちはみな心に深い傷を抱えていた。
ワニ中隊の兵士たちは戦闘が日常となり、すでに死と隣り合わせの緊
張感はない。無論、戦友の戦死には胸が痛むが、気持ちの切り替えも
早い。"浦項で見た地獄"が彼らから感情を奪い、恐怖に対して不感
症になってしまっているが、生き残っていることに後ろめたさを覚え
ているようでもある。一方で秘密倉庫を通じて共産軍と奇妙な友情を
芽生えさせる不思議。それは共産軍とて変わらないのだろう、韓国領
内にいる親族への手紙を韓国兵に託してくる。
つい数年前までひとつだった祖国がふたつに分断されて米中の代理戦
争をする不条理が、この物資の交換箱に凝縮されていた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「高地戦」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121031
を参考にしてください。
本日はもう1本
「シャドー・チェイサー」 です。
家族が突然姿を消し、得体の知れない組織に銃撃される。何が起きて
いるのかわからない、誰に追われているのか見当もつかない。じっと
していると死が待ち受けているのは確か。頼れるのは己の生存本能だ
け、ひたすら走り続けるしかない。カメラは、予期せぬ危険に巻き込
まれた男に寄り添い、彼の驚きと困惑とサバイバルをリアルに再現す
る。そして状況が呑み込めたとき、"素人"ならではの無鉄砲さで、
プロの工作員たちを相手に堂々と渡り合う。謎が新たな謎を呼ぶたた
みかけるような展開、先を読ませぬ二重三重の偽装と欺瞞の中で、主
人公は信じられるものをみつけていく。
久しぶりに家族と休暇を過ごすウィルは、クルージング中の一家全員
が失踪して警察に駆け込むが、なぜか拘束されかけ、危ういところを
父のマーティンに救われる。だが彼もウィルの目の前で射殺される。
自分がまったく聞かされていなかった父の正体に驚愕するウィル。し
かも同僚だったキャラックに裏切り者扱いされた上、身元不明の電話
には"トム"と呼ばれている。さらに妹の存在まで明らかになるなど、
父に関する多くの耳を疑う情報が一気にウィルの前に押し寄せる。
たしかにストーリーはミステリアスで、次々と提示される新事実は考
える暇を与えないほど凝縮されている。ただ、既視感のあるアクショ
ンに終始し、クライマックスのカーチェイスも大味で緊迫感に欠ける。
シガ二─・ウィーバーの悪党ぶりは新鮮だったが。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「シャドー・チェイサー」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121029
を参考にしてください。
本日はもう1本
「旅の贈りもの 明日へ」 です。
叶えられなかった望み、守られなかった約束、人生に残された宿題。
42年ぶりに過去の扉を開いた男は遠き日の思い出を今に蘇らせようと
する。そしてあの時の"なぜ"の答えを求めて一枚のはがきを手に特
急列車に乗る。物語は定年退職後暇を持て余した主人公が古いはがき
を手掛かりに、差出人に会いに行こうとする姿を追う。ままならぬ日
々に悶々としたあの頃、たった1日だけのデートが大人になっても自分
を支えていた。1人暮らしの寂しさに耐えかね、その時のときめきをも
う一度味わいたいと願う彼の胸の内が切なくリアルだ。海は近く空は
大きい町、福井を舞台にさまざまな人の思いが交錯する。
離婚して25年、サラリーマン生活を終えた孝祐は、荷物の整理中に周
囲が焼けたスケッチを見つける。それは美大受験を目指していたころ、
同じ目標を持つ文通相手・美月からの挿し絵はがきだった。。
高校時代、美術の道に進むことを父に反対され道具を燃やされた孝祐
は家出、美月が住む福井に向かう。小ぶりな天守閣の城、どこまでも
続く砂浜、心まで温まったラーメン、ホームでの別れ。まだ少年少女
だったころのふたりが悩みを打ち明け夢を語るシーンは瑞々しい若さ
にあふれ、青春のきらめきを放つ。なにより、はがき1枚ずつに丹念に
風景を描き相手に送る、気持ちのこもった往復書簡が懐かしかった。
ただ、現在の孝祐が音信不通の美月を探す過程は小さな事実を積み重
ねる構成にすべきだろう。もっとストーリーを練り上げてほしかった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「旅の贈りもの 明日へ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121027
を参考にしてください。
「リンカーン/秘密の書」 です。
大木を一撃で粉砕する強力な斧を自在に操り、襲い掛かってくるヴァ
ンパイアたちの首を刎ね額をたたき割り肉体を微塵に打ち砕く。その
スローモーションを多用した流麗で柔軟な体の使い方は様式美すら感
じさせる。映画はエイブラハム・リンカーン米国大統領が若き頃、表
の顔とは別にヴァンパイアハンターとして人知れず闘っていたという
強引で突飛な発想を、壮大なバロック音楽のような映像に昇華する。
もはやヴァンパイアは日光も十字架も恐れず、普通の市民に紛れて日
常を送り、夜な夜な密かに人間の生き血をすする存在。数が増えると
主流派に反発する者も現れるなど、まるで社会の縮図だ。
幼いころ奴隷商人のヴァンパイア・バーツに母を殺されたエイブは復
讐を誓い、長じてバーツに挑むがあっさり返り討ちにあう。危ういと
ころを謎の男・ヘンリーに救われ、彼に弟子入りして修練に励む。
ヴァンパイアを倒すための戦術を身に付けたエイブは雑貨店に勤めな
がらも勉学に勤しみ、夜はヘンリーからの命令でヴァンパイアを狩る
二重生活を経て、いよいよ母の仇・バーツに挑む。暴走する馬群とと
もに疾走し、馬の背から背へ跳び移りながらの格闘はあふれる躍動感
に3Dの臨場感が加わる大スペクタクルだった。
やがて南部の黒人奴隷がヴァンパイアの餌にされているのを目の当た
りにしたエイブは政治家に転身、奴隷解放を訴える。このあたりは荒
唐無稽だが、突きぬけた論理はむしろ爽快だった。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「リンカーン/秘密の書」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121006
を参考にしてください。
本日はもう1本
「高地戦」 です。
死ぬのは怖くない、だが、もうこれ以上仲間が命を落とすのを見たく
ない。そんな思いが兵士たちの脳裏によぎる。しかも銃口を向けあっ
ているのは同じ民族で、酒や食料を通したささやかな交流すら生まれ
ている。映画は、朝鮮戦争末期、何度も奪還と撤収を繰り返す高地を
舞台に、最前線に配属された兵士たちの心情をリアルに再現していく。
そこには、故郷に残した家族や恋人への愛情を切々と綴る感傷などは
ない。彼らは早く戦争が終わってほしいと願うのみ。まさしく、"戦
う相手は敵ではなく戦争"の現実が彼らに襲い掛かかってくるのだ。
韓国軍のカン中尉は、内通者を探すためにエロック高地付近を守るワ
ニ中隊に赴く。そこはかっての友人・キム中尉が中心に共産軍と小競
り合いを繰り返していたが、兵士たちはみな心に深い傷を抱えていた。
ワニ中隊の兵士たちは戦闘が日常となり、すでに死と隣り合わせの緊
張感はない。無論、戦友の戦死には胸が痛むが、気持ちの切り替えも
早い。"浦項で見た地獄"が彼らから感情を奪い、恐怖に対して不感
症になってしまっているが、生き残っていることに後ろめたさを覚え
ているようでもある。一方で秘密倉庫を通じて共産軍と奇妙な友情を
芽生えさせる不思議。それは共産軍とて変わらないのだろう、韓国領
内にいる親族への手紙を韓国兵に託してくる。
つい数年前までひとつだった祖国がふたつに分断されて米中の代理戦
争をする不条理が、この物資の交換箱に凝縮されていた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「高地戦」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121031
を参考にしてください。
本日はもう1本
「シャドー・チェイサー」 です。
家族が突然姿を消し、得体の知れない組織に銃撃される。何が起きて
いるのかわからない、誰に追われているのか見当もつかない。じっと
していると死が待ち受けているのは確か。頼れるのは己の生存本能だ
け、ひたすら走り続けるしかない。カメラは、予期せぬ危険に巻き込
まれた男に寄り添い、彼の驚きと困惑とサバイバルをリアルに再現す
る。そして状況が呑み込めたとき、"素人"ならではの無鉄砲さで、
プロの工作員たちを相手に堂々と渡り合う。謎が新たな謎を呼ぶたた
みかけるような展開、先を読ませぬ二重三重の偽装と欺瞞の中で、主
人公は信じられるものをみつけていく。
久しぶりに家族と休暇を過ごすウィルは、クルージング中の一家全員
が失踪して警察に駆け込むが、なぜか拘束されかけ、危ういところを
父のマーティンに救われる。だが彼もウィルの目の前で射殺される。
自分がまったく聞かされていなかった父の正体に驚愕するウィル。し
かも同僚だったキャラックに裏切り者扱いされた上、身元不明の電話
には"トム"と呼ばれている。さらに妹の存在まで明らかになるなど、
父に関する多くの耳を疑う情報が一気にウィルの前に押し寄せる。
たしかにストーリーはミステリアスで、次々と提示される新事実は考
える暇を与えないほど凝縮されている。ただ、既視感のあるアクショ
ンに終始し、クライマックスのカーチェイスも大味で緊迫感に欠ける。
シガ二─・ウィーバーの悪党ぶりは新鮮だったが。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「シャドー・チェイサー」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121029
を参考にしてください。
本日はもう1本
「旅の贈りもの 明日へ」 です。
叶えられなかった望み、守られなかった約束、人生に残された宿題。
42年ぶりに過去の扉を開いた男は遠き日の思い出を今に蘇らせようと
する。そしてあの時の"なぜ"の答えを求めて一枚のはがきを手に特
急列車に乗る。物語は定年退職後暇を持て余した主人公が古いはがき
を手掛かりに、差出人に会いに行こうとする姿を追う。ままならぬ日
々に悶々としたあの頃、たった1日だけのデートが大人になっても自分
を支えていた。1人暮らしの寂しさに耐えかね、その時のときめきをも
う一度味わいたいと願う彼の胸の内が切なくリアルだ。海は近く空は
大きい町、福井を舞台にさまざまな人の思いが交錯する。
離婚して25年、サラリーマン生活を終えた孝祐は、荷物の整理中に周
囲が焼けたスケッチを見つける。それは美大受験を目指していたころ、
同じ目標を持つ文通相手・美月からの挿し絵はがきだった。。
高校時代、美術の道に進むことを父に反対され道具を燃やされた孝祐
は家出、美月が住む福井に向かう。小ぶりな天守閣の城、どこまでも
続く砂浜、心まで温まったラーメン、ホームでの別れ。まだ少年少女
だったころのふたりが悩みを打ち明け夢を語るシーンは瑞々しい若さ
にあふれ、青春のきらめきを放つ。なにより、はがき1枚ずつに丹念に
風景を描き相手に送る、気持ちのこもった往復書簡が懐かしかった。
ただ、現在の孝祐が音信不通の美月を探す過程は小さな事実を積み重
ねる構成にすべきだろう。もっとストーリーを練り上げてほしかった。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「旅の贈りもの 明日へ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121027
を参考にしてください。
2012年10月27日土曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(10/27)
本日、とりあげる作品は
「ザ・レイド」 です。
撃つ、絞める、斬る、殴る、刺す、打つ、蹴る、投げる、へし折るetc.
チンピラと警官がマシンガンをぶっ放し、スナイパーが狙撃し、拳
銃を乱射する激しい銃撃戦。ナタを振りおろし、ナイフで切りつけ、
トンファを突きあげる大乱闘。その上達人同士の果たし合いまで100分
間のノンストップ・バトルアクションは瞬きを忘れてしまうほどの速
さと力強さを備えている。防御と攻撃が表裏一体となった流麗かつ実
践的なインドネシアの必殺拳・シラットを基本にした格闘シーンは目
を見張るアイデアにあふれていた。
ギャングのボスが管理する高層アパートに20名の武装警官隊が突入す
る。しかし退路を絶たれた警官隊は1人ずつ落命していく。そんな中、
若き隊員・ラマは得意の武術でチンピラどもを倒していく。
狭い廊下で刃物を振りかざす10人以上のチンピラに単身突撃するラマ。
体のあらゆる部分を使って打撃を加え、関節をひねり、急所を抉って
いく。同時に負傷した仲間をかばいながら、床にもぐり、窓から飛び、
壁に隠れ、数的に勝るギャングたちを次々に仕留めていく。火器に頼
らず、かといって相手の虚を突くでもなく、イーブンな条件で闘いを
挑むあたり、男の美学すら感じさせてくれる。
ラマを演じるイコ・ウワイスをはじめ、主要登場人物が驚異的な身体
能力で危険なスタントをみせるサービス精神と、ひたすら活劇に徹し
た演出の潔さに、最後までスクリーンにくぎ付けになってしまった。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)
「ザ・レイド」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120915
を参考にしてください。
本日はもう1本
「危険なメソッド」 です。
目玉をむき出しにし、下あごを突出し、眉間にしわを寄せ、頬を引き
つらせる。顔中の筋肉を総動員して、次々と湧き上がる恐怖と怒り、
不安と疑念、苛立ちと憎しみといった感情を表現する。激しいヒステ
リー症状で精神病院に収容されたヒロインを演じるキーラ・ナイトレ
イの恐ろしいまでに気迫のこもった表情の変化は、リアリティを超え
た圧倒的な迫力。人間の胸の奥に巣食う闇の部分の硬さと脆さと攻撃
性を見事に再現していた。
スイスの精神科医のユングは美しい患者・ザビーナにフロイトの対話
療法を試み、改善に成功する。数年後ウィーンのフロイトを訪ね初対
面で意気投合、フロイトはユングを精神分析学の後継者に指名する。
フロイトは薬物依存症の精神分析医・グロスの身柄をユングに託すが、
グロスの"快楽に身をゆだねろ"という言葉がユングのザビーナに対
する思いに火をつける。ユングはザビーナへの欲望を満たし、ザビー
ナもまた己のリビドーに従いつつ精神医学への道を邁進する。「精神
科医が精神を病む」「精神を病んだ者が精神科医を目指す」。他人の
心を治療する立場である医師の心も壊れる一見矛盾した構図が、精神
医学の危うさとそれにもまして精神の複雑さを象徴する。
その後も、ユングはザビーナとも離縁復縁を繰り返したり新たな愛人
を作ったりと、"抑圧"を解放するのに忙しい。ユング本人は、そん
な自身の気持ちをどのように解釈していたのだろうか。。。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「危険なメソッド」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120901
を参考にしてください。
本日はもう1本
「声をかくす人」 です。
女はすでに死を覚悟しているのだろう、自分の命と引き換えにしてで
も守るべきもののために。有罪を決定づける証拠は薄いが、心を閉ざ
したままの彼女の意志は固い。映画は大統領暗殺幇助の容疑で起訴さ
れた未亡人の人権を守り、法に則って裁きを受けさせようとした若き
弁護士の孤独な戦いを描く。検事も陪審も裁判官も傍聴席もみな大統
領支持者の四面楚歌状態で、被告を有罪にすれば弁護能力を問われ、
無罪を勝ち取れば世間を敵に回すという苦境に立たされた主人公は、
あくまで真実を探ることで、感情に流されない法の適用を訴えていく。
リンカーン大統領が南部の残党に射殺され、犯人数名が逮捕される。
その中に、彼らの密会に場を提供した寡婦・メアリーもいた。元北軍
将校のエイキンは無実を主張するメアリーの弁護を依頼される。
当然エイキンも暗殺犯を死刑にしたいと考えていたが、被告がだれで
あっても等しく弁護される権利を持つ合衆国憲法の精神を順守する決
意を固める。ところが、検察側証人の証言は矛盾だらけ、しかも民間
人なのに軍法会議にかけられる形のみの裁判に違和感を覚え、弁護士
としての責務に目覚めていく。
確証がないのに最初から死刑ありきの茶番劇のさらしものにされたメ
アリー。「戦時に法は沈黙する」、その言葉は"テロ国家"に侵攻し
独裁者を絞首台に送った現代の米国人に胸にも突き刺さるはず。あの
戦争と裁判は果たして正当な手続きを踏んでいたのかと。。。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「声をかくす人」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120907
を参考にしてください。
本日はもう1本
「終の信託」 です。
人を死なせる権限が果たして医者にあるのか。病気やけがに苦しむ人
を助けるのが使命ならば、患者が抱える耐えがたい肉体的精神的苦痛
から解放してやるのもまた仕事と信じる女性医師。一方、彼女の行為
を"殺人"と断罪しようとする検事。映画は、患者と医師の間に流れ
る穏やかな時間と、検事と医師の間に張りつめた刺々しいテンション
を対比させ、医師は患者の尊厳をどう守るべきかを問う。もちろん正
解はなく結末も釈然としない。それでも、確実に待ちうける"死"の
宿命に対しどんな心構えをしなければならないか考えさせられる。
呼吸器科の医師・綾乃は重症の喘息患者・江木から延命治療しないよ
う歎願される。ある日、江木が救急搬送され、すでに脳機能は低下し
回復の見込みはない彼の人工呼吸装置を綾乃ははずす。
不倫と自殺未遂で悩んでいた綾乃を江木は優しく勇気づけ、医師と患
者の関係以上の思いがふたりの間には芽生えている。だからこそ江木
は延命拒否を綾乃に頼んだのだが、あくまでふたりだけが知ること。
それを検察に呼び出された綾乃が待合室で回顧する構成は、もしかし
たら江木とのエピソードは綾乃の作り話かもと思わせる効果があり、
心理的に不安定な綾乃の危うさが垣間見えてくる。
そして検事は彼女に質問し事の本質をついていく。検事の言葉の刃を
綾乃がいかにかわすか、スリリングな密室の会話劇は、一瞬たりとも
気が抜けない濃密な映像となり見る者をスクリーンにくぎ付けにする。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「終の信託」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121019
を参考にしてください。
本日はもう1本
「009 RE:CYBORG」 です。
「正義」とは、今やその単語を口にする者にとっての真実でしかなく、
対立する他者の「正義」は排除すべき邪念。価値観が混沌とした現代、
世界中で起きるテロの連鎖は未曽有の様相を呈し、もはや人の叡智で
は解決できない。そこは神の領域なのか。いや、神ですら人間の脳が
作った幻覚、ではいったい何がテロリストたちの意識を支配し行動に
至らしめたのか。映画は、何故自分は存在するのか、生きているのか、
自らのアイデンティティを繰り返し問う主人公を通じて、人生の意味
と自己犠牲の美しさを謳う。
世界各地の大都市で高層ビルが相次いで爆破テロの標的にされる。や
がて六本木ヒルズも攻撃を受けるが、現場にいたジョーは003と005に
よって009の能力を覚醒され、ギルモア博士の元に召集される。
ギルモア博士と袂を分かった002は米国政府のスパイになり、同じく英
国諜報員となった008からテロの実行犯はみな「彼の声」を聞いたとい
う情報を得る。一方で、国際社会に緊張状態をもたらして影響力を高
めようとするイスラエルと米国の陰謀説も飛び交う。事件のカギを握
る金髪の少女と天使の化石、更なる混迷と混沌の中で、新たな破壊を
止めるべく009たちが奮闘する。
ビルの倒壊、高速飛行のステルス機上での格闘などのアクションシー
ンは、3Dで再現された細密で圧倒的な情報量の映像で視界を覆い、研
ぎ澄まされたサウンドが臨場感をもたらす。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「009 RE:CYBORG」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121018
を参考にしてください。
「ザ・レイド」 です。
撃つ、絞める、斬る、殴る、刺す、打つ、蹴る、投げる、へし折るetc.
チンピラと警官がマシンガンをぶっ放し、スナイパーが狙撃し、拳
銃を乱射する激しい銃撃戦。ナタを振りおろし、ナイフで切りつけ、
トンファを突きあげる大乱闘。その上達人同士の果たし合いまで100分
間のノンストップ・バトルアクションは瞬きを忘れてしまうほどの速
さと力強さを備えている。防御と攻撃が表裏一体となった流麗かつ実
践的なインドネシアの必殺拳・シラットを基本にした格闘シーンは目
を見張るアイデアにあふれていた。
ギャングのボスが管理する高層アパートに20名の武装警官隊が突入す
る。しかし退路を絶たれた警官隊は1人ずつ落命していく。そんな中、
若き隊員・ラマは得意の武術でチンピラどもを倒していく。
狭い廊下で刃物を振りかざす10人以上のチンピラに単身突撃するラマ。
体のあらゆる部分を使って打撃を加え、関節をひねり、急所を抉って
いく。同時に負傷した仲間をかばいながら、床にもぐり、窓から飛び、
壁に隠れ、数的に勝るギャングたちを次々に仕留めていく。火器に頼
らず、かといって相手の虚を突くでもなく、イーブンな条件で闘いを
挑むあたり、男の美学すら感じさせてくれる。
ラマを演じるイコ・ウワイスをはじめ、主要登場人物が驚異的な身体
能力で危険なスタントをみせるサービス精神と、ひたすら活劇に徹し
た演出の潔さに、最後までスクリーンにくぎ付けになってしまった。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)
「ザ・レイド」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120915
を参考にしてください。
本日はもう1本
「危険なメソッド」 です。
目玉をむき出しにし、下あごを突出し、眉間にしわを寄せ、頬を引き
つらせる。顔中の筋肉を総動員して、次々と湧き上がる恐怖と怒り、
不安と疑念、苛立ちと憎しみといった感情を表現する。激しいヒステ
リー症状で精神病院に収容されたヒロインを演じるキーラ・ナイトレ
イの恐ろしいまでに気迫のこもった表情の変化は、リアリティを超え
た圧倒的な迫力。人間の胸の奥に巣食う闇の部分の硬さと脆さと攻撃
性を見事に再現していた。
スイスの精神科医のユングは美しい患者・ザビーナにフロイトの対話
療法を試み、改善に成功する。数年後ウィーンのフロイトを訪ね初対
面で意気投合、フロイトはユングを精神分析学の後継者に指名する。
フロイトは薬物依存症の精神分析医・グロスの身柄をユングに託すが、
グロスの"快楽に身をゆだねろ"という言葉がユングのザビーナに対
する思いに火をつける。ユングはザビーナへの欲望を満たし、ザビー
ナもまた己のリビドーに従いつつ精神医学への道を邁進する。「精神
科医が精神を病む」「精神を病んだ者が精神科医を目指す」。他人の
心を治療する立場である医師の心も壊れる一見矛盾した構図が、精神
医学の危うさとそれにもまして精神の複雑さを象徴する。
その後も、ユングはザビーナとも離縁復縁を繰り返したり新たな愛人
を作ったりと、"抑圧"を解放するのに忙しい。ユング本人は、そん
な自身の気持ちをどのように解釈していたのだろうか。。。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「危険なメソッド」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120901
を参考にしてください。
本日はもう1本
「声をかくす人」 です。
女はすでに死を覚悟しているのだろう、自分の命と引き換えにしてで
も守るべきもののために。有罪を決定づける証拠は薄いが、心を閉ざ
したままの彼女の意志は固い。映画は大統領暗殺幇助の容疑で起訴さ
れた未亡人の人権を守り、法に則って裁きを受けさせようとした若き
弁護士の孤独な戦いを描く。検事も陪審も裁判官も傍聴席もみな大統
領支持者の四面楚歌状態で、被告を有罪にすれば弁護能力を問われ、
無罪を勝ち取れば世間を敵に回すという苦境に立たされた主人公は、
あくまで真実を探ることで、感情に流されない法の適用を訴えていく。
リンカーン大統領が南部の残党に射殺され、犯人数名が逮捕される。
その中に、彼らの密会に場を提供した寡婦・メアリーもいた。元北軍
将校のエイキンは無実を主張するメアリーの弁護を依頼される。
当然エイキンも暗殺犯を死刑にしたいと考えていたが、被告がだれで
あっても等しく弁護される権利を持つ合衆国憲法の精神を順守する決
意を固める。ところが、検察側証人の証言は矛盾だらけ、しかも民間
人なのに軍法会議にかけられる形のみの裁判に違和感を覚え、弁護士
としての責務に目覚めていく。
確証がないのに最初から死刑ありきの茶番劇のさらしものにされたメ
アリー。「戦時に法は沈黙する」、その言葉は"テロ国家"に侵攻し
独裁者を絞首台に送った現代の米国人に胸にも突き刺さるはず。あの
戦争と裁判は果たして正当な手続きを踏んでいたのかと。。。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「声をかくす人」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120907
を参考にしてください。
本日はもう1本
「終の信託」 です。
人を死なせる権限が果たして医者にあるのか。病気やけがに苦しむ人
を助けるのが使命ならば、患者が抱える耐えがたい肉体的精神的苦痛
から解放してやるのもまた仕事と信じる女性医師。一方、彼女の行為
を"殺人"と断罪しようとする検事。映画は、患者と医師の間に流れ
る穏やかな時間と、検事と医師の間に張りつめた刺々しいテンション
を対比させ、医師は患者の尊厳をどう守るべきかを問う。もちろん正
解はなく結末も釈然としない。それでも、確実に待ちうける"死"の
宿命に対しどんな心構えをしなければならないか考えさせられる。
呼吸器科の医師・綾乃は重症の喘息患者・江木から延命治療しないよ
う歎願される。ある日、江木が救急搬送され、すでに脳機能は低下し
回復の見込みはない彼の人工呼吸装置を綾乃ははずす。
不倫と自殺未遂で悩んでいた綾乃を江木は優しく勇気づけ、医師と患
者の関係以上の思いがふたりの間には芽生えている。だからこそ江木
は延命拒否を綾乃に頼んだのだが、あくまでふたりだけが知ること。
それを検察に呼び出された綾乃が待合室で回顧する構成は、もしかし
たら江木とのエピソードは綾乃の作り話かもと思わせる効果があり、
心理的に不安定な綾乃の危うさが垣間見えてくる。
そして検事は彼女に質問し事の本質をついていく。検事の言葉の刃を
綾乃がいかにかわすか、スリリングな密室の会話劇は、一瞬たりとも
気が抜けない濃密な映像となり見る者をスクリーンにくぎ付けにする。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「終の信託」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121019
を参考にしてください。
本日はもう1本
「009 RE:CYBORG」 です。
「正義」とは、今やその単語を口にする者にとっての真実でしかなく、
対立する他者の「正義」は排除すべき邪念。価値観が混沌とした現代、
世界中で起きるテロの連鎖は未曽有の様相を呈し、もはや人の叡智で
は解決できない。そこは神の領域なのか。いや、神ですら人間の脳が
作った幻覚、ではいったい何がテロリストたちの意識を支配し行動に
至らしめたのか。映画は、何故自分は存在するのか、生きているのか、
自らのアイデンティティを繰り返し問う主人公を通じて、人生の意味
と自己犠牲の美しさを謳う。
世界各地の大都市で高層ビルが相次いで爆破テロの標的にされる。や
がて六本木ヒルズも攻撃を受けるが、現場にいたジョーは003と005に
よって009の能力を覚醒され、ギルモア博士の元に召集される。
ギルモア博士と袂を分かった002は米国政府のスパイになり、同じく英
国諜報員となった008からテロの実行犯はみな「彼の声」を聞いたとい
う情報を得る。一方で、国際社会に緊張状態をもたらして影響力を高
めようとするイスラエルと米国の陰謀説も飛び交う。事件のカギを握
る金髪の少女と天使の化石、更なる混迷と混沌の中で、新たな破壊を
止めるべく009たちが奮闘する。
ビルの倒壊、高速飛行のステルス機上での格闘などのアクションシー
ンは、3Dで再現された細密で圧倒的な情報量の映像で視界を覆い、研
ぎ澄まされたサウンドが臨場感をもたらす。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「009 RE:CYBORG」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121018
を参考にしてください。
2012年10月25日木曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(10/25)
本日、とりあげる作品は
「アルゴ」 です。
一つ間違えれば自分の命だけでは済まない。絶体絶命の危機の中に身
を投じ平然と嘘をつきとおす度胸を持つ男は、身体能力や銃器に頼る
のではなく、アイデアと機転で同朋を救い出す。その、あまりにも突
飛な作戦は味方ですら成功するとは思わないほど、ゆえに敵は見事に
欺かれる。派手さはないがユーモラス、アクションはないがスリリン
グ、そして何よりイメージで物語を紡ぐ"映画"というメディアの力
をあらためて見せつけられた。
'79年、イラン革命防衛隊に占拠された米国大使館から抜け出した6人
の職員はカナダ大使の私邸に匿われる。米国務省とCIAは人質奪還のス
ペシャリスト・トニーに彼らの救出を命じる。
トニーは彼らを映画のロケハン隊に偽装して出国させる計画を立案す
る。実際に脚本を買い、製作発表を行い、いかにも大作映画のプトジ
ェクトが胎動とまず米国内でプロパガンダを打つ。その後イランに入
国、6人に徹底的に偽の身分を覚えこませる。ヒゲ面のもっさりした外
見でトニーの"切れ者"ぶりをカムフラージュする一方、ハリウッド
の虚栄とCIA上層部の官僚体質を暴き出し、現場で苦労する工作員と対
比させる構成が小気味よい。
極限にまで高まったトニーと職員たちの不安と緊張だけでなく、あえ
てヒロイズムを避け、シリアスなのにどこかとぼけた味わいを残すと
ころに好感が持てた。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「アルゴ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120927
を参考にしてください。
本日はもう1本
「ペンギン夫婦の作りかた」 です。
辛すぎずくどすぎず、おかずに和えてもご飯にかけても、食材の風味
を損なうことなく独特の香味を鼻孔の奥に残す。中華料理店なら普通
に置いてあるラー油にさまざまな具材を加えて"ラー油を食べる"発
想で新たな需要を産んだ「石垣島ラー油」。それはひと組のカップル
の、素朴だけれど斬新なアイデアの賜物だった……。映画は、深く信
頼し合うふたりが厳しい現実を克服し、前向きに生きる姿を描く。
歩美と中国人夫・暁江は勤務先の倒産を機に石垣島に旅行、すっかり
石垣島が気にいったふたりは永住を決意する。歩美は飲食店で働くう
ちに現地の農産物で作るラー油を思いつき、フリーマーケットで売る。
物語は帰化申請する暁江のために夫婦で役人の面接を受けるふたりが、
回想の中でどれほどお互いを大切にし、いかにして大ヒット商品であ
る「石垣島ラー油」が生みだしたかを再現する。査問官は偽装結婚を疑
う態度を崩さず、さらにラー油製造場所を強制捜査したりと、あくま
で東京から来たよそ者と中国人に対する不信感を隠さない。そのあた
りの緊迫した空気と、歩美と暁江の苦労ですら楽しもうとするラブラ
ブな日常や帰化申請に向けて想定問答を繰り返す軽妙なシーンがバラ
ンスを取る。
ただ、もともと原作に波乱万丈の起伏があまりないのだろう、査問官
や歩美に勘違いさせてコミカルな味付けをしてアクセントをつけるが、
設定がベタ過ぎて笑えなかった。。。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「ペンギン夫婦の作りかた」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121022
を参考にしてください。
本日はもう1本
「伏 鉄砲娘の捕物帳」 です。
猟師として抜群の腕前を持つ娘と、物の怪の本性を隠して生きる男。
ふたりは決して結ばれてはならない関係でありながら、出会い、惹か
れあい、そして運命に身をゆだねていく。並の作家ならば"道ならぬ
恋"に落ちた彼らが、苦悩し、二者択一を迫られつつも心の声に従う、
もしくは引き離される姿を描くはず。ところが、映画はそうした手垢
のついた展開とは明確に一線を画し、予期せぬ方向に舵を切る。
猟師の孫娘・浜路は江戸で犬の面をかぶった男・信乃に助けられ、兄
・道節の長屋に案内される。道節は、「伏」と呼ばれる魔物を退治し
て報奨金を狙っているが、さっそく浜路を連れて吉原に伏狩りに行く。
吉原に着く早々道節は客引きに誘われて仕事を放棄、一人になった浜
路は運よく信乃と再会、着物を買ってもらったりする。やがて花魁道
中が始まると、見物のために行列に近づいた道節が躓いた弾みで浜路
を花魁に投げつけ、花魁の正体が伏だとばれてしまう。その後もあら
ゆる場面で必然性のないことが突然起こり、物語を強引に引っ張って
いく。さらに、瓦版発行者の冥土という娘が登場するが、服装が現代
のメイド風なのもセンスの悪いギャグとしか思えない。
愛を謳うでも人生に葛藤するでもなく、目を見張るような映像を見せ
るわけでもない雑なシーンが続き、「南総里見八犬伝」の名を汚して
いく。作り手の主張やテーマのみならず、内容もまったく理解できな
い稀有な作品だった。
お勧め度=★*(★★★★★が最高)
「伏 鉄砲娘の捕物帳」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121023
を参考にしてください。
本日はもう1本
「宇宙人王さんとの遭遇」 です。
心の奥まで見透かすような黒光りする瞳、それは真実を語っているの
か、狡猾さを覆い隠そうとしているのか。時に弱々しく慈悲を乞うが、
自説を絶対に曲げない強い意志もにじませる。驚きや怒りには反射的
に反応し頭部を鶏冠のように広げるが、そのほかはほとんど感情が読
み取れない。物語はそんな宇宙人を秘密機関のエージェントが取り調
べる過程で、"エイリアン"の扱いについて考察を加える。
中国語翻訳者・ガイアは、中国語を話す宇宙人・ワンさんの通訳を引
き受ける。ガイアはキルティ捜査官の執拗な尋問に嫌悪感を抱き、文
化交流のために地球にきたと繰り返すがワンさんに同情していく。
ワンさんとは、今や世界中で政治的経済的な脅威となった中国人の象
徴。民族・出身で偏見や差別はいけないと頭では理解しているが、一
度甘い顔を見せてしまうと食い物にされてしまうのではといった不安。
イタリアではまだ宇宙人を使ったジョークで済まされるのかもしれな
いが、すでに池袋や新宿といった「新興チャイナタウン」が現実とな
っている日本では、より切実なリアリティで見る者に迫ってくる。
結局、異文化や異文明と出会ったとき、相手に良心や善意を期待する
のは墓穴を掘る結果になる。中国語を話す者を信用するなというこの
作品の教訓は、領土問題でくすぶっている日本人にとっては共感を呼
ぶ部分が少なからずあるはずだ。もちろんあらゆる中国人を敵視する
後味の悪さは否めないが。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「宇宙人王さんとの遭遇」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121024
を参考にしてください。
「アルゴ」 です。
一つ間違えれば自分の命だけでは済まない。絶体絶命の危機の中に身
を投じ平然と嘘をつきとおす度胸を持つ男は、身体能力や銃器に頼る
のではなく、アイデアと機転で同朋を救い出す。その、あまりにも突
飛な作戦は味方ですら成功するとは思わないほど、ゆえに敵は見事に
欺かれる。派手さはないがユーモラス、アクションはないがスリリン
グ、そして何よりイメージで物語を紡ぐ"映画"というメディアの力
をあらためて見せつけられた。
'79年、イラン革命防衛隊に占拠された米国大使館から抜け出した6人
の職員はカナダ大使の私邸に匿われる。米国務省とCIAは人質奪還のス
ペシャリスト・トニーに彼らの救出を命じる。
トニーは彼らを映画のロケハン隊に偽装して出国させる計画を立案す
る。実際に脚本を買い、製作発表を行い、いかにも大作映画のプトジ
ェクトが胎動とまず米国内でプロパガンダを打つ。その後イランに入
国、6人に徹底的に偽の身分を覚えこませる。ヒゲ面のもっさりした外
見でトニーの"切れ者"ぶりをカムフラージュする一方、ハリウッド
の虚栄とCIA上層部の官僚体質を暴き出し、現場で苦労する工作員と対
比させる構成が小気味よい。
極限にまで高まったトニーと職員たちの不安と緊張だけでなく、あえ
てヒロイズムを避け、シリアスなのにどこかとぼけた味わいを残すと
ころに好感が持てた。
お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)
「アルゴ」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120927
を参考にしてください。
本日はもう1本
「ペンギン夫婦の作りかた」 です。
辛すぎずくどすぎず、おかずに和えてもご飯にかけても、食材の風味
を損なうことなく独特の香味を鼻孔の奥に残す。中華料理店なら普通
に置いてあるラー油にさまざまな具材を加えて"ラー油を食べる"発
想で新たな需要を産んだ「石垣島ラー油」。それはひと組のカップル
の、素朴だけれど斬新なアイデアの賜物だった……。映画は、深く信
頼し合うふたりが厳しい現実を克服し、前向きに生きる姿を描く。
歩美と中国人夫・暁江は勤務先の倒産を機に石垣島に旅行、すっかり
石垣島が気にいったふたりは永住を決意する。歩美は飲食店で働くう
ちに現地の農産物で作るラー油を思いつき、フリーマーケットで売る。
物語は帰化申請する暁江のために夫婦で役人の面接を受けるふたりが、
回想の中でどれほどお互いを大切にし、いかにして大ヒット商品であ
る「石垣島ラー油」が生みだしたかを再現する。査問官は偽装結婚を疑
う態度を崩さず、さらにラー油製造場所を強制捜査したりと、あくま
で東京から来たよそ者と中国人に対する不信感を隠さない。そのあた
りの緊迫した空気と、歩美と暁江の苦労ですら楽しもうとするラブラ
ブな日常や帰化申請に向けて想定問答を繰り返す軽妙なシーンがバラ
ンスを取る。
ただ、もともと原作に波乱万丈の起伏があまりないのだろう、査問官
や歩美に勘違いさせてコミカルな味付けをしてアクセントをつけるが、
設定がベタ過ぎて笑えなかった。。。
お勧め度=★★(★★★★★が最高)
「ペンギン夫婦の作りかた」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121022
を参考にしてください。
本日はもう1本
「伏 鉄砲娘の捕物帳」 です。
猟師として抜群の腕前を持つ娘と、物の怪の本性を隠して生きる男。
ふたりは決して結ばれてはならない関係でありながら、出会い、惹か
れあい、そして運命に身をゆだねていく。並の作家ならば"道ならぬ
恋"に落ちた彼らが、苦悩し、二者択一を迫られつつも心の声に従う、
もしくは引き離される姿を描くはず。ところが、映画はそうした手垢
のついた展開とは明確に一線を画し、予期せぬ方向に舵を切る。
猟師の孫娘・浜路は江戸で犬の面をかぶった男・信乃に助けられ、兄
・道節の長屋に案内される。道節は、「伏」と呼ばれる魔物を退治し
て報奨金を狙っているが、さっそく浜路を連れて吉原に伏狩りに行く。
吉原に着く早々道節は客引きに誘われて仕事を放棄、一人になった浜
路は運よく信乃と再会、着物を買ってもらったりする。やがて花魁道
中が始まると、見物のために行列に近づいた道節が躓いた弾みで浜路
を花魁に投げつけ、花魁の正体が伏だとばれてしまう。その後もあら
ゆる場面で必然性のないことが突然起こり、物語を強引に引っ張って
いく。さらに、瓦版発行者の冥土という娘が登場するが、服装が現代
のメイド風なのもセンスの悪いギャグとしか思えない。
愛を謳うでも人生に葛藤するでもなく、目を見張るような映像を見せ
るわけでもない雑なシーンが続き、「南総里見八犬伝」の名を汚して
いく。作り手の主張やテーマのみならず、内容もまったく理解できな
い稀有な作品だった。
お勧め度=★*(★★★★★が最高)
「伏 鉄砲娘の捕物帳」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121023
を参考にしてください。
本日はもう1本
「宇宙人王さんとの遭遇」 です。
心の奥まで見透かすような黒光りする瞳、それは真実を語っているの
か、狡猾さを覆い隠そうとしているのか。時に弱々しく慈悲を乞うが、
自説を絶対に曲げない強い意志もにじませる。驚きや怒りには反射的
に反応し頭部を鶏冠のように広げるが、そのほかはほとんど感情が読
み取れない。物語はそんな宇宙人を秘密機関のエージェントが取り調
べる過程で、"エイリアン"の扱いについて考察を加える。
中国語翻訳者・ガイアは、中国語を話す宇宙人・ワンさんの通訳を引
き受ける。ガイアはキルティ捜査官の執拗な尋問に嫌悪感を抱き、文
化交流のために地球にきたと繰り返すがワンさんに同情していく。
ワンさんとは、今や世界中で政治的経済的な脅威となった中国人の象
徴。民族・出身で偏見や差別はいけないと頭では理解しているが、一
度甘い顔を見せてしまうと食い物にされてしまうのではといった不安。
イタリアではまだ宇宙人を使ったジョークで済まされるのかもしれな
いが、すでに池袋や新宿といった「新興チャイナタウン」が現実とな
っている日本では、より切実なリアリティで見る者に迫ってくる。
結局、異文化や異文明と出会ったとき、相手に良心や善意を期待する
のは墓穴を掘る結果になる。中国語を話す者を信用するなというこの
作品の教訓は、領土問題でくすぶっている日本人にとっては共感を呼
ぶ部分が少なからずあるはずだ。もちろんあらゆる中国人を敵視する
後味の悪さは否めないが。。。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「宇宙人王さんとの遭遇」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20121024
を参考にしてください。
2012年10月21日日曜日
<今週の新刊>2年半ぶり「バガボンド」 「けいおん!」高校生編も
新刊コミックス情報をお伝えする「今週の新刊」。
10月22~27日に発売される主なコミックスは約320タイトル。
井上雄彦さんが宮本武蔵の生涯を描く「バガボンド」や実写映画化された「宇宙兄弟」、アニメ化された4コママンガ「けいおん!」の"高校編"「けいおん! highschool」などが登場する。
「バガボンド」は10年5月以来、約2年半ぶりの新刊となる。
【写真特集】劇場版も大ヒットした「けいおん!」 監督のインタビューも
「バガボンド」34巻と「宇宙兄弟」19巻は23日に登場。
「宇宙兄弟」は絵の具や塗り絵などのセットが付く限定版も同時発売される。
23日はほかにも、2度にわたってアニメ化された野球マンガ「おおきく振りかぶって」20巻、 監督視点でストーリーが展開する異色のサッカーマンガ「GIANT KILLING」25巻、無職のさえない青年と中学生のいとこの少女の共同生活を描く「高杉さん家のおべんとう」6巻も発売。
24日は「日常」8巻や「うぽって!!」4巻、「そらのおとしもの」16巻などアニメ化された人気作が続々登場する。
25日は27日公開予定の劇場版3Dアニメのコミカライズ「009 RE:CYBORG」1巻が発売。
27日は「けいおん! highschool」のほか、鎌池和馬さんの人気ライトノベルのスピンオフ「とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲」8巻、人気ゲーム「アイドルマスター」のスピンオフでアニメ化が決定している「ぷちます!」4巻が登場。
「ぷちます!」はチャーム付き特装版が同時発売される。
(毎日新聞デジタル)
※発売日は配送の都合などで変更の可能性があります。
2012年10月20日土曜日
こんな映画は見ちゃいけない!(10/20)
本日、とりあげる作品は
「思秋期」 です。
寂しさを紛らせるために酒に溺れ、弱さを隠すために暴れ、小さなプ
ライドを満たすために悪態をつく、いつも不機嫌な50男。もはや世間
から必要とされず家族もいない、己のダメさが分かっているのにどう
しようもない、だが新たな一歩を踏み出す気概もない主人公の閉塞感
がリアルに再現される。荒れ果ていた心が、人と人は支えあって生き
ていくものだと学び、次第に優しさを取り戻していく過程が胸に沁み
る。
失業中の飲んだくれ・ジョセフは、バーで喧嘩してチャリティーショ
ップに逃げ込んだのがきっかけで、店主のハンナと言葉を交わすよう
になる。裕福な地区に暮らすハンナは、夫のDVに苦しんでいた。
ハンナに苛むような辛言を浴びせていたジョセフは、彼女の事情を知
るにつれ興味を引かれる。ハンナもまた気遣ってくれるジョセフに胸
襟を開いていく。不器用な者同士が、お互いの気持ちを少しずつだが
通わせていく描写が感情的にならずに淡々としていて、そのさりげな
さが、まだふたりの日常の裏には何か大きな「他人に言えない秘密」
があるのではと予感させる。
やがて愛犬を蹴殺すほど荒んでいたジョセフから険が取れていくのと
は逆に、ハンナの顔にはアザと陰りが増えていく。沈んだトーンの映
像は、彼らのふとした仕種や表情から目が離せないほどの緊張感を生
んでいた。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)
「思秋期」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120908
を参考にしてください。
本日はもう1本
「希望の国」 です。
逃げる若い世代と、住み慣れた土地にしがみつく老夫婦。抗いがたい
巨大なうねりに巻き込まれ、生き残ろうとする者と運命を受け入れよ
うとする者の間に太い"杭"が打ち込まれる。それは親と子だけでは
なく、過去と現在、生と死をも隔てる境界線。物語は目には見えない
恐怖が徐々に拡散し、人間の日常を蝕んでいく様子を描く。避難先で
防護服を身に包む妊婦が町の人々から白眼視されるシーンは、人の心
に潜む偏見が生む反応こそが恐ろしいのではと思わせる。
地震による原発事故で住民に退避命令が出る。酪農を営む小野家はぎ
りぎり立ち入り禁止地区を免れるが、小野は長男夫婦の洋一・いずみ
を避難させる。2人は見知らぬ街で新生活を始め、いずみは妊娠する。
突然警察と自衛隊がやってきて、小野家の庭先に原発20キロ圏のバリ
ケードを作る。小野の家は圏外だが向いの宅地住民は国家権力による
問答無用の強制退去。さらに避難地域が広がるが、周囲から誰もいな
くなっても小野は普段通りの暮らしを続ける。認知症を患う妻と手塩
にかけて育てた乳牛への思いというより、国に対する強烈な不信感が
小野をより頑迷にしている。
やがて小野のもとに家畜殺処分や強制退避の通知が来るが、それらは
「命令書」と居丈高だ。国策だったはずなのに、事故が起きると家畜
を殺して出ていけと被災者に「命令」する。国の仕打ちに怒り、あく
まで抵抗する小野はすべての原発被災者の気持ちを代弁していた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「希望の国」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120821
を参考にしてください。
本日はもう1本
「エクスペンダブルズ2」 です。
銃弾の雨が降り爆弾の嵐が通過しても男たちは無傷。自分たちの任務
に一切の疑問もためらいも持たずひたすら悪党どもをぶち殺していく
戦争大活劇は、ふた昔前のB級映画の雰囲気をふんだんに味あわせてく
れる。いまだ一線で気を吐く現役のスターたちと久しぶりに顔を見る
過去のスターたちの競演、シニアのマッチョ祭りと化した映像からは、
"見世物"という映画の原点に戻ったような懐かしさすら覚える。
アルバニア奥地に墜落した輸送機から機密ケースの回収を依頼された
バーニーたちエクスペンタブルズは、ヴィラン率いる傭兵軍団にケー
スを横取りされた上に新人狙撃手を殺され、復讐を誓う。
髑髏の装飾を施したナイフやペン、バックルなどバーニーの趣味の悪
さは、そのままこの作品のテーマとなって、"力こそすべて"の掟を
象徴する。紅一点この作戦に加わったマギーも暗号解除や東欧言語に
精通しているほかに銃器や拷問具の扱いにも秀でており、キュートな
外見とは反対に戦場で生き残る知恵とタフネスを証明してバーニーた
ちに仲間と認められていく。その過程が異彩を放っていた。
チャック・ノリスが唐突に助っ人に現れたり、前作では顔見世程度だ
ったシュワちゃんやブルース・ウィリスが今回はマシンガンを手に大
暴れし、お互いの代表作の決め台詞を交換し合うなどの細かい芸を見
せるなど、大いに楽しませてくれる。なにより60過歳ぎたおっさんた
ちが体を張ってエンタテインメントに徹する姿勢に好感が持てた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「エクスペンダブルズ2」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120911
を参考にしてください。
本日はもう1本
「菖蒲」 です。
映画という虚構も、日常という現実も、女優にとってそのふたつの人
生は"死"という共通項で密接に結びついている。自分にレンズを向
けてきた長年寄り添った者の死、新作映画の中での愛する者たちの死。
物語は円熟の境地に達した大女優が、夫の死に直面した時に去来した
思いを語るとともに、自らの主演映画で重篤な病に侵されながらも新
しい恋に胸をときめかせる役を演じる姿を描く。カメラはさらに彼女
の二態を記録する第三の視点となり、作品は複雑な三層構造をなす。
ベテラン女優・クリスティナは夫の死から立ち直れず、新作へのオフ
ァーを一度は断るが後に承諾する。撮影に入った映画「菖蒲」は、大
戦後のポーランドが舞台の人間の生と死を見つめるストーリーだった。
「菖蒲」の劇中でクリスティナ扮するマルタは、医師の夫から先は長
くないと診断されるが本人はそれを知らされない。ある日、マルタは
ダンス場で見つけた若者・ボグシに惹かれ、恋心を抱いていく。息子
ほどの年齢のボグシから川に誘われるといそいそと水着に着替えて出
かけるマルタ。そんな彼女が、橋の上を歩くボグシと若い女を見かけ
て我に返る場面が、年齢を重ねることの哀しさをリアルに再現する。
クリスティナにとって、もはや老いと死は遠い未来の話ではなく、身
近に迫った問題となっているのだろう。彼女の切実さは、ひいては老
境に達したアンジェイ・ワイダ監督の死を受け入れるための準備にも
思えてくるのだ。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「菖蒲」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120928
を参考にしてください。
「思秋期」 です。
寂しさを紛らせるために酒に溺れ、弱さを隠すために暴れ、小さなプ
ライドを満たすために悪態をつく、いつも不機嫌な50男。もはや世間
から必要とされず家族もいない、己のダメさが分かっているのにどう
しようもない、だが新たな一歩を踏み出す気概もない主人公の閉塞感
がリアルに再現される。荒れ果ていた心が、人と人は支えあって生き
ていくものだと学び、次第に優しさを取り戻していく過程が胸に沁み
る。
失業中の飲んだくれ・ジョセフは、バーで喧嘩してチャリティーショ
ップに逃げ込んだのがきっかけで、店主のハンナと言葉を交わすよう
になる。裕福な地区に暮らすハンナは、夫のDVに苦しんでいた。
ハンナに苛むような辛言を浴びせていたジョセフは、彼女の事情を知
るにつれ興味を引かれる。ハンナもまた気遣ってくれるジョセフに胸
襟を開いていく。不器用な者同士が、お互いの気持ちを少しずつだが
通わせていく描写が感情的にならずに淡々としていて、そのさりげな
さが、まだふたりの日常の裏には何か大きな「他人に言えない秘密」
があるのではと予感させる。
やがて愛犬を蹴殺すほど荒んでいたジョセフから険が取れていくのと
は逆に、ハンナの顔にはアザと陰りが増えていく。沈んだトーンの映
像は、彼らのふとした仕種や表情から目が離せないほどの緊張感を生
んでいた。
お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)
「思秋期」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120908
を参考にしてください。
本日はもう1本
「希望の国」 です。
逃げる若い世代と、住み慣れた土地にしがみつく老夫婦。抗いがたい
巨大なうねりに巻き込まれ、生き残ろうとする者と運命を受け入れよ
うとする者の間に太い"杭"が打ち込まれる。それは親と子だけでは
なく、過去と現在、生と死をも隔てる境界線。物語は目には見えない
恐怖が徐々に拡散し、人間の日常を蝕んでいく様子を描く。避難先で
防護服を身に包む妊婦が町の人々から白眼視されるシーンは、人の心
に潜む偏見が生む反応こそが恐ろしいのではと思わせる。
地震による原発事故で住民に退避命令が出る。酪農を営む小野家はぎ
りぎり立ち入り禁止地区を免れるが、小野は長男夫婦の洋一・いずみ
を避難させる。2人は見知らぬ街で新生活を始め、いずみは妊娠する。
突然警察と自衛隊がやってきて、小野家の庭先に原発20キロ圏のバリ
ケードを作る。小野の家は圏外だが向いの宅地住民は国家権力による
問答無用の強制退去。さらに避難地域が広がるが、周囲から誰もいな
くなっても小野は普段通りの暮らしを続ける。認知症を患う妻と手塩
にかけて育てた乳牛への思いというより、国に対する強烈な不信感が
小野をより頑迷にしている。
やがて小野のもとに家畜殺処分や強制退避の通知が来るが、それらは
「命令書」と居丈高だ。国策だったはずなのに、事故が起きると家畜
を殺して出ていけと被災者に「命令」する。国の仕打ちに怒り、あく
まで抵抗する小野はすべての原発被災者の気持ちを代弁していた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「希望の国」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120821
を参考にしてください。
本日はもう1本
「エクスペンダブルズ2」 です。
銃弾の雨が降り爆弾の嵐が通過しても男たちは無傷。自分たちの任務
に一切の疑問もためらいも持たずひたすら悪党どもをぶち殺していく
戦争大活劇は、ふた昔前のB級映画の雰囲気をふんだんに味あわせてく
れる。いまだ一線で気を吐く現役のスターたちと久しぶりに顔を見る
過去のスターたちの競演、シニアのマッチョ祭りと化した映像からは、
"見世物"という映画の原点に戻ったような懐かしさすら覚える。
アルバニア奥地に墜落した輸送機から機密ケースの回収を依頼された
バーニーたちエクスペンタブルズは、ヴィラン率いる傭兵軍団にケー
スを横取りされた上に新人狙撃手を殺され、復讐を誓う。
髑髏の装飾を施したナイフやペン、バックルなどバーニーの趣味の悪
さは、そのままこの作品のテーマとなって、"力こそすべて"の掟を
象徴する。紅一点この作戦に加わったマギーも暗号解除や東欧言語に
精通しているほかに銃器や拷問具の扱いにも秀でており、キュートな
外見とは反対に戦場で生き残る知恵とタフネスを証明してバーニーた
ちに仲間と認められていく。その過程が異彩を放っていた。
チャック・ノリスが唐突に助っ人に現れたり、前作では顔見世程度だ
ったシュワちゃんやブルース・ウィリスが今回はマシンガンを手に大
暴れし、お互いの代表作の決め台詞を交換し合うなどの細かい芸を見
せるなど、大いに楽しませてくれる。なにより60過歳ぎたおっさんた
ちが体を張ってエンタテインメントに徹する姿勢に好感が持てた。
お勧め度=★★★(★★★★★が最高)
「エクスペンダブルズ2」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120911
を参考にしてください。
本日はもう1本
「菖蒲」 です。
映画という虚構も、日常という現実も、女優にとってそのふたつの人
生は"死"という共通項で密接に結びついている。自分にレンズを向
けてきた長年寄り添った者の死、新作映画の中での愛する者たちの死。
物語は円熟の境地に達した大女優が、夫の死に直面した時に去来した
思いを語るとともに、自らの主演映画で重篤な病に侵されながらも新
しい恋に胸をときめかせる役を演じる姿を描く。カメラはさらに彼女
の二態を記録する第三の視点となり、作品は複雑な三層構造をなす。
ベテラン女優・クリスティナは夫の死から立ち直れず、新作へのオフ
ァーを一度は断るが後に承諾する。撮影に入った映画「菖蒲」は、大
戦後のポーランドが舞台の人間の生と死を見つめるストーリーだった。
「菖蒲」の劇中でクリスティナ扮するマルタは、医師の夫から先は長
くないと診断されるが本人はそれを知らされない。ある日、マルタは
ダンス場で見つけた若者・ボグシに惹かれ、恋心を抱いていく。息子
ほどの年齢のボグシから川に誘われるといそいそと水着に着替えて出
かけるマルタ。そんな彼女が、橋の上を歩くボグシと若い女を見かけ
て我に返る場面が、年齢を重ねることの哀しさをリアルに再現する。
クリスティナにとって、もはや老いと死は遠い未来の話ではなく、身
近に迫った問題となっているのだろう。彼女の切実さは、ひいては老
境に達したアンジェイ・ワイダ監督の死を受け入れるための準備にも
思えてくるのだ。
お勧め度=★★*(★★★★★が最高)
「菖蒲」
についての詳細は、
http://d.hatena.ne.jp/otello/20120928
を参考にしてください。
2012年10月19日金曜日
渡辺麻友、約600人の前で「ねらわれた学園」主題歌を初披露
[映画.com ニュース] 人気アイドルグループ「AKB48」の渡辺麻友が10月19日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われたアニメ映画「ねらわれた学園」のプレミア試写会に、声優の本城雄太郎、中村亮介監督とともに出席。
桜吹雪が舞うなか、会場に集まった約600人のファンを前に、主題歌「サヨナラの橋」を初披露した。
【フォトギャラリー】渡辺麻友が登壇した試写会の模様
薬師丸ひろ子主演、大林宣彦監督による実写版「ねらわれた学園(1981)」をはじめ、6回にわたり映像化されてきた眉村卓氏のSFジュブナイル小説を、中村監督が初アニメ化した今作。
謎の転校生の存在によって、日常が揺らいでいく少年少女の姿を描く。
渡辺は主題歌のほか、ヒロインの涼浦ナツキ役で映画声優に初挑戦。
「声だけで演技をしなくちゃいけない。
声だけでどう感情を伝えるかが大変だった」と振り返り、「アニメは好きで見ていますが、キャラクターに声を吹き込む側として出演できるのはうれしかった。
不安もいっぱいあったけれど、みなさんに助けられた」と感謝を述べた。
渡辺と本城は、完成した作品を鑑賞し「映像がきれいでどの場面も美しくて、心が洗われるよう。
忘れていた何かを思い出させてくれるようなメッセージが込められています」(渡辺)、「絵と同じくらい音楽も素敵。
僕は男子校なので、やっぱり青春っていいなと思った(笑)」(本城)とアピールした。
「ねらわれた学園」は、11月10日から全国で公開。
2012年10月18日木曜日
<彼女がキレイな理由>平山あやさん ファッション好きで衣装に「私物を提案」
女優の平山あやさんが主演するケータイドラマ「私が黄金を追う理由~映画『黄金を抱いて翔べ』スペシャルドラマ~」が携帯電話専用放送局「BeeTV」とドコモのスマートフォン向け動画配信サービス「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で配信されている。
ファッションが好きで、役の衣装にアイデアを出し、私物も身につけているという平山さんに休みの過ごし方などを聞いた。
(毎日新聞デジタル)
休みの日は、買い物やドライブ、マッサージ、ネイルサロン、ジム、友だちとの食事など、一日中、「なにか行動しているタイプ」と話す平山さん。
「時間がもったいないから早起きして、できる限りのことを1日でやります。
いろいろやりたいことをやらなきゃって、寝るまでに目いっぱい時間を使う」と精力的に動き、休日を満喫している。
予定は事前に決めず、「朝起きてそのときにやりたいことを決めていく」と直感型。
「好きなことをやっている方がリフレッシュできて、楽しい。
家でのんびりしたりするよりも、行動している方がリラックスできています」と話す。
「学生時代は朝から友だちと会っていろんなところに行ったりしていたけど、大人になってから1人の時間も好きになった」といい、食事以外は1人で出かけることが多い。
中でも「いろんなところを出歩いて洋服屋さんをのぞいたりするのがすごく好き」と明かす。
昔からファッションに興味があり、流行のものよりも自分の好みを重視して、気に入ったスタイルは色違いも購入するほど。
「(同じデザインでも)色によってファッションが変わるから」と話し、私服は毎日、帽子やパンツ、Tシャツなど、その日着たいアイテムを一つ決めて、それに合わせて2分ほどでコーディネートしていくという。
そんな平山さんは、撮影中も日ごろから衣装についてアイデアを出しているといい、今回の「私が黄金を追う理由」で演じた小説家志望の編集者ルカのファッションにも、自身のアイデアが取り入れられた。
「Tシャツはゆったりした薄めの素材のものをさらっと着て、デニムのシャツを羽織っていたりして元気な感じに見せたかった」とポイントを説明、アクセサリーは「華奢(きゃしゃ)な一粒ダイヤのネックレスをしていたり、時計も大ぶりすぎず、さりげないものがいいんじゃないかということで、私物をいくつか提案しました」と明かした。
平山さんが目指す美しさとは? 「特に決めずに、自分なりに自分を成長させていくこと」ときっぱり。
「目標を立てずに、好きなことをやったり、オフの時間を作って楽しんだり、ハッピーな時間を過ごすと、体の中からいいものが出たりして、絶対に(美しさに)影響してくると思う」といい、「楽しんで生活することが一番の目標です」と笑顔で語った。
◇プロフィル
ひらやま・あや。
84年1月13日生まれ。
栃木県出身。
98年の「第23回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得し、芸能界デビュー。
99年にドラマ「可愛いだけじゃダメかしら?」(テレビ朝日系)で女優デビューした。
その後、01年の映画「ウォーターボーイズ」(矢口史靖監督)などに出演し、ドラマ、映画のほか、バラエティー番組やCMなど幅広く活躍。
11年9月には自身がデザインを手がけるサロペットブランド「HAPPY KIRAKIRA」をスタートさせた。
瀧本美織さん主演の連続ドラマ「パーフェクト・ブルー」(TBS系、月曜午後8時)に出演中。
「私が黄金を追う理由」は、11月3日公開の映画「黄金を抱いて翔べ」のスピンオフ作品。
映画で金塊強奪を企てる男たちを演じる妻夫木聡さん、浅野忠信さんらが映画と同じ役柄で出演している。
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